【ツアー報告】ヤドリギに群れるレンジャクに会いたい! 2019年2月28日

(写真:アトリ 撮影:日下部桂子様)

この冬は「冬鳥」の渡来が極めて少なく、本日ツアーのメインであるレンジャク達の情報もほとんど入ってこない状況でした。朝から小雨混じり天気の中でお客様には予定通り集合いただき08:00に東京駅を出発しました。途中外環状線で朝の渋滞に巻き込まれましたが10:00頃には最初のポイントとなる群馬県の公園に到着しました。

この公園でも相変わらず小雨がパラついていましたが、幸い雨量はそれほどでもない中さっそく機材を準備していただき観察を開始しました。この公園にはヤドリギが寄生した樹木=ソメイヨシノ、ケヤキ、エノキなどが多数みられますが、どのヤドリギにも実がびっしり付いたままの状態です。これらヤドリギの樹木を中心に丹念に探しますが残念ながらレンジャクの姿はありませんでした。ただ雨天ということもあり園内を散策する人達も極めて少ない状況下、警戒心の強いシメの100羽をこえる群れが園内通路や芝生に舞い降り盛んに採餌をしていました。群れの中には嘴が銀色になり頭部がオレンジ色の夏羽に移行中の個体も見ることができました。また付近の林ではカシラダカの小群をじっくり観察、アオゲラも何度か姿を現しましてくれました。またアカゲラ雄が桜の木にとまり採餌する様子をじっくり観察しました。昼食のためバスに戻る際には、アカマツ根元の芝生を歩き回る数羽のビンズイを見ることができました。この公園で昼食をとった後、40分程かけ標高約900mの山麓中腹にある次のポイントに移動しました。移動途中雨は小止みになりましたが霧が深くなり視界極端に悪い状況でしたが、幸いポイントに近づくと霧は殆どかかっていませんでした。この周辺でも沢山のヤドリギが見られましたが、残念ながらレンジャク達に会うことはできませんでした。ただこの地ではコガラ、ゴジュウカラなど標高が比較的高い場所に生息するカラの仲間や50羽ほどのアトリの群れに出会うことができました。このアトリの群れの中には、頭が黒く胸も鮮やかなオレンジ色になっている雄が混じっているのが印象的でした。14:30過ぎに2番目のポイントを出発し、30分程山を下った最後のポイントとなる広大な公園に移動しました。小降りながら雨が降り続く天候の中、公園内の池ではマガモ、コガモ、カルガモに混じり1羽のミコアイサ雌が観察できました。その後谷津環境に移動し、カシラダカの小さな群れに出会いましたが、目当てとしていたミヤマホオジロの姿は確認できませんでした。最後に駐車場に戻る際にアカマツ樹上で盛んに動き回りホバリングするキクイタダキとヒガラに出会うことができました。16:00頃にツアーを終了、途中近くにある道の駅に立ち寄り機材整理等をしていただき帰路につきました。

今回のツアーは主目的であるレンジャクの関東近郊での出現情報が全くない所謂「外れ年」であった点や、当日あいにくの雨天と重なりお客様にはやや残念な結果となりました。しかしヤマゲラやシメの大群そして夏羽が混じったアトリの群れやコガラ、ゴジュウカラ、ビンズイなど、首都圏近郊ではなかなか見る機会が少ない鳥達と出会うことができました。天候や足元が悪い中大変お疲れ様でした。今回はツアーにご参加いただきまして誠にありがとうございました。

小島久佳

アオゲラ 撮影:小松崎興太郎様

 

ビンズイ 撮影:日下部桂子様

 

エナガ 撮影:小松崎興太郎様

 

コガラ 撮影:日下部桂子様

 

アカゲラ 撮影:小松崎興太郎様

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