【ツアー報告】沖縄やんばるの固有種たち 2018年5月13日~15日

(写真:ノグチゲラ 撮影:中村裕一様)

13日、各空港からのお客様と那覇空港で合流。数日前に梅雨入り宣言をしたが真夏日の晴天が続く。毎年、ノグチゲラが容易に観察可能な場所をいくつか見付けてあり、さらにガイド仲間たちと情報共有しているので、この時期はノグチゲラの観察、撮影にはさほど苦労しないのだが、毎年、雨との戦いとなる。明日以降の天気予報は雨マークなので急いでやんばるへと北上する。やんばるの森に到着後は一定の距離をおいてノグチゲラがやってくるのを車を停めて待つ。ところが鳴き声はするがやってこないので影響を考慮して撤退する。ただ、別の場所では幸いにもノグチゲラの雌雄をみなさんでじっくりと観察、撮影することができた。さらに林道との向かい側でアカヒゲの亜種ホントウアカヒゲが朗々と囀っているので待つ。すると、雄がソングポストに出てきて囀る。こちらもみなさんでじっくりと観察、撮影する。その後、やんばるの森を歩く。まん丸のサクラランやメタリックなリュウキュウハグロトンボ、イシガケチョウやツマベニチョウなどのやんばるの自然を楽しむ。ホントウアカヒゲのポイントで待つと、愛想のいい雄がお立ち台のような倒木の上にとまって鳴く。夕方、ヤンバルクイナのポイントへ行き車内で待つ。直ぐにヤンバルクイナの雄が出てきて歩きまわった後に、赤い花の横でポーズをとるように立ち止ってのんびりとくつろぐ。さらに、別の個体が豪快に水浴び始め、これらをみなさんでじっくりと観察、撮影する。初日の半日でやんばる3点セットをたっぷりと堪能して、やんばるの森の中のホテルに到着。もちろん、やんばる3点セットに乾杯となったのである。

14日、朝から快晴。遠くからリュウキュウアカショウビンの囀りが聞こえる。ヤンバルクイナのポイントへ直行すると、餌を運ぶ雄が車の前を横切って藪に入っていく。この藪にヒナがいるのだ。そこで藪の横に車を停めて車内で待つと、まったく警戒する気配もなく雄も雌も出てきては道路を横断して餌をくわえて同じ藪に戻って行く。みなさんでミミズ、タカツムリ、イモムシなどの餌運びを20回以上も観察、撮影する。ホテルに戻って朝食後、遊歩道へ行く。到着するとリュウキュウアカショウビンが鳴きながら川を渡ってとまるので、みなさんで観察、撮影する。さらに、オリイオオコウモリの寝ぼけ顔をじっくりと観察する。遊歩道ではホントウアカヒゲがあちこちで囀り、足元まで近寄ってまったく警戒心のない個体もいる。お客様がリュウキュウアオバズクのペアを見付けて観察、撮影する。昼食後はシロガシラ、リュウキュウツバメといった普通種を観察、撮影。ダムではホントウアカヒゲをじっくりと堪能する。さらに、明朝のロケハンで別の場所へ行くとノグチゲラの鳴き声がするので、暫く待つと、予想通りにデイゴの花の蜜を吸いにノグチゲラがやってきた。真っ赤な花にとまる深紅のノグチゲラの美しさは、この世のものとは思えない鮮やかさなのだ。もちろん、みなさんでじっくりと観察、撮影する。夕方、ヤンバルクイナのポイントへ行き車内で待つ。餌運びのペアから少し離れたところで待つと、相変わらず雌雄で餌運びをする。さらに別のヤンバルクイナが出てきて歩きまわった後に大声で鳴き出す。そして、餌運びをしている雌の後ろを真っ黒なヒナ2羽がちょこちょこ歩いてきたのだ。孵化後2~3日の小さなヒナである。もちろん、みなさんでじっくりと観察、撮影する。さらに、別の個体が川岸を歩いたり、水浴びをしたり、畑を歩いたりとあちこちヤンバルクイナだらけという幸せな状況となったのである。この日もやんばるの森の中のホテルで美味しいディナーを食べながらやんばるの話で大いに盛り上がったのである。

15日、ホテルを出発して森へ向かう。昨日のロケハンの場所で待つ。リュウキュウアカショウビン、リュウキュウサンショウクイ、ホントウアカヒゲ、ズアカアオバトなどを楽しんでいると、真っ赤なデイゴの花にノグチゲラがやって来た。毎年、この時期限定のこの素晴らしいシーンをみなさまにお見せしたいと思うのだが、デイゴの開花が年によって2週間程ずれるので、なかなかツアーの日と開花が合わないのだ。真っ赤な花と深紅のノグチゲラという夢のような時間が暫く続き、じっくりと堪能する。ホテルに戻って朝食。再度出発して南下し耕作地へ行く。アマサギ、チュウシャクシギ、キアシシギ、アオアシシギなどを見ながら進むと、リュウキュウヒクイナが水田に逃げ込む。一部の人しか見られなかったので探すが、どうやっても見えないので諦めて車に戻ると、ペアで出てきた。もちろん、みなさんで堪能する。時間が押してきたのでお弁当を買って午後は海岸へ行く。今年はシギ・チドリ類の越冬や渡来が少ないが、ヒバリシギ、タカブシギ、セイタカシギなどを見ていると、夏羽のオグロシギを発見。さらにヨーロッパトウネンの夏羽も観察、撮影。そして、最後にツミを見てから那覇空港へと向かったのである。「やんばる3点セット」が出過ぎて困ってしまった3日間でした。みなさま、お疲れ様でした。

宮島 仁

リュウキュウヒクイナ 撮影:高橋尚之様

 

ヤンバルクイナ 撮影:中村裕一様

 

リュウキュウアオバズク 撮影:高橋尚之様

 

ホントウアカヒゲ 撮影:中村裕一様

 

ホントウアカヒゲ 撮影:高橋尚之様

 

リュウキュウアカショウビン 撮影:中村裕一様

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