【ツアー報告】アホウドリ類3種に会いたい!東京~八丈島航路 2023年3月17日~18日
(写真:アホウドリ 撮影:小林浩様)
過去、4月上旬に企画してきた東京~八丈島航路ツアーですが、昨年からはアホウドリ、コアホウドリ、クロアシアホウドリのアホウドリ類3種をまとめて観察する企画に変えたため時期を3月上旬に変更しました。そもそも海況が良くないことが多い伊豆諸島航路において、この3月ももちろん海況が悪いことが多く心配ではありましたが、アホウドリ類3種をこの航路で見るにはこの時期が最も良いと判断し、リスクを承知の上で企画しました。主役のアホウドリ3種はいずれも翼開長200cm、あるいはそれ以上の長い翼をもち、その飛翔形の美しさはほかの海鳥を寄せ付けないほどの強烈な印象を残してくれます。今回は航路上の気温は平均して15℃とのことで平年並みですが、最大で風速12mの南風が吹き、最大波高3.5ⅿ、天候は概ね曇り、三宅島付近では雨との予報。春は荒れていることが多いこの航路としてはいつも通りかなといった印象ながら八丈島に関しては条件付きでなかったことは意外でした。
17日、週末であることと、さるびあ丸の出航も重なっていたことからかなり賑やかな竹芝桟橋に20:00前に到着。その後はチケットの準備を進めて予定通り21:30にご集合いただき、健康チェックシートの回収、資料の配布、トラベルイヤホン使用方法説明、そして翌日の連絡事項、また今回は南風がやや強いことから緊急時の対応方法をお伝えし、その後は海鳥観察の基礎知識、アホウドリ類の識別方法、またこの航路の特徴などをお伝えしてから22:10に乗船開始し、東海汽船橘丸は予定通り22:30にまずは三宅島に向けて出港しました。この日は八丈島に関しては問題なしの表示でしたが三宅島、御蔵島は条件付き運行との表示でした。
*諸般の事情によりウェブサイトでは詳しい出現状況を公開しておりません。
私が海鳥観察をはじめた頃は定期航路でアホウドリが高確率で見られる日がくるとは夢にも思っていませんでした。ただあれから20年以上が経ち、保護活動の成果もあってかつては幻の海鳥だったアホウドリが身近な海鳥になりつつあるなと実感できて嬉しく思いました。今回は事前の天気予報、また海況も悪いとの予報で心配されましたが、そこはしけに強い橘丸のおかげで結果的には大きな揺れや衝撃はなく、デッキを移動しながら観察したことで雨に打たれることもありませんでした。アホウドリ、クロアシアホウドリはおよそそれぞれ30個体ほどが見られ、コアホウドリも15個体ほどが見られ、この日は風向きのせいか、全体的に船に接近して飛ぶ個体が多かったことが印象的でした。また雨が降ったせいかオーストンウミツバメの乱舞が見られ、コシジロウミツバメ、カンムリウミスズメなども見られました。今後は8月に週末利用の3日間で小笠原の海鳥やカツオドリの親子を堪能できる海鳥観察ツアーを募集中です。今後もトラベルイヤホンを使用してご参加の皆様全員に的確に出現状況をお知らせすることで、海鳥の見逃し、指示の聞き逃しのないよう配慮した初心者の方にも楽しめる海鳥観察ツアーを企画して参ります。この度はご参加いただきましてありがとうございました。またご一緒できましたら幸いです。
石田光史