【ツアー報告】早春の奥日光で渡りの冬鳥に会いたい!(追加設定) 2022年3月16日

(写真:オオアカゲラ 撮影:青山晴人様)

毎年、晩秋の時期にアオシギを探す目的で企画している奥日光ですが、この時期は奥日光に生息している留鳥のほか、渡り途中の冬鳥も見られることから新たに時期設定をした新コースがおかげさまで催行決定となりました。奥日光といえば平地では越冬しないアオシギ、カワガラス、キバシリ、ゴジュウカラ、コガラといった種が生息していて比較的見やすく、どれも魅力的な野鳥たちです。これらに加えてレンジャク類やベニヒワ、オオマシコ、アトリ、マヒワといった冬鳥たちとの出会いに期待しての出発ではありましたが、この冬は冬の小鳥類がほとんど見られていない状況になってしまいました。

16日、基本的には晴れ予報ではありましたが、早朝の東京駅前はどんよりとした曇り空。前日に引き続いてこの日も07:30に出発して奥日光を目指しました。バス車内ではいつものようにこの日見られる可能性がある野鳥たちの解説を行い、途中にあるサービスエリアで休憩をとった後は日光有料道路を経由して、おなじみのいろは坂に向かいました。坂を上り始めたあたりからはようやく青空が見え始め、中禅寺湖付近までくるとやや霞んではいましたが快晴といった感じになり、この日は風もなく穏やかな湖面が広がっていました。ひとまずこの日も戦場ヶ原付近にある駐車場で観察機材の準備をしていただいてから、この日の最初の探鳥地に向かいました。除雪がされている道を進むといきなり上空を20羽ほどのアトリの群れが通過し、この日も小鳥たちが賑やかに出迎えてくれました。かなりの数のヒガラが地面に降り、ほかにもコガラ、エナガ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、コゲラ、キバシリが一気に現れ、この日もキバシリがよくさえずっていました。またこの日はどこからともなくアカゲラがやってきてくれました。その後は川沿いを歩きましたが積雪が多かったことから途中までにし、ここでは早くもミソサザイが賑やかにさえずり、カワガラスも流木に止まる姿を見せてくれたり、さえずったりと春のような雰囲気でした。そして最後には倒木上を歩くカヤクグリにも出会うことができ、その後は移動して一旦、昼食の時間としました。昼食後は周辺を歩いてみましたが、この日はどこからともなくオオアカゲラのメスが飛んできて木に止まり、その後も再び同個体と思われるオオアカゲラに出会うことができ、珍しくドラミングする様子を見ることができ、付近ではゴジュウカラがしばらくの間、さえずっていました。また湖面ではキンクロハジロやホシハジロ、カワアイサが見られ、ホオジロガモはディスプレイを行っていました。その後は戦場ヶ原に戻り歩き出すと、周辺のズミの木からエナガの声が聞こえ、見ていると間近に寄ってきてはフライキャッチのような行動を繰り返していて、しばらくの間、観察しました。積雪のある川沿いを歩いていくと川にはマガモの姿があり、さらに進むとここでもカワガラスに何度も出会うことができましたがこの日はアオシギの姿はありませんでした。ただし戻ると再びエナガが現れてフライキャッチを繰り返していて、付近ではヒガラ、コガラ、ヒヨドリも見ることもできました。そして最後は戦場ヶ原を眺められる展望台まで行き、この日の探鳥を終えました。

前日とは異なり風がなく穏やかで暖かな1日でした。前日同様に今回のお目当てであった冬の小鳥類にはほとんど出会うことができず、この部分に関しては残念な結果となってしまいましたが、カワガラス、キバシリ、ゴジュウカラ、コガラといった奥日光を代表する野鳥たちに加え、アカゲラ、オオアカゲラ、そして当地では初となるカヤクグリにも出会うことができました。秋には聞くことができないさえずりを聞くことができたり、地面に降りて餌を探す姿を見る機会が多かったことなど、全体的には小鳥類は見やすい印象を持つことができ一定の成果はあったと実感できました。次回は初夏の時期に奥日光を訪れる予定です。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

キバシリ 撮影:武藤政男様

 

エナガ 撮影:青山晴人様

 

カワガラス 撮影:武藤政男様

 

オオアカゲラ 撮影:武藤政男様

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