【ツアー報告】鳥の観察会4周年記念 晩秋の大洗~苫小牧航路 2018年11月30日~12月2日

(写真:トウゾクカモメ 撮影:飯田直己様)

鳥の観察会の4周年を記念したツアーの第一弾は私が20年以上乗船させていただいている商船三井フェリーさんふらわあ深夜便を特別価格でご提供した週末利用の3日間ツアーです。このツアーはウェブサイトでの募集をしていないため、主に過去にご参加いただいたリピーターのお客様に優先的にご参加いただけるようにしています。海鳥観察は広いデッキに広がって観察するため、ガイドの声が全体に届きにくいという難点がありましたが、我々はトラベルイヤホンという器具を使用して観察するため、瞬間的な海鳥の出現状況をデッキにいる全員で情報共有することができ、種名や位置、距離感、鳥の向き、また識別ポイントをイヤホン越に聞きながら観察が可能です。今回は冬の海鳥たちが数多く見られる時期に設定し、特に普段なかなか見ることができないトウゾクカモメを中心に観察しました。

30日、小雨が降る中でしたが集合時間よりもやや早く全員のお客様のご集合が完了したため、少々早めに資料配布、トラベルイヤホンの説明、そして翌日の案内やこの時期に見られる可能性の高い海鳥の解説などをしてから乗船を開始しました。

1日、この日は曇ってはいましたが無風だったことから意外なほど寒くはなく、午前中はウミネコ、ミツユビカモメ、ヒメウ、オオミズナギドリ、トウゾクカモメ、シロエリオオハム、クロアシアホウドリ、コアホウドリ、スズガモ、ビロードキンクロ、カワアイサなどが見られ、風が強まる中、クロアシアホウドリが全く羽ばたかずに飛翔するダイナミックソアリングが見られました。午後からは数万羽と思われるミツユビカモメの大群、オオミズナギドリの大群が見られ、飛翔するウトウの群れが見られ、雪模様になる中をハイイロウミツバメ、アホウドリ、コアホウドリを見て観察を終了しました。

2日、天候は晴れで波は収まっていましたが、さすがに風が冷たい朝でした。午前中はオオミズナギドリ、フルマカモメ、トウゾクカモメ、シロエリオオハム、ウミウ、ミツユビカモメ、ウミネコ、セグロカモメ、また船体の真上を9羽のオオハクチョウが通過して行く姿が印象的でした。またミンククジラ、カマイルカ、イシイルカが登場して盛り上げてくれ、午後からはシロエリオオハム、クロガモ、またミツユビカモメを襲うトウゾクカモメ、さらには数千羽単位で着水しているカモメ類の群れが続々と出現し、その中に混じるコアホウドリ、ハシボソミズナギドリが見られました。そして最後は2羽のクロアシアホウドリを見て観察を終了しました。

今回は予想以上の寒さと、往路では後半かなり海況が悪い時間帯がありましたが無事に探鳥ができて幸いでした。この時期はほかの時期にはそれほど見られないトウゾクカモメが多く見られることから期待していましたが、結果的には予想を上回る数、またさまざまなタイプの個体が見られ楽しめました。また海上に花びらを散らしたような数万羽と思われるミツユビカモメの大群は見事な光景でした。今後もウミスズメ類が多数見られる3月、この航路のベストシーズンでもある6月、その後は7月、また秋以降も企画予定です。さらには3月4月には東京~八丈島航路、そのほか小笠原への企画も複数企画中です。今後もトラベルイヤホンを使用して、瞬間的であることがほとんどである海鳥との出会いにおいて「聞き逃し、見逃し」がないよう配慮したツアーを企画してまいります。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

*諸般の事情から詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しないことにいたしました。ご了承ください。

ウトウ 撮影:坂東俊輝様

 

カマイルカ 撮影:霜村亮様

 

クロアシアホウドリ 撮影:飯田直己様

 

オオミズナギドリ 撮影:坂東俊輝様

 

ミツユビカモメ 撮影:飯田直己様

 

トウゾクカモメ 撮影:坂東俊輝様

 

コアホウドリ 撮影:飯田直己様

 

クロガモ 撮影:坂東俊輝様

 

カマイルカ 撮影:飯田直己様

 

ミツユビカモメ 撮影:坂東俊輝様

 

トウゾクカモメ 撮影:飯田直己様

 

トウゾクカモメ 撮影:飯田直己様

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