【ツアー報告】フォトツアー八東ふる里の森と吉備高原のブッポウソウ(追加設定)2022年7月17日~18日

(写真:コノハズク 撮影:坂東俊輝様)

昨年からツアー企画することになった八東ふる里の森。当地は深いブナ林のためアカショウビンやコノハズク、オオコノハズクといった魅力的な野鳥たちが生息しており、以前からツアー企画を考えてはいましたが、設備面での問題がありなかなか進まない状況にありました。ただ昨年より設備面で大きな変化があり、旅行会社目線で考えた時になんとかお客様をご案内できる状況になりました。今期は早い段階からアカショウビン、オオコノハズクの飛来情報がありましたが、今回のツアーはどちらからというと時期的にはコノハズクとブッポウソウを撮影するにあたり最も適した時期に合わせて設定しました。コノハズクに関しては個体数が少ないためうまくタイミングが合うか不確定要素がありますが、ブッポウソウに関しては個体数も多くポイントも複数あるため、その中から撮影に最適なポイントを選ぶことができる時期です。今回もそもそもの天気予報はかなり悪く出ていましたが、なぜかまたまた直前になってやや良い方向に変わっていました。

17日、前日に岡山から戻り、そのまま現地に宿泊していたことから、この日はやや遅めの10:00過ぎに集合場所に向かいました。この日は早朝から天気は良好で気温も高め、担当ドライバーさんも今日はかなり暑いと話されていました。ひとまずご集合が完了したため前回同様にまずは道の駅に向けて出発しました。移動中の車内では前回の鳥の状況や現地の設備の話などをしながら進みましたが、この日は連休中ということもあって各所で混雑が目立ちました。大混雑する道の駅になんとか滑り込んで各自昼食の時間とし、その後は意外にも見る見る青空が広がってくる中を進みました。そしていよいよ八東ふる里の森に続く峠道を走ると驚いたことにさらに快晴になっていました。前回に比べて蒸し暑さを感じる中、この日もバス荷物を持ってバスを降り、ここからは5分ほど歩いて管理棟に向かいました。ここでは立ち入り禁止区域を含む、園内のルールや園内の施設の説明、現在の野鳥の状況などを担当者から伺い、その後は一旦、各自宿泊するバンガローに移動して撮影準備に取り掛かるはずでしたが、バンガローに向かう途中でふと見ると、なんと前回と同じ場所にコノハズクが止まっていて驚かされました。この日、現地はたまたまイベントの真っ只中のため人が多かったですが、意外にもバードウォッチャーの数はそれほど多くはないようでした。周辺からはオオルリのさえずりが響き、晴天のせいか、前回よりもブナの緑が鮮やかに感じました。コノハズクはこの日は簡単に見ることができ、全員、撮影体制に入りました。また前回同様にアオバズクのポイントも見ることにして、撮影をご希望の方には撮影をしていただきました。その後は再び2羽のコノハズクをそれぞれに撮影する時間に充てましたが、この日は日中に巣箱からヒナが顔を出すシーンも見ることができました。そしてこの日も夜の撮影を加味して少々早めの17:30から夕食をいただき、19:00からはライトアップされた森の中で夜のコノハズク、アオバズクの撮影を行いました。この日は実際にカメラを持って撮影をしてみましたが、私的にもあまり経験がないため新鮮であり、またある程度の読みができないとスピードについてはいけないなど新たな発見があり、来年以降のためによいデータになりました。そしてこの日もコノハズクのほか、アオバズクの声が響き、夕方にはトラツグミの不気味な声も聞こえていました。

18日、この日も幸い早朝から快晴の中、早朝から森を歩いてみましたが、この日はアカショウビンの声は聞こえませんでした。そのためコノハズクを探してみましたが1羽はすぐに見つかったものの、もう1羽は止まる場所を変えたようでなかなか見つからず、結局は朝食間際になってようやく見つかりましたが、この日はブナ林の中に潜むように止まっていました。出発時間までじっくり最後の撮影をしてからブッポウソウの撮影のために出発して岡山に向かいました。途中、休憩を挟んで移動、天候は曇りがちながらも相変わらず雨の心配はなさそうでした。途中、各自昼食を買っていただいてから一旦、道の駅に向かいました。吉備中央町はウェブサイトでブッポウソウの観察について情報公開していて、場所に寄っては巣箱にカメラを入れて巣の中の様子をライブで見られるようにもしています。まずは観察小屋に向かい、ここでしばらく様子を見ました。この日はかなり蒸し暑い状況の中ではありましたが、幸い巣箱の中のヒナは無事に育っているようで餌を持った成鳥が飛んでくる様子を撮影することができました。ただ長時間の滞在は禁止とのことで次の場所に移動しました。次に訪れた場所は前回は行ってみましたがこの日はスルーして、過去に行ったことがある別の場所に立ち寄りましたがここも動きがなく、そのため再度の移動となりました。奥にある公園まで行くと、この日も観察小屋に数人の姿があり、まずは挨拶をしてから加わらせていただきました。ここは昨年、管理者の方からご紹介いただいた場所で間近にブッポウソウを見ることができます。今回は時々、巣箱からヒナが顔を出してはいましたが成鳥の動きは良く、何度も飛翔シーンを撮影させてくれました。夕方になってからはヒナが長時間に渡って巣箱から顔を出していたためか、成長は遠くから監視するばかりであまり巣箱にはやってこなくなってしまいました。ただこの日も結果的には天気の不安は全くなく撮影を楽しむことができました。

さて、昨年に引き続いて鳥取県、岡山県をめぐるツアーでしたが、今回からは現地の状況を鑑みてフォトツアーとして企画してみました。結果的にはこのツアーの主役であるコノハズクを日中、夜と撮影することができ、ブッポウソウに関しても見事に大当たりで撮影には最適な状況に恵まれました。状況を見ていましたが昨今のお客様のご要望等を考慮すると野鳥を撮影するためのツアーを今後は増やしていった方が良いのではないかと改めて思った2日間でした。中には技術的なご質問をされるお客様もいらっしゃるため、こういったことにも私は対応可能なのでさらにフォトツアーの良い点が出せたのではないかと思いました。今回訪れた場所はいずれも希少な野鳥が生息し、それらを現地のスタッフの方々が見守っているいわば共存を可能にした場所です。またこれらに関して積極的に情報発信されている点も共通していて新しい野鳥観察の形ではないかと感心させられました。いずれの場所も今後もさらに良い形で我々を楽しませていただけたら嬉しいものです。この度はご参加いただきましてありがとうございました。また現地でお世話になった皆様にも感謝申し上げます。

石田光史

ブッポウソウ 撮影:中谷博之様

 

コノハズク 撮影:中山厚志様

 

ブッポウソウ 撮影:坂東俊輝様

 

アオバズク 撮影:中谷博之様

 

アオバズク 撮影:坂東俊輝様

 

コノハズク 撮影:中谷博之様

 

コノハズク 撮影:坂東俊輝様

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