【ツアー報告】アオシギに会いたい！奥日光ハイキング ２０１６年１１月１６日
（写真：アオシギ 撮影：柳澤隆様）
紅葉シーズンで賑わっていた奥日光もいよいよ人けがなくなり、葉を落とした雑木林の中を寒風が吹き抜ける季節になりました。今回は冬季に平地で見ることができない鳥たちを求めて奥日光に向かいました。東京発の日帰りバスツアーとしては移動時間が最も長くなることから、探鳥時間は実質5時間ほどしかありません。ただ、そういったことを加味してもここだからこその鳥たちを見る価値があるのです。その中から、今回は渓流に生息しているアオシギをタイトルに入れ、主にこの鳥との出会いに期待しての出発となりました。
16日、通常、日帰りバスツアーは08:00出発ですが、探鳥地まで距離が長いことから今回に限って07:30出発でしたが、無事にご集合いただき快晴の東京駅前を出発しました。ただ、早朝からやや風が強く日陰では寒さを感じました。バスは順調に進み、途中休憩を一度挟んでも約3時間後の10:30には最初の探鳥地に到着しました。バスを降りると思った以上の寒さに驚きましたが、皆様防寒装備はばっちりだったので安心でした。歩き出すと早速、ゴジュウカラが飛び交い、水辺ではカワガラスの声が聞こえました。探してみると倒木の上に止まり羽繕いをするカワガラスの姿があり、珍しくじっと止まっていたためその姿をじっくり観察することができました。また少し歩いた場所ではキバシリの声が聞こえたため探してみると、我々の真横にある大木に飛んできて止まり、独特の登りかたで幹を登って行く様子をしばらく観察することができました。お昼になったため一旦駐車場に戻ることにしましたが、その途中にはエナガの群れに出会いました。一旦各自昼食とした後は移動する予定でしたが思うところがあり、過去にツアーでは行ったことがない場所に立ち寄ることにしました。歩きながら川の淀んだ場所を丁寧に見ることを繰り返しましたが、なかなか目的のアオシギの姿はありません。ただ、最後に観察する予定の場所までたどり着いた時、ようやく地上採食するアオシギの姿がありました。ある程度の距離があったこと、たまたま警戒心が薄い個体であったことなどから、その後は望遠鏡を並べてじっくりと観察することができました。青みのある縞模様がとても美しく、また体を揺すりながらノコノコ歩いて採食する独特の行動も観察することができ非常に貴重な時間を過ごすことができました。普段は倒木の陰に隠れていたりと、あまり活発に動きまわることがない鳥のため、ここまで活発に動き回っていることには少々驚きました。結局、この活発に動きまわることが1時間ほど続き、その間、じっくりと観察や撮影を楽しむことができました。また帰り道にはじっと枝に止まるカワセミ、また一瞬でしたが青いルリビタキが見られました。アオシギ観察に時間を使ったため、やや時間が押してしまいましたが、もう二ヵ所ほど探鳥したかったためショートカットぎみに巡ってみました。湯ノ湖畔では僅かに残ったズミの実にツグミがやってきて採食していたほか、芝生のある場所では4～5羽のツグミが早くも地上採食している様子が観察できました。また一緒に採食するシメの姿もありました。カラマツの林ではぶら下がるような動作で餌を探すコガラの姿があり、ふいに現れたゴジュウカラをほぼ目線ほどの高さで観察することができました。また湯ノ湖ではカモ類の姿は少なかったものの、オオバン、ヒドリガモ、キンクロハジロの姿がありました。そして最後は戦場ヶ原周辺での探鳥です。この頃になるとさらに肌寒さを感じましたが、皆様元気に歩いていただきました。川面にはマガモの姿があり、ここでもアオシギの姿を探しましたが出会うことはできず、代わってキクイタダキとヒガラ、そしてとても愛想の良いカワガラスが岩の上でポーズをとったり、得意の潜水行動を見せてくれ、ツアーを締めくくってくれました。
今回の奥日光は積雪の跡があるなど、晩秋というよりも初冬の雰囲気があり、特に午後は肌寒さを感じました。ただ、主に目的としていたアオシギをじっくり観察する機会に恵まれ、ほかにもキバシリ、ゴジュウカラ、カワガラス、コガラ、ヒガラ、キクイタダキなどに出会うことができました。終日お天気も良く、僅かながら紅葉も楽しむことができ1日を終えることができました。少々歩いていただきお疲れだったかと思います。この度は皆様お疲れ様でした。
石田光史
ゴジュウカラ 撮影：椎葉淳様
キバシリ 撮影：柳澤隆様
ルリビタキ 撮影：宅間保隆様
ミソサザイ 撮影：椎葉淳様
カワガラス 撮影：柳澤隆様
キバシリ 撮影：宅間保隆様
アオシギ 撮影：椎葉淳様
コガラ 撮影：柳澤隆様
アオシギ 撮影：宅間保隆様
カワガラス 撮影：椎葉淳様
キバシリ 撮影：椎葉淳様
