【ツアー報告】キクイタダキに会いたい!8月の富士山五合目 2018年8月30日

(写真:キクイタダキ 撮影:稲田貢様)

当日は晴れ時々曇り東京の最高気温は34度まで上がるという予報の中、じわりと蒸し暑さを感じる東京駅を定刻通り8時に出発し富士山五合目を目指しました。途中サービスエリアで休憩するまでの間、本日出現が期待される鳥達についてのレクチャーをしてお客様に予習をしていただきました。SAで休息後、河口湖インター手前からは薄曇りの中雄大な富士山を望みながら一時間ほどで富士山五合目の駐車場に到着しました。

五合目は気温が20度ほどで風もやや強く吹いており下界と隔世の感がありました。駐車場でバスを下車、荷物の準備やトイレの立ち寄りをしていたところ、富士山側の林からホシガラスの声が聞こえ、針葉樹頂上付近に止まりました。急ぎスコープに入れましたがすぐに飛び去ってしまい、2名程のお客様のみが確認できた状況でした。駐車場から急な下り坂を注意しながら目的地の山荘に向かいましたが、繁殖期も終了した時期のため鳥の鳴き声は全く聞こえない状況でした。山荘到着後器材の準備をして待ちますがなかなか水場に鳥が現れてくれません。11時半頃にようやく最初のお客さん=ヒガラが現れ水浴びを繰り返しました。その5分後に同じくヒガラが1羽、さらに5分後に2羽が現れたのみで午前中はやや寂しい時間帯が続きました。昼を回った12時15分頃ウソのペアーが現れ、豪快に水浴びをしてくれましたが雄は頬のピンク色が大変きれいな個体でした。その後ヒガラやウソの幼鳥が出現しましたが、13時15分頃ついに待ち望んでいたキクイタダキ1羽が登場してくれました。いきなり水場に舞い降り素早い動きで水浴びをして15~20秒程で飛び去りましたが、頭頂部の黄色の羽毛の中にオレンジ色が混じっているのが皆様確認できました。この個体は、水場を囲んでいたお客様の興奮が冷める間もない2分ほど後に再度現れてくれまた短時間ですがまた水浴びを繰り返してくれました。その後ヒガラとウソ幼鳥が交互に姿を現す時間帯が続いた14時を回った頃ようやくコガラが登場してくれました。同じ時間にヒガラも現れたため、両種の大きさや色彩の違いなどを確認していただきました。コガラが現れた直後にホシガラスの声が付近で聞こえ、山荘入り口付近の地面に近い枝に止まっている姿を確認しましたが、短時間で針葉樹の高い場所へ移動した後水場付近のお客様がいる上空を通過して北側の森へ飛去してしまいました。結局この日ホシガラスは残念ながら水場に現れず、豪快に水浴びする姿を見ることはできませんでした。出現する種類が少ない中、15時前まだ頬や腹に黄色い色彩が残るヒガラの幼鳥数羽が現れました。同じ時刻に現れ水浴びするウソ(雄)が怖いのか、順番を待つように周辺の枝に止まる姿はまだあどけなさが残り大変愛らしいものでした。ヒガラの幼鳥が去った5分ほど後、本日初めてとなるルリビタキがようやく現れてくれました。この個体も頭部から胸にかけうろこ状の模様がある幼鳥でした。このルリビタキ幼鳥はその後2~3回現れましたが、その後鳥達の出現も途絶えたため16時前には観察を終了いたしました。

今回は当初予定していた8月9日(木)の観察会が台風の影響で中止となり、振替日程として設定させていただきました。天候は良かったのですが水場に現れる個体がやや少なく、常連のカヤクグリ・メボソムシクイ・奇麗な瑠璃色のルリビタキ等の出現がなくやや物足りない点はありましたが、お目当てのキクイタダキは短時間ですが水浴びする愛らしい姿を楽しんでいただきました。灼熱の都会を離れた涼しい富士山五合目で、普段なかなか観察する機会がない亜高山帯の鳥達を、間近でじっくりと観察していただいた一日だったと思います。この度はツアーにご参加いただきまして誠にありがとうございました。

小島久佳

ウソ 撮影:秦順一様

 

キクイタダキ 撮影:上田恵様

 

コガラ 撮影:西川惠美子様

 

ヒガラ 撮影:稲田貢様

 

ウソ 撮影:嶋徹様

 

ヒガラ 撮影:上田恵様

 

コガラ 撮影:西川惠美子様

 

ルリビタキ 撮影:稲田貢様

 

ウソ 撮影:嶋徹様

 

ヒガラ 撮影:西川惠美子様

 

ルリビタキ 撮影:上田恵様

 

ルリビタキ 撮影:西川惠美子様

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