【ツアー報告】冬の山陰 伯耆風土記の鳥探訪 2016年1月30日~31日

(写真:オオカラモズ)

この冬からはじまった「現地ガイド同行シリーズ」。その第2弾が冬の山陰です。過去に何度か訪れたことはありますがリアルタイム情報を得ることが難しく、そのため地元在住の案内人の方にご同行いただき2名体制でご案内するというスタイルに変更しました。ただ、冬の山陰というととにかく天候が悪い印象が強く、大雪に道を遮られたこともありました。今回も出発前の天気予報は芳しくなく、しかも出発前夜には東京都内に雪予報が出たため、急遽準備をして都内泊でスタンバイとなりました。

 30日、朝起きると積雪はなく小雨が降っている程度だったのでまずは一安心して羽田空港に向いました。ご集合にも問題はなく、予定通り米子空港に到着した後は現地集合のお客様と合流して出発しました。まずは河口にちょっとだけバスを止めてヨシガモを見てから漁港で探鳥しました。漁港内にはカンムリカイツブリの姿のみでしたが、海岸線まで出ると海上に派手なウミアイサの姿があり、砂浜にはコチドリが群れ、イソヒヨドリの姿もありました。また岩礁には鮮やかなシノリガモが群れ、どこからともなくクロサギが飛んできて盛りあがりました。その後は別の漁港で堤防上に並んでいるヒメウ、ウミウ、カワウ、ハマシギなどを観察して市内の川に向いました。この頃には大山もキレイに見え、美しい順光の中でヨシガモ、オカヨシガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、コガモなどカモ類の基本種を網羅したような探鳥ができました。そしてこの日最後は米子水鳥公園で探鳥です。到着時は風が吹き、小雨が降っていましたが、ツクシガモ、トモエガモ、ミコアイサなどのカモ類を観察することができ、センター内からの観察では間近を何度も飛翔するハイイロチュウヒのメスの姿に盛り上がり、最後は薄暗くなる頃に塒に戻ってきたコハクチョウの姿を見て観察を終了しました。思ったほどの寒さもなく比較的穏やかな1日で、いきなり58種の野鳥たちと出会うことができました。

 31日、05:00に起きて外を見ると月が輝いていて一安心。またもや天気予報は外れたようでした。予定通り06:00にホテルを出発して河口に向いました。この探鳥地に限っては地元島根県の案内人の方にも加わっていただき、当地のヒシクイとマガンの状況についていろいろと解説をしていただくことができ、有意義な時間を過ごすことができました。しばらくして外が明るくなってきたことからバスを降りて観察を開始すると、低木に止まっていたチュウヒが舞い始め、最後は間近を飛んでいきました。河口を望遠鏡で見てみるとマガン、ヒシクイ、カモメ、セグロカモメなどが佇み、空が朝焼けに染まる頃には塒を飛び立ったマガンの群れの飛翔が見られ、美しい景色とのコラボレーションが楽しめました。その後は水田に群れるマガンの群れを観察し、最後はこの冬に頻繁に観察されているオオカラモズを探しに行きました。到着して探し始めると思いのほかあっさりとオオカラモズは姿を見せてくれ、電線に止まったり、地上採食する様子を観察することができました。また付近にはタゲリの群れもいたため一緒に楽しむことができました。一旦、朝食のためにホテルに戻った後は飯梨川河口に向いました。まずは河口西部の論田で探鳥しましたが、いかにも野鳥が多くいそうな環境でした。あちらこちらにコハクチョウの姿があり1羽のズグロカモメが佇んでいました。地元の方が集まっている方向に歩いて行くと、途中の木々にホシムクドリが群れ、行った先にはナベヅルの姿がありました。たった1羽でどこからやってきたのか、コハクチョウの群れに混じっていました。また帰り間際にはハイイロチュウヒのオスが飛翔していました。飯梨川河口では砂地でカモメ、セグロカモメが採食行動し、ミサゴが河口部に降りていました。またアシ原ではオオジュリンの姿が多く見られ、ツグミの群れの中にいる亜種ハチジョウツグミの姿をご覧になったお客様もいらっしゃいました。その後はオシドリの郷を訪ね、川沿いに群れているオシドリの鮮やかな姿を堪能しました。また帰り際には小雨が降り始めましたが、やや増水した川でカワガラス、カワアイサを観察して終了しました。

今回は地元在住の案内人にコース作成をお願いし、また斐伊川河口ではさらにもうお一人の案内人にもご同行いただき有意義なツアーを催行することができました。また、天気予報も良いほうに外れてくれたことも幸いし2日間で79種の野鳥たちと出会うことができました。皆様に感謝しつつ来期の山陰ツアーが楽しみになる2日間でした。皆様お疲れ様でした。      

石田光史

(早朝の斐伊川河口)

(早朝の斐伊川河口)

 

(ホシムクドリ)

(ホシムクドリ)

 

(ナベヅル)

(ナベヅル)

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