【ツアー報告】ブッポウソウとチゴモズが棲む松之山の森 2024年6月7日~8日
(写真:チゴモズ 撮影:山尾文明様)
梅雨入り間近の時期ですがこの時期は恒例となっている北信越のブナ林をめぐりながら主にブッポウソウとチゴモズを探すツアーの時期です。今回訪れる場所は私的には20年以上通っていますが、のどかな山村風景はまるで日本むかし話に出てくるような独特の風情があり、豪雪地帯らしい家屋の作りも印象的です。思い返すと長年にわたってこういった風景が全く変わらない点は驚きで、それだけに現地の環境にも配慮し、小型バスを使ったかなり小さなツアーにしています。タイトルにもなっているブッポウソウ、チゴモズといった希少な野鳥が生息しているほか、ブナ林を好む野鳥たちが数多く生息し、この時期は北信越を代表するピンク色のタニウツギや紫色の桐の花も見事な時期です。今回は前日から引き続いて雨の予報は出ていなかったものの、快晴ではなくやや雲が出る時間帯があるとのことで、かなり蒸し暑くなるとの予報が出ていました。
7日、この日はやや雲がかかってはいたものの天気予報通り雨の心配はなさそうで、ここ数日では一番蒸し暑く感じる朝でした。集合時間の東京駅前は薄雲はあったものの一部に青空が見えていて、無事ご集合が完了したことから予定通り08:30に出発してひとまず関越自動車道を走り新潟県を目指しました。車内ではここまでの状況に加え、今回のツアーで期待できる種について解説するとともに、現地の環境についてもお伝えしました。
*諸般の事情により詳しい内容をウェブサイトでは公開しておりません。
今回は幸いにも両日ともに晴天になりましたが、日中は蒸し暑くなり4回目にしていつもの松之山ツアーの感じになりました。主役のチゴモズは今回もなかなか出会えずかなり苦労しましたが粘りに粘ってなんとか良いシーンを見ることができました。一方、ブッポウソウは今期は安定して良いシーンが見られ、今回も光線状態が良い中で緑、紺、黒、赤の独特のグラデーションが鮮やかなその姿を何度も見ることができました。また美しく見える飛翔形もたっぷり観察することができたことから、翼にある青斑もしっかりと見ることができました。ほかにも当地を代表するノジコもレモンイエローの美しい姿とさえずりを堪能することができ、サシバ、サンショウクイ、イカル、オオアカゲラ、アカゲラ、アオゲラなども見られ、クマタカの飛翔、また声だけでしたがアカショウビン、クロツグミも確認でき、ナイトウォッチングでは飛翔するヨタカを見る幸運もありました。これらの記録を見ると当地が貴重な野鳥たちの生息地であることをあらためて認識できたと思います。今後も当地ののどかな山村風景と人の営み、そして野鳥たちの営みが保たれるようご協力ください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史