【ツアー報告】アカショウビンを求めて!初夏の戸隠高原 2016年5月30日~31日

(写真:コルリ 撮影:柳澤隆様)

魅力的な夏鳥たちが数多く見られる初夏の戸隠高原をハイキングする恒例のツアーです。今回は前日から当日午前中の天気予報が悪く心配されましたが、出発当日の天気予報はやや良い方向に変わり、出発時の東京駅はどんよりとした空から小雨が落ちていましたが、新幹線が進むにつれて天候は回復。到着した長野駅は強風が吹いてはいたものの空はかなり明るくなってきていました。

30日、長野駅で現地参加の2名のお客様と合流後、まずは1時間ほど走ってホテルに向かいました。到着後は一旦お部屋に入っていただき各自昼食。その後、探鳥に出発しました。この時間はまだまだ観光客が多いこともあり、メインとなる森林植物園は避けて探鳥を行いました。林の中からはキビタキ、アオジのさえずりが聞こえ、針葉樹の枝先ではヒガラがぶら下がるようにして餌を探していました。白樺の枝先ではスズメに似た声のニュウナイスズメが鳴いていたため望遠鏡を使って観察しました。その後、林に入るとキバシリの声がしたため観察しているとキバシリの巣立ちビナを発見。木の幹に垂直に止まってじっとしていましたが、時より親鳥がやってきては餌を与えていました。また付近にはモズ、イカル、アカゲラの姿があり、ヒナに餌を運ぶゴジュウカラが見られました。観察終了時には突然上空にハチクマのメスが出現して美しい飛翔を見せてくれました。夕方からは人の気配がまばらになった森林植物園内を歩きました。園内は至るところからキビタキのさえずりが聞こえ、間近に止まっている個体は望遠鏡を使ってじっくりと観察することができました。また付近にはコサメビタキの巣があり、なかなか凝った造りの巣に感心したのでした。この日は過去にアカショウビンの姿があった場所を中心にめぐりましたが残念ながら出会うことはできませんでした。

31日、05:00に出発して早朝探鳥に出かけました。昨夜は翌朝の天候を心配していましたが、意外にも早朝から青空が広がっていました。ただやや肌寒い朝でした。ホテルのスタッフの方はすでにアカショウビンの声を数日前に聞いているとのことで期待していました。みどりが池にはキンクロハジロ、マガモ、カルガモ、カイツブリの姿があり、高木にはサンショウクイの姿がありました。園内ではまずは高木で朗々と歌うクロツグミの姿を堪能しました。相変わらずキビタキは元気でその姿をあちらこちらで見ることができました。また今年はノジコの姿が多いようで意外にもあっさりその姿を観察することができました。ただ残念ながらアカショウビンの姿はありませんでした。朝食後は植物園内から鏡池を往復しました。出発時には真夏のような日差しがあり汗ばむような陽気になっていました。植物園内は一気に天候が回復したせいか、セミの声がうるさくうっとうしいような状況でした。鏡池までの道のりではキビタキ、アオジ、ノジコ、ゴジュウカラ、キバシリなどが見られ、鏡池での休憩中には戸隠連山を背景にノスリ、ハチクマ、トビが飛び、突然出現したクマタカの姿に驚かされました。帰り道ではやや時間がかかったもののコルリの姿を観察することができ、その後は全く人を恐れずに歌い続けるミソサザイの姿を間近に堪能し、最後は巣穴に出入りするアカゲラを観察しました。昼食はこのツアーで恒例となった戸隠蕎麦をいただき、最後の時間は別のポイントに向かいましたが、出発時にはホテル付近で暗色型のハチクマの飛翔が見られました。現地ではこれといった種は観察できませんでしたが澄み切った空を飛翔するノスリの姿を観察して終了しました。

今回は主役のアカショウビンに出会うことができず残念でしたが、クロツグミ、キビタキ、コルリ、コサメビタキ、ノジコ、サンショウクイ、ハチクマなどさまざまな夏鳥たち、そしてクマタカ、キバシリ、アカゲラ、ミソサザイなども観察することができました。また夏鳥たちの美しい歌声も楽しむことができた2日間でした。たくさん歩いていただきお疲れだったと思いますが、今後は季節を変えて秋にもお越しいただければと思います。この度はお疲れ様でした。

石田光史

クマタカ 撮影:柳澤隆様

クマタカ 撮影:柳澤隆様

 

ハチクマ 撮影:柳澤隆様

ハチクマ 撮影:柳澤隆様

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