【ツアー報告】冬鳥満喫!じっくり散策 冬の真岡市井頭公園(追加設定)2023年1月19日
(写真:ミコアイサ 撮影:K様)
冬の小鳥類をまとめて観察することを目的とした毎冬恒例の日帰りバスツアー。前回からは終日井頭公園で観察する行程に変更して、よりじっくりとめぐることにしました。ここ数年の井頭公園は相変わらず小鳥類は安定して見られ、池に飛来するヨシガモの個体数が一気に増えたことで、そもそもよく見られていたミコアイサと共に人気のカモ類が増えました。小鳥類ではエナガが良く見られ、ヤマガラ、シジュウカラも多く、冬鳥としてやってくるジョウビタキ、ルリビタキ、トラツグミ、シロハラ、シメ、ビンズイは定番種で、過去にはトモエガモ、ミヤマホオジロ、ベニマシコ、アリスイ、クイナ、ニシオジロビタキなども見られています。この日は真冬だというのに天気予報は晴れで暖かく、最高気温が9℃ながらも小春日和の1日になるとのことでした。
19日、朝から穏やかな晴天の東京駅前を予定通り09:00に出発して東北道を走りました。途中からは北関東自動車道を走って現地に向かい、いつものようにバス車内ではこの日に見られる可能性がある種の中から、特に目立った種に関して識別ポイントなどの解説を行いました。途中、サービスエリアで休憩をとっても2時間ほどで現地に到着し、到着後は各自観察機材の準備を行っていただいてから公園内を歩きました。池が一望できる場所までくると、この日はヒドリガモ、オナガガモといった常連は意外に少なく静かな印象でした。ただ遠くを眺めると、この日も相変わらず美しいヨシガモがかなりの数見られ、付近にはオカヨシガモの姿もありました。また付近の枯れ木にはカワセミがやってきて美しいその姿を見せてくれました。その後はマガモ、カルガモ、カイツブリ、カワウ、アオサギなどを見ながら池の周囲を歩いていくと、ここでようやくミコアイサの姿があり、全く逃げる素振りもなく美しいオス2羽と付近にいたメス1羽を間近に観察することができました。薄暗い林を歩いていくと、今年はどういうわけか少ないシメがたった1羽で地上を歩きながら餌を探し、ふいに飛び立ったシロハラが杉の木に止まり、しばらくの間、望遠鏡を使って観察することができました。さらに進むとかなりの数のエナガの群れに囲まれ、目線ほどの高さの枯れ木で間近にその姿を楽しむことができました。エナガを見ているとどこからともなく飛んできたルリビタキのメスが杭に止まったり地面に降りたりしてくれ、シロハラもやってきて地面の枯れ葉をどけて、その下にいる昆虫を捕食していました。さらに10羽ほどのビンズイが地上から飛び立ち、一旦は木に止まったもののやがて地面をノコノコ歩く姿をじっくりと見せてくれました。その後は珍しく3羽のコゲラが同時に現れて追いかけっこをするような動きを見せ、間近で木をつついていた1羽は頭部に赤い斑が見えたことからオスであることがわかりました。その後は再び出会ったビンズイを見てから一旦、各自昼食の時間としました。昼食後は前回、トラツグミが見られた場所で集中的に探してみましたが残念ながらシロハラの姿があったのみでした。さらに歩くと複数のカケスが川に水を飲みにやってきているようで賑やかに飛び回り、薄暗い林では2羽のアオジを見ることができました。その後も過去にトラツグミを見た場所を中心に歩いてみましたがこの日は結局出会うことはできず、池の周りでは再びかなりの数のエナガの群れに出会うことができ、ここでは水たまりで水浴びをする様子を観察することができました。その後は道のわきでじっとしているシロハラ、さらにはノコノコ歩きで道を横断していくビンズイを見てから、前回青いルリビタキに出会った場所に行ってみました。ルリビタキはなわばりをもって生活していることから、だいたい同じ場所にいるのですが、この日はなかなか姿を見せてくれませんでした。ただそろそろ出発しようかと思った時、それに合わせるように現れて杭に止まってしばらくその姿を見せてくれました。また付近のヌルデの実にジョウビタキがやってきていたことから見に行くと、ヒヨドリ、メジロも見ることができ、周囲が薄暗くなってきた16:10に探鳥を終えました。
前回に引き続き、春のような陽気の中での散策となったこの日は、全体的に小鳥類の個体数が少ない印象で残念でしたが、池では美しいミコアイサを間近に見ることができたほか、ヨシガモ、オカヨシガモ、林では今年はエナガの個体数が多いようで15羽ほどの群れに何回も出会うことができ、比較的低い木々にいてくれたため、間近にじっくりと見る機会が多くありました。また複数のルリビタキ、ヌルデの実にやってきたジョウビタキ、メジロ、ヒヨドリ、定番のビンズイ、シメ、シロハラ、アオジ、シジュウカラ、ヤマガラ、カワセミ、そしてコゲラは珍しくオスの赤斑を見ることができました。今回もたくさん歩いていただきお疲れさまでした。またご一緒できましたら幸いです。
石田光史