【ツアー報告】沖縄やんばるの森の固有種たち 2025年5月13日~16日

13日、那覇空港に全員集合して出発。今年は、なかなか梅雨入りをしない沖縄だが、今にも降りだしそうな蒸し暑い曇天の中を一気に北上してやんばるへ向かう。例年ならこの時期はデイゴの花が満開でそこにノグチゲラがやってくる最も見やすい時期である。ところが、今年は例年より寒くて季節の進みが1ヶ月ほど遅れていて、デイゴの花は数個しか咲いていないのだ。リュウキュウアカショウビンが鳴きながら飛んでいく。また、ホントウアカヒゲがチラッチラッと見えるが写真撮影とまでいかない。夕方、ホテルにチェックイン。夕食時、デイゴの花が咲いていないがノグチゲラの雌雄が見られたことで乾杯。

14日、一晩中、ホテルの前でヤンバルクイナが鳴いている。早朝にホテルを出発してヤンバルクイナのポイントをゆっくりと走る。あちこちでヤンバルクイナが道路に出ていてるが、なかなかじっくり撮影とまではいかない。ホントウアカヒゲも鳴いているが姿を現さない。ホテルへ戻るとホテルの庭の池でヤンバルクイナが水浴びをしているのでみなさんでじっくりと観察、撮影する。写真から幼羽が残っているので昨年生まれの個体である。昨年の今頃、この場所でヤンバルクイナの真っ黒なヒナを見ているので、その子が元気に大きくなっていると思うと感慨深いものがある。ホテルで朝食をいただいた後、やんばるの林道をゆっくり走る。梅雨明けのようないい天気となり気温もぐんぐん上がって行く。イシガケチョウやツバベニチョウなどの蝶がたくさん飛び回り、メタリックのリュウキュウハグロトンボもいる。リュウキュウアカショウビンやリュウキュウサンコウチョウがあちこちで鳴いている。愛想のいいホントウアカヒゲの雄が出てきてみなさんでたっぷりと堪能する。いつの間にかヤンバルクイナ、ノグチゲラ、ホントウアカヒゲを“やんばる3点セット”と呼んでいるが、これで3種とも観察、撮影となったのである。12:45に昼食とお買い物。その後に訪れた森でも愛想のいいホントウアカヒゲの雄が出てきてみなさんでじっくりと観察、撮影する。ホテルに戻ると前の電線にズアカアオバトがとまっていた。その後、夕食をいただきナイトハイクに出発。ホテルの前でリュウキュウコノハズクを見付けるが全員で見る前に飛んでしまう。翼を広げると7080cmもあるオリイオオコウモリが鳴きながら飛び回る。2m近いアカマタが威嚇のポーズをする。ヤンバルクイナがあちこちで鳴いてる中をホテルに帰ったのである。

15日、早朝に出発しヤンバルクイナのポイントをゆっくりと走ると、あちこちでヤンバルクイナが道路に出ているが、撮影とまではいかない。ホントウアカヒゲもタラッチラッと見られるが盛り上がらない。ホテルへ戻って朝食。その後、道路からノグチゲラをそっと観察、撮影する。リュウキュウアカショウビンがずっと鳴いているので近くで繁殖をしているようだ。昼前に農耕地をゆっくり走るとシマキンパラが草にとまって揺れている。12:15昼食とお買い物。その後は耕作地を回りシロガシラやリュウキュウツバメなどをみなさんでじっくりと観察、撮影。コガモのペアがまだ残っている。14:00からまだ行っていないやんばるの林道をゆっくり走る。愛想のいいホントウアカヒゲの雄が出てきてみなさんでたっぷりと堪能する。奥へ行くといつもは開花がこの辺りでは一番遅いデイゴが満開でリュウキュウハシブトガラスやリュウキュウメジロが蜜を吸いにやって来ている。デイゴの近くで暫く待つと、近くのリュウキュウマツにノグチゲラがとまるが、デイゴに来ないで森へと飛んでいった。ホテルに戻って夕食。その後、ナイトハイクに出発。ホテルの前の電線にとまるリュウキュウコノハズクをみなさんでじっくりと観察、撮影する。オリイオオコウモリが木にとまって何かを食べている。ヤンバルクイナが2羽とまっているが葉の陰でよく見えない。ホテルの駐車場でリュウキュウコノハズクがとまったが近すぎて直ぐに飛んでしまう。21:15にホテルに帰ったのである。

16日、早朝に出発して奥のデイゴの近くで観察する。梅雨が明けたような快晴でデイゴの花もさらに開花している。リュウキュウハシブトガラスやリュウキュウメジロが蜜を吸いにやって来るが、ノグチゲラはやって来ない。ノグチゲラは近くの森に雌雄で出入りしていて巣があるようだ。結局、今シーズンはデイゴにとまるノグチゲラは見られなかったのである。ホテルに戻って朝食、その後は真夏のような暑さの中を南下する。農道をゆっくり走る。夏羽の綺麗なアマサギやアオアシシギ、キアシシギ、シマキンパラなどをみなさんじっくりと観察、撮影。時間が押しているのでお弁当を購入して、さらに南下。海岸でハシビロガモ、シロチドリ、アカアシシギ、オオバン、コアジサシなどの新しい種を観察、撮影。ツバメ30羽位の群れにコシアカツパメと亜種アカハラツバメが混じっていた。その後、耕作地へをゆっくりと走り、セイタカシギ、アオサギ、バン、コアシサシなどをじっくりと観察、撮影し、那覇空港へと向かったのである。今年は季節の進みが1ヶ月ほど遅れてて、みなさん期待のデイゴとノグチゲラは見られなかったが、ヤンバルクイナ、ホントウアカヒゲ、ノグチゲラの“やんばる3点セット”をたっぷりと堪能した4日間でした。みなさま、お疲れ様でした。

宮島仁

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