【ツアー報告】日光・戦場ヶ原ハイキング 2016年5月12日
(写真:戦場ヶ原の風景)
奥日光へのツアーは11月が定番になっていますが、新緑の時期にもぜひ企画したいと思い、この5月に新たに企画しました。秋は紅葉がほぼ終わった雑木林を歩きながらキバシリ、ゴジュウカラ、そして冬鳥のアオシギを探すのですが、今回は新緑が一番美しい時期に巡るため、まず目に飛び込んでくる風景が全く違います。そしてもちろん主役は夏鳥たちです。今週は天気が悪くなかなか安定しなかったのですが、当日はこれ以上ないというくらいの快晴になり、まさにハイキング日和の1日となりました。
12日、数ある日帰りバスツアーの中でも移動距離が最も長いことから集合時間はいつもより早い07:30。順調にご集合いただき予定通りに出発することができました。渋滞などがなかったことから順調に進み、途中休憩を挟んでも3時間ほどで現地に到着することができました。到着後は各自観察機材の準備をしていただきましたが、早くも頭上ではキビタキが軽やかに歌い、その近くでは別の個体も歌っていました。観察を始めると2羽のオスはなわばり争いの真っ只中で威嚇行為も見られました。またよく見ると近くにはメスもいて、まだまだペアリングが完了していない様子でした。森に入るとヒガラ、エゾムシクイのさえずりが響き渡り、小さな体に似合わない大音響でミソサザイがさえずり、地上に降りては巣材集めをしていました。また別の場所では間近にゴジュウカラが現れ、木の幹を巧みに登り降りする行動を見せてくれました。また付近では新緑の枝先で餌を探すヒガラ、シジュウカラの姿もありました。その後は一旦各自昼食の時間としてから次の場所に移動しました。ここでは新緑の枝先でさえずるニュウナイスズメの姿を観察し、ふいに現れたアカゲラのオスも見ることができました。この個体は一時、ドラミングをするなどしばらく楽しませてくれました。そして最後はいよいよ戦場ヶ原に入ります。日中は遠足の学生でかなり混みあうため時間を遅めにしましたが、それでも最初の1時間くらいはかなり混みあいました。駐車場付近ではズミの木で鳴くニュウナイスズメのメスの姿があり、オスとはかなり違った雰囲気であることを確認できました。森に入ると枝先で歌うウグイスの姿があり、全身の力を込めて懸命にさえずる姿を望遠鏡を使ってしばらく観察することができました。観察していると頭上にエナガが現れました。よく見ると尾羽が曲がっていたことから巣への出入りをしていることが推測されました。草原が見渡せる場所からは主役のノビタキの姿があちらこちらにあり、最後はようやく近い距離で観察することができました。また上空を飛翔するトビ、ノスリの姿もあり、最後のポイントでは盛んにさえずるホオアカ、アオジの姿もじっくり観察することができました。折り返し後はあちらこちらで歌うキビタキをこれでもかというくらい観察し、それ以上いるのではなかと思われるコサメビタキに関しては求愛行動も見ることができました。またビンズイも最後の最後でさえずる姿をしっかり見せてくれました。ただ、ここまでカワガラスの姿を見ることができなかったため最後にちょっと寄り道をしてみると、川に入ったり岩に止ったりしながら餌を探すカワガラスに出会うことができ、最後にしっかりその姿を観察することができました。
ハイキング形式の探鳥はとにかく天気が重要なのですが、この日はこれ以上ないというような快晴になり、鳥だけでなく風景や高原の空気まで楽しむことができました。日光は次回は11月に企画しています。風景も見られる鳥も変わりますのでぜひ季節を変えてまたお越しください。この度はお疲れさまでした。
石田光史