【ツアー報告】深山の渓流に棲むヤマセミに会いたい! 2017年1月27日

(写真:クマタカ 撮影:須崎明男様)

河川工事による環境の変化により、しばらくの間姿を消していたヤマセミを見られないものかと思い、久しぶりに当地を訪れたのが昨年の早春の頃でした。その後も二度ほど当地を訪れ周辺を歩いてみたのですが、より奥地でその姿を毎回見ることができました。そのため久しぶりにヤマセミとの出会いに主眼を置いたツアーを企画することにしました。観察していると毎回2個体が見られ、早春には繁殖行動も見られましたが、ここの個体はあまり人馴れしていないのか、非常に警戒心が強い印象がありました。

27日、この日は予定よりもやや早い07:55に東京駅前を出発しました。薄曇りながら空は明るく、あまり心配はないかのような天気でしたが、天気予報では強風が吹き、日中ににわか雨があるとのことでした。バスは順調に進み途中の休憩ポイントからは見事な富士山の姿を見ることができました。到着後は早速、下見時に複数回ヤマセミが見られたポイントに向かい、ここで観察機材の準備をすると共に1時間ほど出現を待ってみることにしました。結局、ヤマセミは姿を見せませんでしたが、いきなり2羽のクマタカが現れてしばらくの間上空を舞ってくれました。見ているとディスプレイとも思える行動も見られました。また川辺ではハクセキレイ、セグロセキレイ、キセキレイの姿があり、しばらくの間、カワラヒワが水浴びをしていました。そしてカワガラスが周囲を動き回り、かなり水位のある場所でカイツブリ類のように浮上、潜水を繰り返して採食していたのには驚きました。その後は周囲を歩いてみました。川面にはキンクロハジロ、ホシハジロの姿がり、草地にはジョウビタキ、アオジ、ホオジロ、さらに雑木林を飛び回る50羽ほどのアトリの群れが見られました。お昼に合わせて一旦場所を変えて各自昼食としました。ここでは日中によくクマタカが飛翔することから期待しながら食事をしていたところ、見事に尾根沿いにクマタカが飛翔してくれました。ただ午前中は結局ヤマセミの姿が見られなかったことから、午後からは予定を変更してさまざまなポイントを巡ることにしました。ダム湖畔では強風の中、捕らえた魚を食べているミサゴが見られ、その後訪れた川沿いのポイントでは同様にカワガラス、キセキレイ、セグロセキレイが見られました。ただ、やはりなかなかヤマセミに出会うことはできず、最後にまた別の場所に行ってみることにしました。ここでも周囲にヤマセミの姿はありませんでしたが、突然、下流側からヤマセミが飛んできて我々がいた橋の下を通って上流側に飛び去りました。いきなりのことで数名のお客様が見たのみでしたが、写真を撮られた方がいらっしゃったので見せていただくと、間違いなくオスのヤマセミでした。その後はヤマセミが飛び去った方向に戻って複数個所を見てみましたが、残念ながらその姿を見ることはできず、結果的には全員のお客様にその姿を見ていただくことができませんでした

久しぶりに企画したヤマセミツアーですが、初回は残念ながらじっくりと観察することができませんでした。新たな工事が始まった関係なのか、ヤマセミの行動が予想とはかなり異なっている印象がありました。天気予報が外れたようで終日青空の元で観察ができただけにより残念でした。ただ、クマタカの見事な飛翔が見られ、カワガラスの面白い行動が見られた1日でした。皆様、この度はお疲れ様でした。

石田光史

ヤマセミ 撮影:柳由紀子様

 

ジョウビタキ 撮影:須崎明男様

 

クマタカ 撮影:柳由紀子様

 

カワガラス 撮影:須崎明男様

 

カワガラス 撮影:柳由紀子様

 

キセキレイ 撮影:須崎明男様

 

クマタカ 撮影:須崎明男様

 

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