【ツアー報告】タカ渡る白樺峠とライチョウが棲む畳平 2025年9月19日~21日

(写真:ハチクマとツミ 撮影:AI様)

秋といえばタカの渡りでしょう。年に一度の大イベントは見られる期間が短いだけでなく、この時期を逃がすとまた来年まで見られません。ただ、タカの渡り観察は天気によるリスクが大きく、天気の並びによっては成果が大きく変わります。そのため、このツアーではわずかな距離にある乗鞍畳平、乗鞍高原をタカの渡り観察に組み込み、天候が芳しくない時には予定を変更できるようにしています。この白樺峠はタカの渡り観察では大変に有名な場所でさまざまなタイプのハチクマが見られるほか、サシバのタカ柱、そして峠という環境のためイヌワシ、クマタカ、ハリオアマツバメにも期待できます。ただ飛んでいるタカ類の識別が難しいことから「タカ識別講座」を移動中に行っています。また標高2700mの畳平ではライチョウ、ホシガラス、カヤクグリ、イワヒバリを探し、麓の乗鞍高原ではカラ類、ケラ類といった留鳥はもちろん、この時期は渡り途中のエゾビタキ、サメビタキ、オオルリ、キビタキ、そして最近、信州で繁殖例が増えているジョウビタキも常連です。ただ、この時期は毎回毎回、天気予報がなかなか当たらないため、空模様を見ながら朝になってその日の予定を決めることも珍しくありません。

19日、前日に松本駅前までやってきましたが、東京を出る時には晴れ間がみえたものの、その後は見る見る雲が厚くなってきて到着した松本駅は曇り空で、先週よりもかなり涼しく感じました。そして前日から見続けていた天気予報を出発当日の朝も見ましたが、最終日の21日は概ね天気が良いとの予報が出てはいたものの、今日、明日の予報がなかなかはっきりしない状況でした。集合時間の松本駅前は雲は多かったものの一部に青空が見える状況で、この時点でもどうするか悩みながらの出発となりました。

*諸般の事情により詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しておりません。

そもそも天候が安定しない時期であることもあって、過去、台風直撃や天候悪化などにより予定変更が頻繁に発生するなど運行が極めて難しいツアーですが、今回もそもそもの天気予報が当たらない、また各社バラバラであるなど天気予報に翻弄される状況になってしまい、結果的には前回同様に雨、雨、晴れで十分な探鳥ができない時間帯もありました。まず天候が悪かったことからライチョウを狙いましたが今回は出会うことができず、一方でイワヒバリがたっぷり見られ、カヤクグリ、ホシガラスもかろうじて見ることができました。乗鞍高原ではジョウビタキ、コガラ、ヒガラ、ゴジュウカラ、イカル、カワガラスなどが見られ、最終日は待ちに待った青空の下、サシバ、ハチクマ、クマタカ、ノスリ、ツミ、そしてホシガラス、ハリオアマツバメなどが見られ、結果的にはここまでの今秋の最高値になったものの、ダイナミックな渡り風景が見られなかったのは残念でした。白樺峠にはすでに20年近く来ていますが、タカの渡りは何度来ても全く同じ光景はなく、毎回毎回新しい感動を与えてくれます。今後も秋はタカの渡り観察におでかけいただけましたら幸いです。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

イワヒバリ 撮影:AI様

 

カヤクグリ 撮影:AI様

 

イカル 撮影:AI様

 

コサメビタキ 撮影:AI様

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