【ツアー報告】春の水郷巡り 夏羽のシギを探そう!<追加設定> 2015年4月28日(火)

前日に続いて追加設定となり、この日もほぼ予定通りに東京駅前を出発しました。この日も天候は晴れ予報で雨の心配はなさそうです。渋滞もなくバスは順調に進み、この日も休憩を挟んでも2時間ほどで探鳥地に到着することができました。まずは駐車場にバスを止めて観察機材の準備をしていただき、時間的に余裕のあるお客様と周囲を見てみましたが、暖かな日差しに誘われるようにヒバリがさえずっていました。
ひとまずこの日も片っ端からポイントを周ってシギ類を探すことにしてバスを出発させました。昨日、ムナグロの群れが見られた場所にはほぼ同じ規模の群れが見られ、よく見ると数羽のキョウジョシギが混じっていました。渡ってきたばかりのため、ほとんどの個体が疲れ切った様子で地面にべったりと座り込んでいました。距離が近かったためまずは車内からの観察を行い、完全な夏羽からほぼ換羽していない個体までさまざまな個体を見ることができました。その後は田植え後の水田でチュウシャクシギを観察し、僅かにあったアシ原ではまだまだ本格的ではないもののコジュリンがさえずり、チュウヒが飛んでいました。別の水田ではノコノコ歩きながらコチドリが採食し、よく見ると付近にはタシギ、そして夏羽に換羽した真っ赤なトウネン、メダイチドリの姿がありました。この種は畦に乗って休んでいたため、比較的ゆっくりとその姿を楽しむことができ、その後は数羽のアオアシシギの姿も見つかり、スマートな姿に長めで先端が上に反った独特の嘴も見ることができました。
その後は一旦各自昼食を食べていただき午後からはまた別の場所を巡りました。まずは水が僅かなハス田でタカブシギ、タシギの姿を見ることができ、その後は利根川に沿って水田を見て行きました。こちらもシギ類の姿が少なかったのですが、畦沿いに歩きながら採食するキョウジョシギ、チュウシャクシギの姿があったため、バスを降りて順光側に周って観察をすることにしました。ただ、見ているといつの間にかチュシャクシギの群れの中に2羽のオオソリハシシギがいることに気がつきました。そのうちの1羽は見事な夏羽でやや黒ずんだ濃い赤が印象的でした。
最後は再び茨城県側に戻ってポイントとなる水田を巡りました。時間があったため午前中に見ることができなかったクサシギのポイントに再度行ってみると1羽のクサシギが佇んでいました。一旦飛んでしまいましたが再び戻ってきてくれたためじっくりと見ることができ、最後はじっとして動かなくなってしまいました。また最初に観察したムナグロの群れが同じ場所にいてくれたため、最後にもう一度観察することにしました。地上に降りている個体数は少なくなっていましたが、見ていると数十羽の群れが飛んできて合流しました。個体数、種類数共に少なかったですが、見られる種をじっくりと観察できた1日でした。
今年は渡り期がズレているのか、コースが反れてしまったのか、見ていただきたかった定番種のシギ類が種類数も個体数も少なく残念でした。ただ、少ないながらもこれから繁殖地へ向かう長い旅の途中、日本各地の水田で羽を休めていることは分かっていただけたと思います。また秋に今度は越冬地に向かっていくシギやチドリたちに出会えればと思いました。この度はお疲れ様でした。
石田 光史

関連記事

ページ上部へ戻る