【ツアー報告】マレー半島 バードウォッチング 2023年8月18日~24日

(写真:サルタンガラ)

18日、朝、成田空港第2ターミナル集合した後は、以前よりもスムーズに搭乗口へと向かう。マレーシア航空にて、マレーシアの首都クアラルンプールへ向かい、ほぼ予定通りにクアラルンプール国際空港に到着し、現地ガイドと合流したあと、本日の宿泊地であるフレイザーズヒルへと向かうが、金曜日の夕方であるためか渋滞がひどく、フレイザーズヒルのホテルに着くと、夜遅くなっていた。

19日、イスラム教が国教の国らしく、早朝のコーランの調べで目を覚ますが、南国の夜明けは遅く、窓の外はまだ暗い。朝のスケジュールは少し余裕があり、朝食を食べてから出発しようとするが、ホテル前の駐車場でヒメアオゲラ、キエリアオゲラ、ズグロゴジュウカラ、ハナドリなどが次々と現れるので、車になかなか乗り込めない。ようやく車に乗り込んで出発し、高原のフレイザーズヒルを代表するズアカキヌバネドリ、アカフサゴシキドリ、アカメヒタキなどのほか、観察することが難しいヒメコバネヒタキ、タカサゴミソサザイども次々と観察し、可愛らしい幼鳥と現れた親子のマレーシアミヤマテッケイなど、充分な成果を得て、午前の探鳥を終える。午後からもゴシキソウシチョウやサルタンガラといった色鮮やかな種ほか、「バードウェーブ」と呼ばれる小鳥の混群に何度か出会う。群れの中にはハグロヒタキサンショウクイ、クリノドモズチメドリ、キガシラモリチメドリ、ノドグロサイホウチョウ、ムナフハナドリ、オレンジハナドなどがいて、まさに打ち寄せては引いていく波のように一斉に現れては、一斉にいなくなるため観察に忙しい。

20日、フレイザーズヒル最後の朝は高原らしく、涼しい朝である。明るくなるにつれクロジュウイチの声がよく響き渡るようになったため、その姿を探すも、飛び去っていく姿を観ることができたのみであった。ホテルに戻って朝食を食べてから出発すると、車の前をズアカキヌバネドリが飛んでゆく。急遽、車を停車して2羽のズアカキヌバネドリのほか、ヒムネスミゴロモも確認する。昼近くになると気温が上がってきて、高地のブレイザーズヒルといえども暑く感じるなか、ヒメフクロウの姿を見つけて観察し、フレイザーズヒルでの観察を終える。午後は途中の森林保護区に場所を移して観察する。到着後すぐにクリチャゲラ現れる。林内ではノドグロモリチメドリ、ハイガシラアゴカンムリヒヨドリ、ズグロジチメドリなどが入れ替わり現れるが、もっとも盛り上がったのは美しいセアカミツユビカワセミであった。サービス精神旺盛な個体で、人怖じすることなく、その美しい姿を楽しませてくれた。ほかにも周辺にはムネアカハチクイ、アズキヒロハシ、クビワヒロハシなど、魅力的な鳥たちが続々と現れ、時間を忘れて観察する。観察を終えて宿泊するホテルへまでの移動中、車窓よりクロサイチョウを見つけたので停車すると、民家のわきであったが、キタカササギサイチョウ、ヒメコノハドリ、シマベニアオゲラ、アオショウビンと鳥が多く出現し、楽しい場所であった。

21日、この日はブキットティンギーの観察ポイントへ向かうと、駐車場からヒメオナガバト、アオミミゴシキドリ、オオコノハドリ、コノハドリ、ロクショウヒタキなどが次々と現れ、鳥影が多い。アカコクジャクのポイントでは見事なオスが現れた。図鑑の絵では地味に見える種であるが、実際に目の当たりにすると、尾羽の美しい青斑、背の繊細な模様が美しい。アカコクジャクを観察した後は山を下りながら、ところどころで車で停めて観察するが、特徴的なひげ模様をしたコシラヒゲカンムリアマツバメを観ていると、山の稜線すれすれにカザノワシが現れたほか、距離はあったもののシワコブサイチョウも確認することができた。その後、長い移動の後、マレーシア初の国立公園として有名なタマン・ネガラTaman Negaraへ。この日は探鳥が出来ず、ここの鳥たちは明日以降の楽しみとなる。

22日、朝食後、探鳥を開始すると、食事をしたレストラン前の小さな木の実が実った大木にはチビアオバト、ハシブトアオバト、ノドアカゴシキドリ、キンカブリゴシキドリ、ハイムネヒヨドリlなどが次々と訪れて、いつまででも退屈せずに観ていられるが、後ろ髪をひかれる思いで観察を切り上げてトレイルに入る。するとすぐにオオサザイチメドリの声が届き、出会うことが難しいこの種を全員で観察する幸運に恵まれた。その後も、ミドリヒロハシ、コシアカキヌバネドリ、モリアオゲラなどに加え、何種ものチメドリ類などからなるバードウェーブに囲まれ、周囲に次々と鳥が現れるので観るのに忙しい。これらに加え、アオヒゲショウビンRufous-collared KingfisherやクロアカヒロハシBlack-and-red Broadbillといった美しい鳥たちも観察して、この日の観察を終えた。

23日、早いものでいよいよ最後の探鳥である。上空を飛んでいくシワコブサイチョウや、昨日同様レストラン前の木に集まるアオバト類、ゴシキドリ類を観察した後、トレイルに入ると、3羽のアカハラコガネゲラが現れる。その後、観ることが難しいクイナチメドリの声が届いてきたため、ぎりぎりまで粘ってみるが、残念ながら声が近づいてくる前にタイムアップとなった。ロッジに戻って荷物整理、チェックアウトをして最後の探鳥地へと向かう、ここの狙いはマングローブヤイロチョウ。隣接する道からマングローブ林を見ていると、時々、声が聴こえるが、こちらもなかなか近づいてこない。ようやく少し近づいてきたかな、というところで残念ながらこちらも残念ながら時間切れ。観察道具を片付けて、夕食を済ませた後にクアラルンプール国際空港へと向かう。往路とは異なり、クアラルンプール市街地でも渋滞にあうことなく、ほぼ予定通りに空港に到着する。チェックインもスムーズに済ませ、帰路に就く。

24日朝に予定通り、成田空港に到着してツアーを終える。マレーシアというとボルネオの陰に隠れがちなマレー半島ですが、実際にはこちらのツアーのほうが観られる種も多くいます。来年も同時期に企画予定ですので、ご期待ください。

田仲謙介

コシラヒゲカンムリアマツバメ

 

セアカミツユビカワセミ

 

ズアカキヌバネドリ

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