【ツアー報告】春の渡り鳥を求めて!新潟県・粟島B 2021年4月26日~28日

(写真:ベニヒワ 撮影:西川惠美子様)

渡りの時期は離島でこの時期でないと出会うことができない鳥たちとの出会いに胸躍らせる人も少なくないでしょう。今回訪れる新潟県の粟島は探鳥地のほとんどが小さな畑で歩く道も細いこともあり、住民の方々への配慮を含め、私たちは6名様限定という少人数ツアーで企画し続けています。

26日、快晴の東京駅から出発しますが、新潟駅に到着する直前に乗船を予定していた船の欠航が知らされます。急遽、本日宿泊するホテル、利用するタクシーなどの変更を行って、新潟駅で下車します。粟島の玄関口となる村上駅を降りると、船が欠航するような荒天ではありませんでしたが、時間がありましたので公園まで行き、探鳥します。池にはまだコガモを中心としたカモ類が100羽ほどいたほか、10羽ほどのコハクチョウと2羽のオオハクチョウも見られました。その後、公園内の林を1時間ほど歩くと、ルリビタキ、シロハラ、カシラダカなどが観られましたが、全体的に鳥は少なく、最後にクロツグミのさえずる声を聴きながら、公園を後にしました。

27日、11:00に予定通り粟島港に着いた後は宿で荷物の準備を行い、昼食までの1時間ほどを近隣と周辺の畑を観察します。この時期ならではの美しいカシラダカや色鮮やかなアトリの姿が見られ、いよいよ離島での観察開始です。午後は島の北側の畑に行くと、もツグミ、アオジ、アトリといった冬鳥が多く、ヒタキ類やムシクイ類といった夏鳥の姿はありません。鳥の集まった畑を注意深く観察すると、そこには2羽のベニヒワやシベリアアオジの姿がありました。短い時間でしたが2大観察ポイントで観察した結果、本日は宿周辺に鳥が多そうなので、夕方は戻って観察を行うと、ツグミ、アオジ、カシラダカ、カワラヒワが大多数を占めるなか、ニュウナイスズメやタイワンハクセキレイなどの姿も見つかりました。

28日、05:45に宿を出発して北部に向かうと、昨日から回復した天気に乗じて渡ってしまったのか、昨日は多く見られたツグミとアトリの姿が減っていましたが、ベニヒワはまだ観られました。しかし、この2羽のベニヒワも我々をあまり気にする様子も見せず、道端でずっと採餌に夢中になっていたので、間もなく渡っていくのかもしれません。そして全体に鳥の数は減っていましたが、上空をサンショウクイが飛んでいき、林からは昨日は聴かれなかったエゾムシクイのさえずりが響いていたので、夏鳥たちも新たに到来したようです。このように一晩で様子がはっきりと変化することを目の当たりにできるのも渡りの島ならではの魅力です。朝食のため宿に戻り、朝食後は宿周辺を歩きます。こちらでも特にアトリの数が減っているようで、かなり淋しく感じられましたが、クロツグミやエゾムシクイなどを確認できて、冬鳥から夏鳥へと島の主役が移っているのを実感することができました。昼食後、予定通り14:00の高速船で粟島を出発し、穏やかな海を進み帰路につきました。

今回は離島探鳥ならではの定期船の欠航、探鳥地の変更といったアクシデントに見舞われ、ご苦労をおかけすることになってしまいました。離島の観察は予想しずらいところが大きく、運次第というところがあるのですが、何回も通うとそれぞれに違った渡りの様子を観察することができて楽しいものです。またの機会、ご参加いただけましたら幸いです。この度はありがとうございました。

田仲謙介

ミヤマホオジロ 撮影:西川惠美子様

 

タイワンハクセキレイ 撮影:西川惠美子様

 

アトリ 撮影:西川惠美子様

 

ジョウビタキ 撮影:西川惠美子様

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