【ツアー報告】渡り鳥の中継地 秋の粟島 2017年10月14日~16日

(写真:サンカノゴイ)

秋の渡りは期間が長いこともあり、春の渡りほど盛り上がらないのですが、それでも多くの鳥が渡っていく日本海側の離島に行くことは、多くのバードウォッチャーの憧れとなっています。

14日、予定通りに東京駅を発ち、新潟駅を目指しました。新潟駅から村上駅へ向かい、ここで現地集合の方とも合流してから岩船港に向かい、ここから高速船で粟島へ。粟島到着後は、小休憩をして、すぐに探鳥に出かけました。秋の離島の渡りの主役はホオジロ類です。この日もホオジロ類が圧倒的に多く、そのほとんどがカシラダカとミヤマホオジロでした。特にミヤマホオジロはちょうど渡りのピークに当たったらしく、とても多くの個体を観察することができました。そして、この日の夕方には、次々と海上から島に入ってくるノスリの渡りも観察することができました。その群れを見終わった後には、すでに夕暮れ時となっていたので天然温泉の「おと姫の湯」まで出かけて、冷えた身体を温めた後に、海の幸が豊富な夕食を楽しみました。

翌15日の朝の探鳥で見られた鳥は、昨日とほぼ同じ種でしたが、シロハラやツグミの数がぐっと減ったようです。おそらく昨夜のうちに渡ってしまった鳥が多かったのでしょう。しかし、入れ替わるように、新たに入ってきた鳥もいるようで、昨日は見かけなかったマガンを海岸沿いで観察することができました。砂浜にマガンというのは、なんともミスマッチな組み合わせなのですが、普段は見られない環境で見ることができるのも、渡り途中の鳥ならではのことです。そして夕方には、再びミヤマホオジロの姿が増加し始め、警戒心の薄い個体も多く見られるようになりました。

最終日の16日は午前中のみの観察でしたが、ここで思わぬ鳥と出会うことができました。渡り途中のサンカノゴイを観察することができたのです!普段から観察することが難しい種なので、渡りについても知られていないことが多いのですが、ほかの多くの渡り鳥のように日本海側の島を中継地として、渡ってきている姿を目の当たりにした瞬間でした。ほかにも、この日はハイタカやチゴハヤブサなどの猛禽類やノジコなど、昨日までは観察しなかった種を新たに観察することができました。

今回は残念ながら多くの種を観察することはできませんでしたが、多数のミヤマホオジロやサンカノゴイなど、秋の日本海側の島ならではの出会いがありました。島の渡りはまったく同じということが無く、行く度に違う表情を見せてくれるので、次回はどのような鳥たちが出迎えてくれるか、今から楽しみです。

田仲 謙介

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