【ツアー報告】フォトツアー2月の冬の道東めぐり 2022年2月16日~19日

(写真:オオワシ 撮影:鈴木真様)

冬の定番となっているこの冬の道東めぐりも早いものですでに15年以上担当させていただき、過去、毎年のようにコースを変えながら催行してきました。以前はタンチョウ、シマフクロウ、オオワシ、オジロワシが主役でしたが、シマフクロウに関しては出現率が極めて高い初冬に移行し、新たに人気が高いシマエナガ、そして私的にも応援している落石クルーズでのウミスズメ類撮影を加えてリニューアルしました。これによりシマエナガをはじめとした小鳥類、流氷のオオワシ、オジロワシ、タンチョウの塒および雪原で乱舞するタンチョウ、エゾフクロウ、そしてコオリガモをはじめとした海ガモ類、最後はウミスズメ類とほぼ全てが撮影可能な4日間コースが完成しました。これにモモンガ、ラッコ、アザラシ類撮影まで加わってさらに完成度が増しました。4日間では私的にはもうこれ以上のツアーは作れないと自負しているツアーの出発です。

16日、早朝から晴れ間が見える羽田空港を予定通りに出発して女満別空港に向いました。到着した現地は曇り空ながらも天気の不安はなく1時間ほど移動の時間をとってこの日の宿泊地に向かいました。途中、雪景色に映える屈斜路湖が見え、見事な風景に北海道を感じることができ、宿に到着後は一旦お部屋に入っていただいて各自撮影機材の準備をしていただき、その後は宿の庭にてシマエナガをはじめとした小鳥類を撮影しました。この冬は雪が少なく暖かい日が続いたせいか、なかなか姿を見せなかったシマエナガですが、年明けした頃からはようやく安定的に姿が見られるようになったそうで、この日は単独で行動している個体のほか、5~6羽の群れで行動しているシマエナガが頻繁に姿を見せてくれました。ほかにもハシブトガラ、シロハラゴジュウカラ、シジュウカラ、コゲラ、ウソがかわるがわるやってきてくれ、当地では初となるヤマガラ、そして複数のアカゲラに混じって、この冬はオオアカゲラのオスとメスがやってきていたことから両方を撮影することができました。そして17:00過ぎからはエゾモモンガの撮影の準備にとりかかり、この日も複数のエゾモモンガが飛び出していく様子、そして木々を登っては餌を食む様子も撮影することができました。

17日、この日はタンチョウの撮影のため早朝に出発しました。そもそもは曇り予報だったためあまり期待はしていなかったのですが、直前に天気予報が晴れに変わっていました。ただ天気予報はなかなか難しいようで当日は残念ながら曇りで期待していたような状況にはなってくれませんでした。ただ川ではホオジロガモやカワアイサ、そしてヤマセミも見られ、セグロセキレイがさえずりのような声で鳴いていました。結局2時間ほど塒に佇む姿や飛翔するタンチョウの撮影を行いました。その後は付近で良く見られているエゾフクロウの撮影に向かいました。エゾフクロウはいるのかいないのか運次第といった感じではありますが、この日は幸いにも出会うことができ10分ほどの短時間でさっと撮影させていただいてからサンクチュアリーまで移動し、小雪が舞う雪原で群れているタンチョウの姿や突然始まる鳴き交わし、さらには飛翔する姿や求愛ダンスをするタンチョウの撮影を楽しんでから宿に戻って、再びシマエナガをはじめ、ハシブトガラやシロハラゴジュウカラ、アカゲラ、オオアカゲラ、さらにはキバシリやコゲラなどの撮影を楽しみ、この日は可愛らしいウソもじっくりと撮影することができ、前日同様に17:00過ぎからはエゾモモンガの撮影も行いました。

18日、この日は早朝に出発して羅臼町に向かいました。以前は05:30の早朝便の流氷観光船に乗っていましたがなかなか日の出に出会えないこと、そして日の出が見られないと光線の関係で1時間ほど撮影ができないことから、今回は午前便に乗船することにしました。中標津町を通過する頃にはうっすらと日の出を見ることができましたが、標津町から海が眺められるあたりまでくると空は曇り、沿岸部までびっしりと流氷が押し寄せてきているのには驚きました。羅臼町に近づいてくると一旦、流氷がなくなっていて焦りましたが、さらに進むと見事な流氷が海を覆い尽くしていました。一時的に雪が舞ってはいましたが到着後は次第に空が青くなってきて狙い通りといった状況になりました。乗船後はわずかな時間で流氷までたどり着くことができ、見る見る青空が広がってくる中、2時間に渡ってオオワシとオジロワシの撮影を行いました。この冬は全体的にオオワシの個体数が少ないといった印象ながらも間近にある流氷に止まる様子や餌を求めて間近を飛翔する様子など、迫力ある巨大なワシたちをたっぷりと撮影することができました。その後は野付半島に向かいましたが、沿岸を流氷が埋め尽くしてしまっていたため海ガモ類は見られず、仕方なく小雪が舞い始める中を移動し漁港までやってきました。ここでは一部に氷が入り込んでいたものの、そこにはオオセグロカモメ、シロカモメ、ワシカモメが並び、目的だったコオリガモも撮影することができました。またほかにもヒメウ、シノリガモ、ホオジロガモ、スズガモ、ウミアイサの姿もありました。その後は根室に向かい、最後は風連湖の南端、春国岱で沈んでいく夕陽を見てこの日の撮影を終えました。

19日、この日はこのツアーを締めくくる落石クルーズでウミスズメ類や海ガモ類を撮影します。漁船を使ったクルーズのため欠航のリスクは高いものの、この日は過去にないほどの穏やかな海況になってくれました。落石クルーズは営業運行前から少々お手伝いをさせていただいた縁があり、また観光客が気軽に乗船するような観光船ではないことから我々のツアーでは応援する意味でも必ずツアーに組み込むようにしています。もちろんウミスズメ類が撮影可能な距離感で見られるという意味ではまさに唯一無二といってよいクルーズです。夏には妖艶な姿のエトピリカが主役ですが、冬季はなぜかこの海域でしか見られないウミバトが主役で、この日は銀白色に輝くアリューシャンウミバトのほか、ウミバト、ケイマフリ、ウミガラス、コウミスズメ、そして幸運なことにエトロフウミスズメを間近に撮影することもできました。ケイマフリやウミガラスは早くも夏羽に換羽した個体から冬羽個体、また換羽中の個体までさまざま撮影することができ、お馴染みのラッコやゴマフアザラシも撮影することができました。

新コースに変更したフォトツアー冬の道東めぐりですが、シマエナガをはじめとした小鳥類の撮影にはじまり、雪原に舞うタンチョウ、流氷のオオワシ、オジロワシ、可愛らしいエゾフクロウ、独特の表情のコオリガモをはじめとした海ガモ類、そしてウミスズメ類と冬の見どころをほぼ網羅して撮影可能なコースとなりました。ほかにもエゾモモンガ、ラッコ、ゴマフアザラシも撮影でき充実度が高まりました。4日間コースとしてはもうこれ以上は詰め込めないものだと改めて実感しました。夏にもフォトツアーを企画いたしますのでぜひまた季節を変えて北海道にお出かけください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

エトロフウミスズメ 撮影:東佐知子様

 

シマエナガ 撮影:IH様

 

ゼニガタアザラシ 撮影:八田康弘様

 

エゾモモンガ 撮影:鈴木真様

 

キタキツネ 撮影:東佐知子様

 

オオワシ 撮影:IH様

 

エゾモモンガ 撮影:八田康弘様

 

エゾフクロウ 撮影:鈴木真様

 

ウミガラス 撮影:IH様

 

シノリガモ 撮影:鈴木真様

 

オジロワシ 撮影:IH様

 

ウミガラス 撮影:鈴木真様

 

オオアカゲラ 撮影:IH様

 

ウソ 撮影:鈴木真様

 

ウミバト 撮影:IH様

 

オオワシ 撮影:鈴木真様

 

タンチョウ 撮影:IH様

 

ケイマフリ 撮影:鈴木真様

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