【ツアー報告】富士山五合目で高山鳥に会いたい! 2025年8月27日
そもそもは盛夏の頃にはバードウォッチングに行く場所がなかなか見つからないことから、たった1日でも涼しい場所に行って、これといって歩き回ることなく亜高山帯の小鳥たちをのんびり眺めてみてはどうかといったコンセプトで企画したツアーですが、ここ数年は盛夏の時期が極めて長くなってしまい、バードウォッチングというよりも外出そのものが危険といった認識になってしまうほどです。そんな中、標高約2500ⅿにある富士山五合目で涼めることは幸いといえるでしょう。ここにある水場に小鳥たちが集まるにはここ数日の現地の天気が重要なのですが、天気予報で見ている限りでは、ここ数日、現地では全く雨は降っていないようで期待が持てる状況でした。
27日、この日の東京都内は早朝からからっとした快晴で、集合時間前に気温はすでに30℃になっていました。予定通りご集合いただいたことから08:00に出発して富士山五合目に向かいました。バス移動中はこの日に見られる可能性が高い種の解説や現地の状況、そして水場にやってくる鳥たちに傾向などを話しながら進めました。途中、やや渋滞があったものの比較的順調に進み、談合坂サービスエリアで休憩を挟んでも2.5時間ほどで富士山五合目に到着することができました。到着後は穏やかな青空の下で準備を進め、ひんやりとした空気の中を歩いて現地に向かいました。実際には11:00頃から探鳥を開始し、早速、11:15にウソのメスと黄色が目立つヒガラの幼鳥が何回かやってきて水浴びをしていました。11:25からは今度はヒガラの成鳥がやってきて11:50には再びウソのメスがやってきました。11:55には「フィッ、フィッ」というウソの声が聞こえ、針葉樹にはウソのオスが止まっていました。12:00にはウソのオス、メスが揃い、12:10以降は珍しくメボソムシクイが何回もやってきて水浴びをしていました。12:50にはヒガラの成鳥がやってきて、13:10にはウソのオスとメスが仲良く水浴びをしていました。13:25にもヒガラの成鳥が見られ、13:40にはここまで見られていなかったルリビタキのオスの成鳥がやってきて水浴びをしていました。13:50にはヒガラの成鳥、幼鳥が揃って水浴びをし、この頃からは吹く風がさらに冷たく感じるようになってきました。13:55にはルリビタキが2羽になり、1羽はメスのような姿ながら一部に青色が出ているオスの亜成鳥のようでした。またコガラの成鳥も姿を見せてくれました。そして14:15には針葉樹の中から飛び出してきたホシガラスが水を飲んだり、水浴びをする姿が見られ、この頃にはメボソムシクイの涼やかなさえずりが聞こえていました。14:50にはメボソムシクイが何度も見られ、15:15にはウソのオスがやってきてしばらく水浴びをし、最後は15:30頃からルリビタキのオスが何度もやってきてくれました。この日は午後から一時的に青空が見えなくなることもありましたが、富士山頂も見ることができ、穏やかな1日でした。
この日の東京都内は最高気温が36℃とのことで10日連続の猛暑日という新記録になったそうですが、現地は15℃ほどで快適に過ごすことができ、まずはこのツアーの目的の一つを達成することができました。キクイタダキの姿がなかったものの、ホシガラス、ルリビタキ、ウソ、メボソムシクイ、ヒガラ、コガラとさまざまな小鳥たちを間近に見ることができ楽しめた1日でした。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史