【ツアー報告】東シナ海第三の秘島 春の伊平屋島と野甫島(追加設定) 2022年4月17日~20日

(写真:アカガシラサギ 撮影:刈田宏様)

17日、午後、那覇空港を出発。今の期間は沖縄の三大行事のひとつである「清明祭」で許田インターが渋滞していると情報が入ったので急いで北上する。羽地内海を通ると、まだまだ軽石がびっしりと海岸を覆っていて、毎日、撤去作業をしているがまったく減る気配がない。港に到着後、乗船手続きをしていると、港の周辺でバードウォッチングをしていたお客様がズアカアオバトのペアを見付けて観察する。カワセミ、シロガシラ、リュウキュウキジバトなどを観察、撮影してから港を出港。「フェリーいへや」は498トン、定員300名の立派なフェリーなのだ。伊平屋島は沖縄県の有人島では最北端に位置し、本部半島より北へ約41km、面積約20.7k㎡、賀陽山(標高294m)を最高峰とする山地が島の大半を占めているのである。昨日は、台風1号の余波で波の高さが2.8mもあったが、本日はそれ程でもなくフェリーは北上する。多くの人が南の海というとカツオドリやネッタイチョウがばんばん飛ぶ情景を思い浮かべてやって来るが、まったくそんなことはなくトビウオを見ただけで伊平屋島の港に入る。すると、アオサギ16羽が海上を飛んでいく。テトラポットにはチュウシャクシギがとまっている。何だか渡り鳥が入っている感じがする。接岸後、急いで水田地帯へ行くと、アオサギ、チュウサギ、ダイサギ、アマサギなどのサギ類があちこちに降りている。ゆっくりと農道を走るとシロハラクイナ2羽が水田で餌を採っている。ツバメも数十羽乱舞する。水田に潜んでいる綺麗な夏羽のウズラシギ5羽をみなさんでじっくりと観察、撮影する。18:20 ホテルにチェックイン。地元の海産物がメインの豪華な夕食に皆さん笑顔になる。

18日、早朝にホテル周辺を散歩する。ヒヨドリ十数羽の群れが入って来て大騒ぎしている。コムクドリの10羽以上の群れがあちこちにとまっている。セッカが元気に飛び回るのを見ていると、遠くにノスリがとまっていた。遠過ぎて場所の説明をあーだこーだとしている間に飛んでしまって直ぐに樹林内へ入ってしまったのだが、初列風切の基部が明らかに白く見えたのだ。「オオノスリだ!」と思ったがお客様が誰も見ていない。暫く待つが出て来ない。朝食の時間となったので焦る気持ちでホテルに戻って、朝食後に急いで現場に直行する。暫く待つと、林内から飛び立ち、枯れ木にとまる。「やはり、オオノスリだ!」。距離があるが、みなさんでじっくりと観察、撮影する。すると、飛び立ち、数人が初列風切の基部の白斑を確認するが林内へ入ってしまう。そして、再び、飛び立ち、旋回をしながら高度を上げていく。今度は全員で翼の特徴を観察、撮影する。そして、オオノスリは高度をぐんぐん上げて北の空へと飛んで行ったのである。その後は島南端へ行く。芝地でシロチドリ7羽がのんびりと餌を啄んでいる。周囲には沖縄でもベスト1,2を争う綺麗な海が広がっている。その後は野甫島へ行く。野甫島は伊平屋島と橋で繋がっている面積約1.1k㎡、周囲約4.8km、標高48mの小さな島である。耕作地の農道をゆっくりと走ると電線にコムクドリ12羽がとまってて、何か混じっていないかとドキドキしながら観察するが、全部コムクドリだった。島の道をゆっくりと走っていると道路脇で綺麗な夏羽のアカガシラサギがトカゲを食べている。慌てて車内から観察し、撮影をしようと車から降りると飛んでしまい、周囲を探すが見付けられない。その後、耕作地からダム、水田地帯や溜め池を見るが新しい種は見られない。セッカがあちこちで元気に囀っている。12:40 伊平屋島名物のもずくが入った“もずくそば”の昼食。午後の暑い時間は鳥がいないので、樹齢280年の「念頭平松」や天照大神が隠れたとされる「クマヤ洞窟」などの観光地を廻って、北部のクバが山の一面を覆う「久葉山」へ行き、山道を歩く。リュウキュウアサギマダラやジャコウアゲハが花に集まっている。水田地帯へ行くと、タカブシギ5羽、トウネン1羽が餌を採っている。すると、そこにタイワンハクセキレイ2羽、綺麗な夏羽のキセキレイ1羽がいたのでみなさんでじっくりと観察、撮影する。夕方、鳥たちがどんどん入って来たようでツバメが無数に飛んでいる。電線のコムクドリ36羽に何か混じっていないかとドキドキしながら観察するが、全部コムクドリだった。再び野甫島へ行き、農道をゆっくりと走ると貯水池に夏羽のアカガシラサギがいたが直ぐに飛ばれてしまい、周囲を探すと道路脇で発見。やっとみなさん全員でじっくりと観察、撮影する。18:20 ホテルに戻り、今夜も豪華な夕食となる。夜、ホテルの周りでリュウキュウコノハズクとリュウキュウアオバズクが鳴いていた。

19日、明け方から雨が激しくなる。早朝にホテル周辺で鳥を見る予定だったが雨が強いので中止とする。テラスで雨宿りをしながらお話をしているとツグミ類やムクドリ類が海の方から次々に入って来る。朝食後、小雨の中を出発。鳥に動きがあるこんな日は一発目にどこへ行くかを悩む。水田地帯へ行くと、サギ類が70羽以上渡って来て耕作地のあちこちに降りている。農道をゆっくりと走ると水田に夏羽のアカガシラサギが降りてて観察、撮影する。ハクセキレイの降りている畑があり、見ると30羽程の群れの全て亜種タイワンハクセキレイなのだ。さらに、夏羽のムネアカタヒバリ4羽も近くにいてみなさんで盛り上がる。さらにさらに、少し移動するとセイタカシギ、タカブシギ、アオアシシギ、コアオアシシギ、トウネン、ウズラシギ、コチドリに赤黒いサルハマシギの夏羽が混じっている。全員で観察してから、もう少し近くへ行こうとすると全部飛んでしまった。11:30島南端まで行くと芝地にシロチドリ7羽、ムナグロ11羽、ソリハシシギ1羽がいたがこちらも作業車が入って全て飛んでしまう。その後、野甫島へ行くと電線にコムクドリ250羽程がとまっているので11羽確認するが全てコムクドリであった。昼食後、林道をゆっくりと走る。ツグミ類が道路脇から飛び立って樹林内へ入るが種の識別には至らない。水田地帯からダムへ行くが目新しい種はなく、再び、野甫島へ行き電線にコムクドリ130羽程がとまっているので1羽づつ確認するがムクドリ1羽入っているだけであとは全てコムクドリであった。耕作地でビンズイが飛び立って電線にとまる。前回も今回もこれだけ野甫島の耕作地を廻っているが一度もミフウズラに出会えない。以前は1日に何度も見掛けたミフウズラはどうしてしまったのだろうか。その後、アトリ5羽を観察して、再び水田地帯へ行く。さらにサギ類が増えて100羽は超えている。タシギが入って来て水田から飛び立つ。ハリオシギが至近距離にいてじっくり観察、撮影する。オジロトウネン2羽が餌を採り、ウズラシギ、タカブシギもあちこちを歩いている。今日は多くの鳥たちと出会えみなさん満足で18:20 ホテルに戻り、今夜も豪華な夕食となる。

20日、早朝に車でホテルを出発し、シロチドリ、ムナグロ、ソリハシシギがいて観察、撮影する。急いで野甫島を廻るが昨日のコムクドリの群れが1羽いない。その後、水田へ行くと、セイタカシギ、タカブシギ、トウネン、ウズラシギにサルハマシギの夏羽がいて、車内から至近距離でみなさんでじっくりと観察、撮影する。朝食後、フェリー乗り場へ行き出港。何もいない海上を有志で頑張って見て港に着岸。急いで南下して海岸へ行き、サルハマシギ、アオアシシギ、ウズラシギ、オバシギ、キョウジョシギなどのシギ・チドリ類やサギ類を観察、撮影。その後はヒバリシギ、イソシギ、クロツラヘラサギなどの新しい種を観察、撮影して、14:30に那覇空港へ到着したのである。渡り鳥で溢れていた伊平屋島。みなさま、お疲れ様でした。

宮島 仁

ズアカアオバト 撮影:萩原順子様

 

クロサギ 撮影:西川惠美子様

 

ムネアカタヒバリ 撮影:刈田宏様

 

シロガシラ 撮影:萩原順子様

 

コチドリ 撮影:西川惠美子様

 

オオノスリ 撮影:刈田宏様

 

シマアカモズ 撮影:萩原順子様

 

ウズラシギ 撮影:西川惠美子様

 

アカガシラサギ 撮影:刈田宏様

 

ヒバリシギ 撮影:萩原順子様

 

アオアシシギ 撮影:西川惠美子様

 

ウズラシギ 撮影:刈田宏様

 

サルハマシギ 撮影:萩原順子様

 

コムクドリ 撮影:西川惠美子様

 

ムナグロ 撮影:刈田宏様

 

タカブシギ 撮影:萩原順子様

 

シロチドリ 撮影:西川惠美子様

 

オジロトウネン 撮影:刈田宏様

 

セイタカシギ 撮影:萩原順子様

 

ムネアカタヒバリ 撮影:西川惠美子様

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