【ツアー報告】秋のシギチドリ巡り 東京湾と霞ケ浦 2020年10月29日

(写真:オジロトウネン 撮影:HNトンビ様)

秋恒例の日帰りバスツアーは16名様限定、マイクロバスを使ってちょうど渡り期にあたるシギチドリ類を海水域、淡水域の両方で探します。淡水域では狭い道を走らなくてはならないことからマイクロバスを使っています。秋のシギチドリ類の渡り期は長く、ピークを当てることは難しいのですが、比較的種類数が安定し珍しい種との出会いにも期待できるこの時期に合わせています。秋はなかなか天候が安定しないのですが、この日は終日快晴で初夏のような陽気となりました。

29日、潮位の関係から集合時間をいつもよりやや遅い08:30としていましたが、予定よりもやや早い08:25にご集合が完了したため出発し、まずは船橋海浜公園に向かいました。この日は午前中は比較的潮位が低く、干潟を自由自在に歩き回れる状況で、まずはハマシギ、ミユビシギ、シロチドリ、ダイゼンといった基本種の姿勢の違いや嘴の形の違いを間近に観察しました。そうこうしているうちにオオソリハシシギが間近を歩き、当地の名物となっているミヤコドリの群れも見られました。また魚を捕らえたミサゴが飛び、遠くにはスズガモの群れが飛び、カワウの大群がやってきて魚を追う様子も観察できました。その後は堤防方面に歩き、カンムリカイツブリや早くも渡ってきたハジロカイツブリ、そしてかなり距離はありましたが冠羽が残るカラシラサギを観察して干潟での観察を終了しました。その後は一旦各自昼食の時間をとってから霞ヶ浦周辺まで移動しました。数日前に下見をしていたのでそれを踏まえての観察でしたが、最初に訪れた場所は残念ながら鳥の姿はなく、次の場所に移動しました。ここでは幸い3羽のコアオアシシギの姿があり、スラリとした細身のスタイルの良い姿をしばらく観察することができました。その後は普段あまり行かない狭いハス田でタカブシギに混じる1羽のウズラシギを発見。赤みが強い幼鳥でせっせと歩きながら餌を探す様子をしばらく観察しました。ただ目立ったのはタカブシギの多さで、今期はとにかく個体数が多く、このハス田だけで15羽以上が見られました。またタカブシギによく似た姿のクサシギが1羽混じっていてその違いもよく観察することができました。そしてその後はまた別の水田に行くことにし、ここでも複数のタカブシギとそれに混じる2羽のハマシギ、その後はまたまた複数のタカブシギと一緒に採食している6羽のオジロトウネンの姿を見て、やや時間が残ったことから最後にチュウヒの塒入りを観察することにしました。ただ移動中に畑地で地上採食している2羽のホシムクドリに出会たったためバスを降りて観察していると、周辺には無数のハクセキレイとタヒバリが乱舞していて、電柱にはチョウゲンボウの姿もありました。塒入りポイントにつくと早くも数羽のチュウヒが枯れ木に止まり、よく見るとオオタカの幼鳥も止まっていました。まだまだ時期的には早いものの陽が傾くにつれてチュウヒが続々と現れ、いつの間にかオオタカ成鳥も枯れ木に止まっていました。結局日没まで観察してこの日の探鳥を終了しました。

一時的には初夏のような陽気の1日でした。これといった珍しいシギチドリ類には出会えませんでしたが、ハマシギ、ミユビシギ、ダイゼン、ミヤコドリ、オオソリハシシギ、そしてカラシラサギにも出会うことができ、淡水域ではタカブシギ、クサシギ、オジロトウネン、コアオアシシギ、そしてオオタカ、チュウヒ、チョウゲンボウ、ホシムクドリにも出会うことができました。秋のシギチドリ類観察は難しいですが、またの機会、またシギチドリ類観察にお出かけください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

オオソリハシシギ 撮影:大澤保男様

 

ダイゼン 撮影:須崎明男様

 

ミヤコドリ 撮影:HNトンビ様

 

チュウヒ 撮影:大澤保男様

 

ウズラシギ 撮影:須崎明男様

 

ホシムクドリ 撮影:HNトンビ様

 

ミヤコドリ 撮影:大澤保男様

 

コアオアシシギ 撮影:須崎明男様

 

ミサゴ 撮影:HNトンビ様

 

ハマシギ 撮影:大澤保男様

 

タカブシギ 撮影:須崎明男様

 

ミユビシギ(手前)とハマシギ 撮影:HNトンビ様

 

ミサゴ 撮影:大澤保男様

 

ハマシギ 撮影:須崎明男様

関連記事

ページ上部へ戻る