【ツアー報告】トウゾクカモメのピーク!晩秋の大洗~苫小牧航路 2020年11月20日~22日
(写真:トウゾクカモメ 撮影:宅間保隆様)
私の海鳥観察の原点と言っても良い、商船三井フェリーさんふらわあ深夜便に乗船して海鳥観察を行うという、定期航路からの海鳥観察ツアーの元祖と言っても良いツアーです。気がつけは私的にはもう30年近く乗船させていただいている航路です。このツアーは金曜日の夜にご集合いただき日曜日の夜に解散することから週末の時間をうまく利用して楽しめ、好きな時間に食事がとれる、疲れたらいつでも部屋で休める、またいつでもお風呂に入れるといったほかのツアーにはない航路探鳥だからこその特長があります。我々のツアーではトラベルイヤホンを使用して観察することから、出現した海鳥の種名や特徴、位置、向き、距離感などをデッキにいる全員で瞬時に情報共有することができるため、海鳥観察初心者の方や最近ちょっと耳に自信がなくなってきたといった方でも安心して探鳥可能です。この時期は多くのミツユビカモメが南下してくることから、それを追ってやってくるトウゾクカモメが一年で最も多く見られる時期で、ほかにもコアホウドリ、クロアシアホウドリ、フルマカモメ、そしてアホウドリとの遭遇率も高い時期です。過去にはこのツアーで初雪を見るといったケースもありましたが、今回は風は強いものの天気は良く、厳しい寒さにはならない予報の中での出発となりました。
*諸般の事情から詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しておりません。
11月の大洗~苫小牧航路でその年の初雪を見ることもそう珍しくないのですが、今回は強風はあったものの、そこまで寒いといった感じではなく気温としては高い11月航路でした。主役のトウゾクカモメはそれほど数多く観察はできませんでしたが、カモメ類を襲う様子が観察できたほか、船を追うように飛翔するトウゾクカモメらしい行動も見られました。また今回は昔の11月航路を思わせるような数多くのコアホウドリに出会うことができ、そこにフルマカモメも加わって往路の午後は賑やかな時間を過ごすことができました。さらに今回は複数のアホウドリとの出会いが盛り上げてくれました。特に往路では美しいアホウドリの成鳥が出現し、復路では逆に真っ黒い幼鳥を見ることができました。鳥の観察会のツアーは一旦中断期間に入りますが、また2021年2月から再開予定です。今後もトラベルイヤホンを使用してデッキで観察している全員で海鳥の出現状況を共有しながら探鳥可能な海鳥観察ツアーを提供いたします。またの機会、ぜひご乗船ください。
石田光史