【ツアー報告】キクイタダキに会いたい!富士山五合目 2022年8月4日

(写真:ルリビタキ 撮影:大澤保男様)

すっかり梅雨が明けて毎日毎日、厳しい暑さが続く日々。さすがにこうなると国内ではバードウォッチングに出かけるにも熱中症の危険もありなかなか行く場所が見つからないものです。当然のことながらツアーも一休みといった状況にはなるのですが、それでも僅かに野鳥たちが楽しめる場所があります。それが今回訪れる標高約2500ⅿにある富士山五合目です。ここでは涼しい環境の中で過ごすことができるだけでなく、それほど歩いたりしなくても亜高山帯の野鳥たちを間近に見ることができます。この日は長らく続いた晴天が残念ながら途絶えてしまい、しかも雨の予報に変わってしまうという残念な状況の中での出発となってしまいました。

4日、早朝の東京駅前はいきなり雨かと思いましたが曇り空でうっすらと青空も見えていました。予定通り08:30にご集合いただいた後はひとまず富士山五合目に向けて出発しました。バス移動中はこの日に見られる可能性が高い種の解説を行いながら進み、途中休憩を挟んでも2時間半ほどで現地に到着しました。富士スバルラインでは意外なほど空は明るく、ちょうど雨上がりといった感じで道路は乾き始めていました。早速、駐車場で各自準備を整えた後は坂道を下ってポイントに向かいました。針葉樹の林からはルリビタキ、メボソムシクイのさえずりが聞えてはいましたが、さすがに富士山頂を見ることはできませんでした。11:00にはウグイスがさかんにさえずる中、いきなりメボソムシクイが水場にやってきました。そして11:30には美しいブルーのルリビタキと幼鳥のルリビタキが一緒に水浴びをするという珍しいシーンを見ることができました。11:40には針葉樹に止まったホシガラスがしばらくの間、「ジャージャー」な鳴き続けるものの水場にはやってこず、そこかへ去ってしまいました。11:50には今度は地味な色合いのルリビタキのメスが現れ、12:20にはルリビタキのメスにルリビタキの幼鳥が加わって水浴びを始めました。12:55には再びメボソムシクイ、さらには13:10にもメボソムシクイがやってきて水浴びをしていました。13:15からはブルーのルリビタキが頻繁に姿を見せてくれ、美しい姿を堪能することができ、13:35にはようやくウソのオスがやってきてくれました。13:40には兄弟なのかルリビタキの幼鳥が2羽やってきてくれましたが14:00頃からは周囲はやや薄暗くなって霧がうっすらと出てきました。ただ14:05には待望のキクイタダキのオスがやってきたかと思うと、メスと思われるもう1羽もやってきてくれ、何度となくその姿を見ることができました。その後は14:10にはルリビタキのオスとメス、14:30にはルリビタキの幼鳥、15:00頃からは残念ながら小雨が降りだしましたがルリビタキのオス、メボソムシクイがやってきてくれ、15:30にはいつの間にか雨は上がり、それに合わせるかのように今度は2羽のホシガラスがやってきてくれました。ただやはり水場には来ず、針葉樹に止まって休んでいました。15:45にはルリビタキのメス、そしてようやく15:55にウソのメスがやってきてくれ、遠くから雷鳴が聞こえる中、16:30に観察を終了しました。

今回は残念ながら事前の天気予報がかなり悪く心配な中での出発となってしまいましたが、結果的には雨はほぼ降らず、逆の落ちついた光線状態の中で野鳥たちを観察、撮影することができました。主な目的だったキクイタダキをはじめ、ホシガラス、ウソ、メボソムシクイ、そしてルリビタキは美しいオスをはじめメス、そして幼鳥とバリエーション豊かな個体を観察することができました。下界は非常に暑い日が続く中でしたが標高2500ⅿの富士山五合目は涼しく、快適な環境の中で高山の野鳥たちを楽しむことができました。ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

石田光史

ホシガラス 撮影:明官恵子様

 

キクイタダキ 撮影:大澤保男様

 

ウソ 撮影:明官恵子様

 

ルリビタキ 撮影:大澤保男様

 

メボソムシクイ 撮影:明官恵子様

 

ウソ 撮影:大澤保男様

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