【ツアー報告】往復フェリー2等洋室で行く!諌早干拓と有明海 2016年10月28日~30日

新門司港に到着後は、福岡県と佐賀県のちょうど県境に位置する基山パーキングエリアで休憩を取って、干潟よか公園へ向かいます。ここは大授搦(だいじゅがらみ)という名前でもよく知られた、西日本屈指のシギ・チドリ類の渡来地ですが、秋の渡りもすでに終盤に差し掛かっており、干潟で見られるシギ・チドリ類も、越冬するダイゼンやハマシギなどが主流となっていましたが、事前の情報によれば、カラフトアオアシシギが見られるかもしれないということでした。カラフトアオアシシギはサハリンのみで繁殖をする、個体数の非常に少ない種で、観察する機会も少なく、1羽で見られることが多い鳥ですが、今期の大授搦では最大6羽が同時に観察され、1,2羽がまだ残っているかもしれないとのことでした。そのため、バス車中ではカラフトアオアシシギの特徴や見つけ方を中心にお話させていただき、現地へ向かいました。

到着すると、ちょうど満潮の時間帯で、多数のシギ・チドリ類が眼前までやって来ています。しかし、アオアシシギなどの中型のシギは寝ている個体が多く、その中からカラフトアオアシシギを見つけるも、最大の特徴である顔と嘴をなかなか観察することができませんでした。しかし、潮が引き始めると、集まっていたシギ・チドリ類も広くなった干潟に、どんどんと分散してしまったため、ここでの観察を終えて、次なる探鳥地である長崎県の諫早干拓地へと向かいました。ここでの大きな目当てがアカアシチョウゲンボウとナベコウですが、今年はアカアシチョウゲンボウの渡来が少し早く、ツアー当日はすでに通過してしまった後であったので、もうひとつの目的であるナベコウを探すことに力を注ぐこととしました。干拓地内を、長崎在住のバードウォッチャーにもご協力いただきながら探し、1羽を遠くで見つけたので、細心の注意を払いながら、近づいたにも関わらず、100メートル以上離れたところで、飛び上がられてしまいました。しかし、その個体を双眼鏡で追い続けると、少し離れた畑地に降り、そこには別の1羽がすでにいて、2羽で行動する姿を観察することができました。ナベコウを2羽同時に確認できたのは、今シーズンは今日が初めてということで、とても良い日に訪れることができました。

今回のツアーでは現地在住のバードウォッチャーのご協力をいただいたこともあり、短い時間でしたが、効率良く観察することができました。来年の春には、また南港発のフェリーを利用して、有明海に夏羽のシギ・チドリを観察しに行くツアーを企画しています。今回のツアーで観察した姿とはまた違った、色鮮やかなシギ・チドリの姿を多く観察することができるでしょう。こちらも是非、ご期待ください。ご参加いただきました皆様、今回はお疲れ様でした。

田仲謙介

関連記事

ページ上部へ戻る