【ツアー報告】秋のシギチドリ巡り 東京湾と霞ケ浦(追加設定) 2019年10月16日

(写真:オジロトウネン 撮影:須崎明男様)

短期間に華やかに渡って行く春の渡りとは異なり、比較的時間をかけてじわじわと渡って行くのが秋の渡りの特徴です。特にシギチドリ類の秋の渡りはピークらしいピークがなく、出会いはタイミング次第といったところです。また春に比べて地味な姿の冬羽個体が多く、それに幼鳥も多数混じることから識別もなかなか難しいのが秋の特徴でもあります。今回は干潟の潮位を調べた上で海水域と淡水域に生息するシギチドリ類を一日で観察します。ご好評をいただき今期も追加設定となり2度目の催行となりました。ただ直前に台風が通過し、関東地方でもかなりの被害が出たことから、急遽、前日に現地下見を実施し、夕方になってようやく最終的な催行決定が出るという状況の中での催行となりました。

16日、当日の天気予報は曇りとのことでしたが、早朝の東京都内は残念ながら小雨が降っていて、午前中は雨マークになっていました。この日は潮位の関係からいつもよりもやや遅い08:30に出発してまずは最初の探鳥地に向かいました。到着後は観察機材準備、そして干潟に入っての探鳥が想定されることから長靴なども準備していただき探鳥を開始しました。幸い雨は落ちていませんでしたが、どんよりとした空模様でした。この日はシギチドリ類が全体に広がっているようでまずは中央部の群れを観察しました。当地の代表種であるミヤコドリはまだまだ数は少ないものの堤防からどんどん飛来してきていました。またハマシギ、ミユビシギが群れ、その中には一際小さいトウネンの姿もありました。少々移動すると大型のオオソリハシシギの姿があり、付近にはオバシギも群れていました。よく見てみるとオバシギの群れの中には1羽のコオバシギが混じっていて、思いのほか小さいことが確認できました。またさらに進むと浅瀬にはメダイチドリが群れ、シロチドリ、そして走り回るように採食しているソリハシシギの姿もありました。この日は淡水域でやや時間を使うだろうとの予想から少々早く現地を離れて移動することにしました。途中のサービスエリアで各自昼食をとっていただいている頃には幸い空は見る見る青空になり、午後からの探鳥には雨の心配はないようでした。午後からの探鳥はまず、前回多くのシギチドリ類が見られた場所に行ってみることにしました。ただこの日は条件的な変化は感じられなかったもののシギチドリ類の姿はほとんどなく、ようやくコチドリ、トウネン、アオアシシギ、コアオアシシギの姿があるのみでした。そのため思い切って別の場所に移動することにしました。すると幸いにも多くのシギチドリ類が集まっていて、セイタカシギ、オグロシギ、エリマキシギ、コアオアシシギ、オオハシシギ、タカブシギ、トウネンといった顔ぶれを一気に観察することができました。特にあまり群れでは見かけないコアオアシシギの群れは圧巻でした。その後はまた別の場所に向かい、ここでもシギチドリ類の姿は少なかったもののクサシギに出会うことができました。ただ小型のシギチドリ類がなかなか見られなかったため最後に最初に行った場所に行ってみることにすると、シギチドリ類に少々の変化がり、まずは数羽で群れるオジロトウネンの姿がありました。周囲を探すとようやく3羽のウズラシギが見られ、帰り間際にはすぐに飛び去ってしまったもののツルシギの姿もあり、台風直後で心配された中ではありましたが、さまざまなシギチドリ類に出会うことができました。

今回は結局探鳥中に雨に降られることなく幸いでした。台風直後でやや心配はありましたが、この秋はシギ類が多いようで、セイタカシギ、オグロシギ、ツルシギ、エリマキシギ、アオアシシギ、コアオアシシギ、オオハシシギ、ウズラシギ、タカブシギ、クサシギ、オジロトウネンなどが見られ、海水域ではミヤコドリ、オオソリハシシギ、オバシギ、コオバシギ、ハマシギ、ミユビシギなどが見られ、この日は前回同様にたった一日で25種のシギチドリ類が見られ大漁の一日となりました。次回は春に夏羽のシギチドリ類を探します。またぜひご参加ください。この度はお疲れ様でした。

石田光史

ウズラシギ 撮影:嶋徹様

 

コオバシギ 撮影:須崎明男様

 

オオハシシギ 撮影:嶋徹様

 

ミユビシギ 撮影:須崎明男様

 

オオソリハシシギ 撮影:嶋徹様

 

ダイゼン 撮影:須崎明男様

 

コアオアシシギ 撮影:嶋徹様

 

セイタカシギ 撮影:須崎明男様

 

オグロシギ 撮影:嶋徹様

 

ソリハシシギ 撮影:須崎明男様

 

タカブシギ 撮影:嶋徹様

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