【ツアー報告】冬の琵琶湖で60種観察にトライ! 2017年1月25日

(写真:オオワシ)

数少ない大阪発の日帰りバスツアーの中でも人気のある冬の琵琶湖。今年も冬の琵琶湖の風物詩となっているオオワシが無事に渡来したとの情報がもたらされました。ツアーは今回も現地にある湖北野鳥センター勤務の池田昇平さんに現地案内をお願いし、私とのガイド2名体制でのご案内です。この時期の琵琶湖周辺は鳥を見るには良い時期のため、思い切って60種を見る!というタイトルをつけましたが、なかなか天候が安定しない時期であるのも事実です。今回も前日にかなりの積雪があったため心配になり、前日夜に現地ガイドの池田さんと話し合いました。結果、積雪が多くバスで進入できない場所や深い雪の中を歩かなくてはならないようなポイントは避け、安全に探鳥できるポイントだけを巡れるよう探鳥地を少々変更して巡ることに決めました。

25日、前日は小雪が舞いかなり冷え込んでいた大阪駅前は見事な青空が広がり、風もなく拍子抜けするほど穏やかでダウンジャケットもいらない暖かさでした。そのためトラブルもなくほぼ予定通りの08:30に大阪駅前を出発して琵琶湖に向かいました。ただ、さすがに昨日の大雪の影響が残っているのか、彦根を過ぎたあたりからは車が繋がりノロノロ進行になりました。ただ高速道路上でバスが止まってしまうようなことはなく、見事な雪景色を眺めながら予定よりやや遅い10:50に琵琶湖スポーツの森駐車場に到着し、現地ガイドの池田さんと合流しました。本来は姉川河口に向う予定でしたが積雪が多いため変更しました。ただ、ここも積雪が30cmほどありました。とりあえず観察機材の準備をしていただき、まずは早崎ビオトープに向かいました。ここもかなり積雪がありましたが車のタイヤの跡が残っていたためそれに沿うように歩きました。一面の銀世界を見る限り、どうなることかと心配しましたが、積雪の影響で隠れる場所がなくなった小鳥たちがとても見やすく、アオジ、アトリ、オオジュリン、ベニマシコをじっくり見ることができ、池ではコハクチョウとオオハクチョウが何度も飛び立ってくれ雪の反射もあってとても美しく見えました。また凍結した部分にはタゲリの群れが佇み、最後は道の上を歩くタシギの姿も見られました。思いのほか長引いてしまったことで時間が12:00を過ぎたことから一旦、湖北野鳥センターまで行き各自昼食とし、その後は冬の琵琶湖の風物詩になっているオオワシを観察に行きました。この日は運よく止まっている場所がいつもより低いとのことで望遠鏡を使うと虹彩まで見ることができ、オオワシの成鳥らしい風格を感じることができました。色彩も白、黒、黄色とめりはりがあり、しばらくの間その美しい姿を観察しました。また付近には全く逃げる様子がないトラツグミが歩き回り、シロハラ、ケリなども見られました。その後はセンター前で水鳥を観察しました。まずはヒシクイとマガンをじっくり観察し、その中に混じるトモエガモのオスも見ることができました。池田さんによるとこれほどの距離感で観察できることは湖北では稀とのことで幸運でした。また、付近ではカワアイサ、イカルチドリ、ハマシギ、カンムリカイツブリ、ホオジロガモ、カモメなどの姿も観察しました。ただこの頃からはやや雲がかかり、刺すような冷たい風が吹いていました。水鳥を一通り観察した後はバスにて西池を目指しました。ここでは池中央部の凍ったエリアにマガモが群れ、その中に混じるヨシガモの姿もありました。またここでも数羽のヒシクイが見られ、周囲に群れていたコガモの中にまたまたトモエガモのオスの姿がありました。また上空にはハイタカの姿もありました。そして最後は再び琵琶湖スポーツの森に戻って散策しました。積雪があるため広範囲には歩けませんでしたが、まずはイカルの群れが見られ、松林ではビンズイとセグロセキレイが歩き回っていました。また周囲ではエナガ、シジュウカラ、コゲラなどの姿もあり、夕陽を見ながらこの日の探鳥を終了しました。この日は晴天に恵まれたこと、そして現地ガイドの池田さんの下見の効果もあり観察種は64種と目的を達成することができました。

前日の大雪を見る限り、どうなることかと心配しながらの出発でしたが、この時期の湖北とは思えないほどの穏やかな1日になり幸運でした。いくつか予定していた探鳥地に行けませんでしたが、オオワシ、トラツグミ、ベニマシコ、アトリ、トモエガモ、タゲリなど、見ごたえのある鳥たちに出会うことができました。今後とも琵琶湖でのツアーをよろしくお願いいたします。現地ガイドの池田昇平さん、そしてご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

石田光史

湖北の風景

湖北の風景

 

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