【ツアー報告】タカ渡る白樺峠とライチョウが棲む畳平 2025年9月13日~15日

秋といえばタカの渡りでしょう。年に一度の大イベントは見られる期間が短いだけでなく、この時期を逃がすとまた来年まで見られません。ただ、タカの渡り観察は天気によるリスクが大きく、天気の並びによっては成果が大きく変わります。そのため、このツアーではわずかな距離にある乗鞍畳平、乗鞍高原をタカの渡り観察に組み込み、天候が芳しくない時には予定を変更できるようにしています。この白樺峠はタカの渡り観察では大変に有名な場所でさまざまなタイプのハチクマが見られるほか、サシバのタカ柱、そして峠という環境のためイヌワシ、クマタカ、ハリオアマツバメにも期待できます。ただ飛んでいるタカ類の識別が難しいことから「タカ識別講座」を移動中に行っています。また標高2700mの畳平ではライチョウ、ホシガラス、カヤクグリ、イワヒバリを探し、麓の乗鞍高原ではカラ類、ケラ類といった留鳥はもちろん、この時期は渡り途中のエゾビタキ、サメビタキ、オオルリ、キビタキ、そして最近、信州で繁殖例が増えているジョウビタキも常連です。ただ、この時期は毎回毎回、天気予報がなかなか当たらないため、空模様を見ながら朝になってその日の予定を決めることも珍しくありません。

13日、前日に松本駅前までやってきましたが、東京を出る時から空はどんよりとしていて甲府駅を過ぎたあたりからはかなり激しい雨が降っていました。到着した松本駅も小雨が落ちてきているせいか、いつもに比べると蒸し暑さは感じませんでした。そして出発当日の松本駅周辺は朝から曇り空ながら一部に青空が見えていて、やや強い風が吹いていました。集合時間になるとさらに雲が増え、これから向かう乗鞍高原方面には真っ黒な雲が見えていました。

*諸般の事情により詳しい出現内容をウェブサイトでは公開しておりません。

そもそも天候が安定しない時期であることもあって、過去、台風直撃や天候悪化などにより予定変更が頻繁に発生するなど運行が極めて難しいツアーですが、今回もそもそもの天気予報が当たらない、また各社バラバラであるなど天気予報に翻弄される状況になってしまい、結果的には雨、雨、晴れで十分な探鳥ができない時間帯もありました。ただ天候が悪かったせいか2日間に渡ってライチョウに出会うことができ、意外にもイワヒバリをたっぷり見ることができました。一方で強風のせいかホシガラスの出現が1度だけだったのが残念でした。乗鞍高原ではエゾビタキ、オオルリ、ジョウビタキ、コガラ、ヒガラ、ゴジュウカラなどが見られ、わずかながらも小鳥たちの秋の渡りを実感することができ、最終日は待ちに待った青空の下、連続して現れる個体差のある、さまざまなタイプのハチクマを見ることができ、クマタカ、ミサゴ、ノスリ、ツミ、ハヤブサも現れました。白樺峠にはすでに20年近く来ていますが、タカの渡りは何度来ても全く同じ光景はなく、毎回毎回新しい感動を与えてくれます。今後も秋はタカの渡り観察におでかけいただけましたら幸いです。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

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