【ツアー報告】ベストシーズンに巡る夏の北海道(追加設定) 2019年6月26日~29日

(写真:ギンザンマシコ 撮影:岡山絵里様)

この時期、本州が梅雨入りして探鳥に関しては不向きになってしまいますが、北海道は全く逆でこの時期、探鳥の最盛期を迎えます。このツアーでは移動距離が長いというデメリットはあるものの、この時期の北海道での探鳥に関して絶対に外せない、シマアオジやギンザンマシコ、そして、総数100万羽ともいわれる海鳥の楽園、天売島種を網羅しているほか、森林帯の野鳥を観察する行程が全く含まれていないことから、初日には白金温泉付近で森林帯の野鳥も観察できるようにしています。例年、この時期の北海道は梅雨がないとはいえ晴天が続くことは少なく、今回は前回同様に曇りマークが多い予報の中、出発することになりました。

26日、見事な快晴の羽田空港をほぼ予定通りに出発して千歳空港に向いました。到着後は混雑している空港内で各所からご参加のお客様と合流してからこの日の宿泊地に向かいました。以前は千歳空港から直接旭岳に向かっていましたが、飛行機の遅れで探鳥時間が短くなってしまう場合があること、また森林帯の野鳥を観察する行程が含まれていないことを考慮して初日は行程を変更することにしました。いきなり3時間ほどの移動のため、この時間を使ってこのツアーの行程や見られる野鳥たちの解説などを行いました。ホテル到着後はロビーにて観察機材の準備をしていただいてから観察を開始しました。外に出ると北海道とは思えないような蒸し暑さがあり、快晴のため山々の眺望も見事でした。ホテル裏の橋まで行くと名物のアオバトが針葉樹に止まっている姿を観察することができ、周囲を飛び回る様子も観察することができました。またオオルリのさえずりが聞こえたことから探してみると、ちょうど橋の下で鳴いていたことから珍しく上からオオルリを眺めることができました。少々歩くと電柱に巣を構えているニュウナイスズメを間近に見ることができ、芝生がある場所まで行くと針葉樹の枝先でヒガラが遊び、餌を咥えたビンズイが止まっていました。さらに進むとコルリのさえずりが聞こえ、戻る途中では地上で餌を探すキビタキ、またトラツグミにも出会うことができました。また山々の見事な眺望を楽しんでいると、どこからともなくやってきたチゴハヤブサが我々の上空を何度も何度も旋回飛翔してくれ、いつの間にかハイタカも加わってしばらくの間楽しませてくれました。そして最後はニュウナイスズメの砂浴びを見てこの日の探鳥を終了しました。意外にも汗ばむような陽気の中のスタートでした。

27日、この日は昨日の快晴がウソのようなどんよりとした曇り空の下、早朝探鳥を行いました。早朝ということもあってアカハラのさえずりが響き渡り、アオバトが飛んでいました。林ではヒガラ、針葉樹のてっぺんではオオルリがさえずり、最後は巣立ったばかりのヒナを連れたニュウナイスズメを見てから次のポイントに向かいました。途中、どんよりとした空模様は変わりませんでしたが雨が降るようなことはなく、ただこの日は残念ながら旭岳を望むことはできませんでした。到着後はトイレに寄っていただいてから08:00発に乗車しました。山麓駅から姿見駅を見ることはできましたがそれほど視界が良いわけではないようでした。到着後は身支度を整えてからポイントに向かいました。例年に比べると残雪の量は少ないものの雪の上を歩き展望台に向かいました。到着すると霧が立ち込めてきてしまい、時折視界を遮りました。ただギンザンマシコの動きは活発で、ハイマツに止まる姿を見ることができたほか、雪の上を歩きながら餌を探す姿も複数個所で見られました。そしてしばらくするとすぐ目の前に美しいオスが出てきてしばらくその姿を楽しませてくれたほか、その後も数メートルといった距離感にギンザンマシコが何度も出てきてくれ、過去に経験したことがないほどラッキーな時間を過ごすことができました。そのため予定していた時間よりも早くに戻りました。すると今回も駅到着とほぼ同時に深い霧に包まれ、激しい雨が降ってきました。その後は一気に原生花園までの移動となり、途中にあるPAにて昼食とし、やや時間に余裕があったことから周囲を見てみるとホオジロ、キビタキがさえずっていました。その後は小雨模様の中、道の駅に立ち寄り、その後は飛翔するハリオアマツバメのほか、ノビタキ、ホオアカ、アオジ、モズなどを観察してから原生花園に到着しました。この日も幸い雨は降っていませんでしたが、意外なほどの肌寒さのせいで小鳥たちの声は少なく、それでもビジターセンター付近では巣立ったばかりのノビタキのヒナが何羽も姿を見せてくれ、間近でさえずるノゴマやコヨシキリが見られ、電線ではカッコウがしばらくの間、その姿と独特のさえずりを楽しませてくれました。やはり道北までやってきたと実感できるような寒さの中、この日の探鳥を終了しました。

28日、この日はシマアオジを探すため早朝に宿を出ました。やや風があるものの曇り空のあちらこちらから青空がのぞいている状況でした。まずは木道に入って歩いてみましたが、いきなり草原の上をチゴハヤブサが飛翔していました。この日も同様に毎年シマアオジがよく見られているポイントでしばらく待ちましたが残念ながら気配がないことから、この日も一旦バスにて移動してみました。この頃にはすっかり空は快晴に変わり、エゾカンゾウの花に止まってさえずるオオジュリンの姿を堪能したほか、ツメナガセキレイ、ホオアカ、ノビタキといった顔ぶれを楽しむことはできましたが、やはりシマアオジの気配はなく残念でした。一旦朝食に戻り、その後は再び原生花園にやってきて道路沿いからシマアオジを探してみることにしました。ここではソングポストで歌い続けるコヨシキリをじっくり観察したほか、オオジシギが飛び、その後は木道に移動して探鳥し、木に止まるアオバト、また林ではシロハラゴジュウカラやハシブトガラを観察することができましたが、この日も結局シマアオジに出会うことはできませんでした。その後は羽幌町に向けて出発しました。途中風が強い時間帯が続いたことから心配でしたが、羽幌町に近づいたころからは風は止み、まずは名物の甘えび丼をいただいてからフェリーおろろん2で天売島を目指しました。この航路上でもウトウやケイマフリが見られるため観察しながら進み、到着後は一旦宿に入っていただいてからまずは黒崎海岸に向かいました。ここでは最近いきなり集まり出したウミネコのコロニーを観察し、すでに生まれたヒナたちがノコノコ歩き回り、岩礁にはウミウとヒメウの姿がありました。その後は赤岩展望台まで移動し、赤岩の真下を泳ぐゴマフアザラシ、海上に浮かぶウトウやケイマフリ、飛翔するアマツバメを観察しました。その後は宿周辺を歩き、鳴きまくるノゴマやコムクドリ、そしてパークゴルフ場では地上で餌を探すアリスイ、そして最後は朗々とさえずるクロツグミを見て観察を終了しました。その後は豪華な夕食をいただき19:00からは専門のガイドさんと共に赤岩展望台にウトウの帰巣風景を観察しに向いました。この日は美しい夕景は見られませんでしたが、うっすらと明るい西の空を背景に続々と巣に帰ってくるウトウを観察して長い1日を終えました。

29日、この日は雨が心配されましたが早朝は雨は上がっており、波もかなり穏やかで安心しました。前回同様にこの日は05:00、06:30と2回に分かれて漁船によるクルーズを行い、今度は海上から赤岩を目指しました。空はどんよりとした曇りでしたが海上はベタ凪で出港後は島の北側から赤岩を目指しました。航行中にはアマツバメの群れが我々の頭上を乱舞し、岩礁帯までくるとこの日はかなりの数のウトウの姿があり、岩礁に乗って休んでいるケイマフリの姿も目立ちました。肝心のウミガラスは巣に出入りするため飛翔している個体が何度も見られたほか、やや距離があったものの着水している個体も見られました。また06:30発では港に戻る途中でウトウの群れに混じるウミガラスの姿があり、かなり近い距離感で観察することができたほか、岩礁帯で休むゴマフアザラシに出会うこともできました。クルーズ終了後は朝食をいただき、その後は「海の宇宙館」を見学してから10:25のフェリーにて海鳥を観察しながら帰路につきました。前回同様にこの日も航路上で見られたウトウやケイマフリの数が例年に比べてかなり少ない印象でした。

梅雨がない北海道のベストシーズンをめぐる恒例のツアー。今年もおかげさまで追加設定となり今季2度目の旅でした。天気が相変わらず心配でしたが、終わってみれば雨に打たれることはなく、どちらかというと気温差のある4日間でした。今回もこのツアーの主役であるシマアオジに出会うことができなかったことは極めて残念でした。年々個体数が減っていることは知られていましたが、いよいよこの日が来てしまったかという印象でした。ただ飛来は確認されているようなので繁殖がうまく行くことを祈るばかりです。一方、ギンザンマシコは一部視界不良の中でしたが間近に何回も現れてくれたほか、雪の上を歩き回る姿を間近に観察する幸運にも恵まれました。そして天売島では圧倒されるようなウトウの帰巣風景が見られ、ケイマフリ、ウミガラスにも出会え、ノゴマ、コムクドリ、アリスイなども見られました。北海道は魅力的な探鳥地のため、さまざまな季節に企画しています。また季節を変えてぜひ北海道にお出かけください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

ウミガラス 撮影:TS様

 

オオルリ 撮影:岡山絵里様

 

ケイマフリ 撮影:TS様

 

チゴハヤブサ 撮影:岡山絵里様

 

ウトウ 撮影:TS様

 

オオジシギ 撮影:岡山絵里様

 

ニュウナイスズメ 撮影:TS様

 

コムクドリ 撮影:岡山絵里様

 

ノビタキ 撮影:TS様

 

ノゴマ 撮影:岡山絵里様

 

ギンザンマシコ 撮影:TS様

 

ニュウナイスズメ 撮影:岡山絵里様

 

ギンザンマシコ 撮影:TS様

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