【ツアー報告】2つのプランで行く!秋の八戸~苫小牧航路 2025年10月29日~31日

(写真:ハジロミズナギドリ 撮影:富川誠様)

長らく企画してきた大洗~苫小牧航路は新造船就航に伴って海鳥観察が困難になってしまい、事実上、北航路の海鳥たちを観察するツアーは休止状態でした。ただ海鳥観察ツアーを企画してほしいという声が多かったことから、これまでにも秋に乗船していたシルバーフェリーに乗船するツアーを企画してみることにしました。八戸まで行かなくてはならないことや長い待ち時間が生じることなどのリスクはあるものの、探鳥時間が7時間程度で体力的に楽なこと、また大洗~苫小牧航路の最もよい海域に絞って探鳥可能なこと、さらには船が大型船でないことから海鳥が比較的近くで見られることなどメリットも多々あります。この時期はアホウドリ類3種、フルマカモメ、トウゾクカモメ、ウミスズメ、ヒレアシシギ類が見られ、ミナミオナガミズナギドリやハジロミズナギドリといった秋らしいミズナギドリ類に期待できます。また秋の渡り期のため、カモ類や小鳥類が見られることも特徴です。なにかと天気や海況が気になる時期ではありますが、今回は直前まで荒れていた海が穏やかになったタイミングで天気も良い2日間になるとのことでした。

29日、昨夜は雨が降っていた八戸駅前もこの日は早朝からひび快晴で、お天気の心配はないように感じました。07:00に八戸港フェリーターミナルに到着後は買い物などをしながら過ごし、08:00にご集合いただいた後は資料、トラベルイヤホンを配布してから乗船しました。乗船後はまず部屋に入って観察機材準備に取り掛かり、その後は08:45の出港に合わせて右舷側デッキから観察をはじめました。空模様はほぼ快晴で風も弱く、着込んでいるせいもあって暖かく感じましたが、船が進むにつれて風が冷たくなってきました。デッキから港内を見てみると複数のカンムリカイツブリが見られ、ウミネコ、ウミウが飛び、灯台にはミサゴが止まっていました。そしてシルバーフェリー・シルバープリンセスは08:45にゆっくりと出航し、苫小牧港を目指しました。

*諸般の事情により詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しておりません。

20年ほど企画してきた大洗~苫小牧航路での海鳥観察ツアーが、新造船就航に伴って終了したことから八戸~苫小牧に航路を変えての企画となりました。主役の一つだったミナミオナガミズナギドリに出会うことはできませんでしたが、もう一つの主役、ハジロミズナギドリは何度も間近に見ることができ、その独特の飛翔形を堪能することができました。ほかにもコアホウドリ、クロアシアホウドリ、アホウドリ、さらにはフルマカモメ、ミツユビカモメ、ウトウ、ウミスズメなどが見られ、秋の航路らしく海上を渡っていく、ツグミ、ヒヨドリ、タヒバリ、マミチャジナイなど、さまざまな小鳥類が見られ、ようやくの思いで船に辿り着いたであろうマヒワがデッキ上の水たまりで水を飲むなどして羽を休めているシーンは印象的でした。今後もさまざまな海域でさまざまな季節に海鳥観察ツアーを企画予定ですのでぜひ回数をこなして経験を積んでいただければと思います。この度はご参加いただきましてありがとうございました。またご一緒できましたら幸いです。

石田光史

クロアシアホウドリ 撮影:上野達雄様

 

マヒワ 撮影:富川誠様

 

コアホウドリ 撮影:上野達雄様

 

フルマカモメ 撮影:富川誠様

 

ウミスズメ 撮影:上野達雄様

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