【ツアー報告】秋のシギチドリ巡り 東京湾と霞ケ浦 2025年10月2日

(写真:ツルシギ 撮影:箕輪篤子様)

1日という限られた時間の中で海水域と淡水域の両方をめぐりながら、それぞれの環境に生息するシギチドリ類を集中的な観察する秋定番の日帰りバスツアー。淡水域での探鳥では道幅が狭い県道を走らなくてはならないため、車幅が狭い小型のマイクロバスを利用した少人数でコンパクトなツアーとし、アクセスを良くして歩く距離もできる限り軽減しています。また海水域に関しては潮位を見て日程を決めています。そして淡水域での探鳥ではさまざまなトラブル事例があることから、それらを回避するための探鳥ルールについて説明してから現地に向かうようにしています。ただ秋はなかなか天候が安定せず、晴れたり雨が降ったりと毎回毎回悩ましいのですが、この日は昨日の雨は去り、天気は晴れで最高気温27℃と汗ばむような陽気になるとの予報が出ていました。

2日、この日は潮位の関係から集合時間は08:30。昨日の激しい雨がウソのように早朝から都内は晴れていて、気温がぐんぐん上がってきていました。順調にご集合が完了したことから予定通り出発することができ、まずは海水域での探鳥のため千葉県に向かいました。移動中のバス車内ではわずかな時間ながら、秋の地味な色合いのシギチドリ類識別のポイントを説明しながら進むとともに、この日に見られる可能性が高い種について解説しました。到着後は長靴に履き替えるなど準備をしていただいてからトイレに立ち寄り、それから干潟に向かいました。この日はシギチドリ類は干潟上にバラバラにいるようだったので、順光から観察できるよう東側から探鳥しました。まずは砂浜にメダイチドリ、ソリハシシギ、ダイゼンが並ぶ、さらに進むと砂浜上にはシロチドリ、ハマシギの姿がありました。また次第に潮位が上がってきたことから、遠くの干潟にいたオオソリハシシギ、オバシギ、ミユビシギが接近してきてくれ、どこからともなく飛んできたトウネンの群れが間近に降りてくれました。これらを観察していると上空をミサゴが飛び、2羽のダイシャクシギが飛んできて干潟に降りましたが、どこかに飛び去ってしまいました。戻る途中でもハマシギ、トウネン、ミユビシギといった比較的小型種が終結していたことから比較しながら観察することができました。探鳥後は茨城県に向かうため高速道路を走り、途中にあるサービスエリアでまずは各自昼食をとっていただきました。昼食後は車内で午後から見られる可能性がある種や昨日見られた種について、また淡水域でのシギチドリ観察のルールについて説明しながら進めました。現地に到着するとかなりの日差しと暑さの中、最初のポイントに向かい、ここでは昨日に比べてやや数が減ってしまったものの、トウネン、ウズラシギを中心にコチドリ、ツルシギ、オグロシギが見られ、観察中には突然、ハヤブサの幼鳥が飛んできてトウネンを追い回しましたが、残念ながら捕らえることはできず飛び去っていきました。次に訪れた場所ではツルシギ、エリマキシギ、コアオアシシギが見られ、その後は一旦、バスにて移動することにしました。次に訪れた場所ではタカブシギ、トウネン、ヒバリシギが一緒に採食していたことから、大きさや足の色などの特徴を比較しながら観察することができ、遠くの水田にはコアオアシシギの姿も見られました。その後はトイレに立ち寄ってから場所を変えてみました。ここではセイタカシギが群れ、そこに2羽のツルシギ、2羽のアカアシシギ、10羽ほどのコアオアシシギが混じって採食していて見ごたえがありました。観察していると遠くからアオアシシギの声が聞こえ、同じ水面に着水してくれたことから、さまざまな種を同時に観察することができました。そして最後は群れているタカブシギとそこに混じるクサシギを見てこの日の探鳥を終えました。

昨日は激しい雨でしたが、この日はまるで初夏のような汗ばむ陽気の中での探鳥でした。海水域では、ミヤコドリ、ダイシャクシギ、オオソリハシシギ、ソリハシシギ、ハマシギ、ミユビシギ、オバシギ、ダイゼン、メダイチドリ、シロチドリなどが見られ、淡水域ではセイタカシギ、オグロシギ、コアオアシシギ、ツルシギ、エリマキシギ、アカアシシギ、トウネン、ヒバリシギ、タカブシギ、クサシギなど計24種のシギチドリ類に出会うことができました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

ダイシャクシギ 撮影:箕輪篤子様

 

ウズラシギ 撮影:箕輪篤子様

 

ハヤブサ 撮影:箕輪篤子様

 

アオアシシギとコアオアシシギ 撮影:箕輪篤子様

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