【コラム なるほど・ザ・世界の鳥たち】オーストラリアの鳥1

謎の鳥 プレインズ・ワンダラー

オーストラリアのバードウォッチャーが最も見たい鳥のトップが、クビワミフウズラだと言われています。和名だと「ミフウズラの一種かな?」程度にしか思わないかもしれませんが(ちなみにミフウズラの一種ではありません)、地元での英名はプレインズ・ワンダラー、つまり「平原の放浪者」といい、広大なオーストラリア内陸部に少数が生息するだけのこの謎の鳥にぴったりの命名です。「平原の放浪者」ではいったい何の仲間なのか判然とませんが、それもそのはず、実はこの鳥はいったい何の仲間なのか長らくわかっていなかったのです。立って15cmほどのウズラのような体型ながら足の長い鳥ですが、ミフウズラの一種だとも、ヒバリチドリに近縁だなどと長いあいだ議論され、現在ではこの鳥1属1種だけのクビワミフウズラ科として独立しています。この鳥が活動するのは夜間だけ。昼間観察するのはほぼ不可能とされています。

プレインズ・ワンダラーの主な生息地はオーストラリアのアウトバック、ビクトリア州の北部に広がる乾燥した荒れ地です。しかし荒れ地ではあっても、まばらに生える草の密度や、草丈などの微妙なバランスが必要で、生息に適した土地は意外に少ししかないため、とても数の少ない鳥です。放牧地への転用や、開墾による環境の変化も影響して減少の一途をたどっており、バードライフ・インターナショナルによる総個体数の推計は5,5007,000羽、干魃がひどい年には2,000羽まで下がると見られています。

・ 今回ご紹介したクビワミフウズラが期待できるツアーはこちら

1121日発 オーストラリア南東部 バードウォッチング 8日間

 

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