【ツアー報告】秋のシギ・チドリ巡り 東京湾と霞ケ浦(追加設定) 2017年10月7日

(写真:オグロシギ 撮影:早川弘美様)

秋の渡りシーズンに海水域のシギ類と淡水域のシギ類の両方を1日で観察する恒例の日帰りバスツアー。今期はおかげさまで追加設定となり、2度目のツアーとなりました。前回は穏やかな晴天の中でしたが、今回は前日に大雨が降り、その影響が残っていたため当日の天候が心配されましたが、早朝の東京駅前はどんよりと曇ってはいたものの雨は霧雨程度で、昼前からは晴れてくるとの予報でした。

 7日、今回も潮位を加味して通常の日帰りバスツアーよりも30分ほど遅い08:30に出発しました。到着時はすでに干潟が出ており、そこにシギたちが群れていました。時間が進むにつれて潮が引いてくることから早速探鳥を開始しました。間近にあった干潟にはハマシギ、ミユビシギが群れ、この日は忙しく歩き回るソリハシシギ、そしてキョウジョシギの姿もありました。またやや遠目にオバシギの姿があったことから少しずつ近づいて観察すると、その中に混じる1羽のコオバシギの姿がありました。これといって警戒する様子もないためじっくりと観察することができコオバシギ独特のサブターミナルバンドも見ることができました。その後はシロチドリ、メダイチドリ、ダイゼンといったチドリ類や数を増した印象のあるトウネンを見ながら歩き、みるみるうちに群れてくるミヤコドリの群れも間近に観察することができました。また戻る途中には4羽のオオソリハシシギが採食していて、長く反った嘴を泥の中に差し込んでは歩くといった行動を繰り返していました。ほかにも杭の上で魚を食べるミサゴ、長く曲がった嘴が特徴のチュウシャクシギも見られました。お天気がなかなか回復せず、一時的に小雨が降る寒い中での探鳥でしたが帰り際には空が明るくなってきていました。観察後は靴や三脚の足をよく洗ってからバスに乗車し11:00に茨城県方面に向けて移動しました。この日も時間がちょうど良かったことから40分ほど走った高速道路のサービスエリアで各自昼食とし、その後、今度は淡水域のシギやチドリを探しに向いました。この頃からは青空が見え始める中、バスで走りながら水田を見ましたが前日の雨は激しかったようで、どの水田も軒並み水位が高くなっていました。最初に訪れたポイントではなかなか見つけにくい小型種のオジロトウネンの姿があり、次に訪れたポイントでは9羽のオグロシギの群れ、ツルシギ、クサシギの姿がありました。オグロシギの群れの中には橙色の夏羽を残した個体がいたため大変貴重な出会いとなりました。またツルシギもどんどん近づいてきてくれたためじっくり観察することができました。一旦トイレ休憩をとった後は別のポイントを巡りましたが、シギたちが若干移動してしまったらしくなかなか出会うことができませんでした。ようやく見つけたハス田では10羽ほどで群れるタカブシギが見られ、最後はやや水深のあるハス田でコアオアシシギとエリマキシギの群れに出会いましたがすぐに飛んで行ってしまいました。付近の水田に降りたことから見てみるとツルシギとオグロシギの群れでした。そのため最後にもう一度最初に行った場所に戻ると、今度はオグロシギ、ツルシギ、そしてコアオアシシギの群れに出会うことができ、これらを観察して終了しました。

 秋は成鳥冬羽と幼鳥個体が中心で、あまり特徴がないため識別がなかなか難しいものです。ただ今回はハマシギとミユビシギ、トウネンとオジロトウネン、オオソリハシシギとオグロシギ、タカブシギとクサシギ、オバシギとコオバシギといったように似かよった種が見られたため比較しながらの観察ができたのではないでしょうか。今後も繰り返してシギ類を継続的に観察していただけましたら幸いです。この度はお疲れ様でした。

石田光史

オグロシギ 撮影:山岸俊文様

 

ミユビシギ 撮影:鶴田美津子様

 

ソリハシシギ 撮影:早川弘美様

 

タカブシギ 撮影:山岸俊文様

 

コオバシギ(左)とオバシギ 撮影:鶴田美津子様

 

オオソリハシシギ 撮影:早川弘美様

 

オグロシギ 撮影:山岸俊文様

 

ミヤコドリ 撮影:鶴田美津子様

 

コオバシギ 撮影:早川弘美様

 

ツルシギ(左2羽)とオグロシギ 撮影:山岸俊文様

 

オオソリハシシギ 撮影:鶴田美津子様

 

シロチドリ 撮影:早川弘美様

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