【ツアー報告】ハチクマの群翔に期待!五島列島・福江島 2020年9月22日~24日

(写真:ハチクマ 撮影:水野身江子様)

22日、福岡空港の搭乗口で波多野ガイド、福岡空港集合の皆様と合流して福江島にほぼ予定通りに到着した後は島内南部の農耕地をまわることとして、最初に田園地帯に向かいます。まだ稲が刈り取られていない水田からは、タシギとチュウジシギと思われるジシギ類が何回も飛び立ったほか、浅く水の張った湿地にはコチドリ、タカブシギなどのシギ・チドリ類の姿がありました。農地上を飛びまわるツバメ類はほとんどがツバメでしたが、ここに渡り途中のショウドウツバメの姿もあり、秋の渡りが本格化していることを実感します。次いで訪れた水田地帯は福江島を代表する探鳥ポイントだけあり、広大な田園地帯が広がっていますが、ここもまだ水田の刈取りがされておらず、思ったようには渡り鳥の姿が見つかりません。そこでここも早めに切り上げて、三か所目へと向かいます。ここは今までの2ヵ所とは環境が異なる川沿いの集落です。この集落内でムシクイの姿が見つかったので、そばまで確認に向かうとコムシクイでした。コムシクイは九州、南西諸島は比較的多く通過する種ですが、本州以北はあまり通過しないようで観察する機会が少ない種です。今回は各所で本種の声がよく聞かれたので、この時期の福江島は数多く通過しているようです。

23日、本日はハチクマの渡りを観察するために福江島西端へ。福江島のハチクマの渡りにはふたつの大きなピークがあり、最初のピークは前夜に福江島で塒を取っていた個体が次々と飛び上がって渡っていく早朝の時間帯で、次のピークは渡り途中に戻ってきた個体、九州方面から渡ってきた個体が塒に入る前の午後の時間帯です。まずは早朝の飛び立った群れを観察するために出発するも、朝食を買う時間もあり、大瀬崎に到着した時にはすでに最初のピークが残念ながら終わってしまっていました。その後、アカハラダカは何度も現れますが、肝心のハチクマは現れず。退屈な時間が長引いてきたので、ここ数日出ているというコウライウグイスを、岬の先端まで探しに向かった波多野ガイドから連絡が入り、飛びまわる2羽のコウライウグイスを観察する幸運に恵まれました。午後のピークに備え、予定よりも少し早く昼食を済ませて、再び岬でハチクマを待っていると、数は少なかったものの、すぐそばを飛んでくれるハチクマの姿も楽しむことができました。

24日、昨日の状況から朝食は昨晩のうちに皆様にご用意いただき、今朝は大瀬崎まで直行します。到着するとすぐに頭上を舞うハチクマの姿が見られ、次々と集まって、鷹柱を形成していきます。これぞ待ち望んでいた、福江島のハチクマです!大きな鷹柱が形成されるたびに歓声、シャッター音が響きます。しかし、そのような楽しい時間も長続きせず、いよいよ雨が本降りになってきてしまったので、バスに戻って空模様を眺めることに。1時間ほど待ってみましたが、一向に天気が好転する気配が見えなかったので、予定を変更して少し早めの昼食とします。昼食時間も雨が降り続く天候でしたが、驚いたことに窓の外には活発に行動する何羽ものカラスバトの姿がありました。伊豆諸島や南西諸島などの生息地では見づらい印象のあるカラスバトですが、ここでは驚くほど活発に動きまわっていて、予想していなかったボーナスとなりました。

今回、初めて実施した福江島のツアーでしたが、最終日の朝に福江島らしいダイナミックなハチクマの渡りを観察することができて、改めてハチクマ群れ舞う、素晴らしさを実感することができましたので、来秋にもまた再び壮大なハチクマの渡りに出会いに行きたいと思います。ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

田仲 謙介

ハチクマ 撮影:両角智様

 

ミサゴ 撮影:水野身江子様

 

ハチクマ 撮影:両角智様

 

カラスバト 撮影:水野身江子様

 

チゴハヤブサ 撮影:両角智様

 

ハチクマ 撮影:水野身江子様

 

エゾビタキ 撮影:両角智様

 

ハチクマ 撮影:水野身江子様

 

ハチクマ 撮影:水野身江子様

 

ハチクマ 撮影:水野身江子様

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