【ツアー報告】やんばるの森とホエールウォッチング 2015年3月15日~17日

15日、那覇空港にちょっと遅れて到着し、那覇空港集合のお客様と合流。25℃を越える南国らしい気候の中、気持ちのいい海風に吹かれながらミサゴが飛ぶ海岸の公園でシロガシラやリュウキュウツバメを観察しながら昼食。12:50 ホエールウォッチング船「パイレーツ」に乗り、出航。港から出ると波が高く、しぶきを被りながら進んでいく。沖縄の海にはカモメ類、ウ類、海ガモ類、トビなどがいないが、時折、カツオドリが横切る。船は慶良間列島の近くまで進み、さらに、北上してから再び南下して進んでいく。なかなかザトウクジラの姿が見えないまま1時間半が経過した。毎年、沖縄本島近海に12月頃に200頭以上のザトウクジラがやって来て出産・子育てや求婚をするのだ。船は再び北上し、残波岬の沖合までいくと1頭の雌に5頭のオスたちがまとわりついているというアナウンスがある。お嫁さん募集中の必死なオスのクジラたちがメスを争って、ヒート・ランという激しい奪い合いをやるのである。船の近くを何頭ものクジラが浮上しては沈んでいく。すると、1頭の巨大なオスが船の直ぐ前に浮上し、ブッファッーと生臭い息をかける。巨大な生物は何度見ても感動するのである。大荒れの海の事もすっかり忘れて、みんなで感動したのである。ホエールウォッチング船も予定を1時間ほど延長して頑張ってくれたのだ。船を降り、約2時間半かけてやんばるの森の中のホテルに到着。リュウキュウコノハズクの声が遠くから聞こえてくるのである。
16日、6:40 に出発してやんばるの森を専用車でゆっくり走る。やんばるとは漢字で「山原」と書き、沖縄本島北部一帯を示し、亜熱帯の豊かな森が広がる地域である。ちょうどこの頃、イタジイなどの照葉樹が一斉に芽吹き、美しいブロッコリーの森のようなのだ。しかし、急に気温が下がったせいか鳥たちの囀りが少ない。それでもホントウアカヒゲ、オキナワシジュウカラ、アマミヤマガラ、リュウキュウメジロなどが囀る。しばらく走ると、猛スピードでヤンバルクイナが道路を横切る。さらに進むと、道路の脇で餌をついばむヤンバルクイナを発見。皆さんでじっくりと観察する。その後もヤンバルクイナのポイントを何ヶ所も廻るが鳴き交わしの声ばかりで姿を現さない。そこで、ポイントを絞って待つことにすると、クロウタドリが車から5m程の所で餌を採りだし、皆さんで堪能することができたのである。その後、ホントウアカヒゲとノグチゲラを探して、やんばるの林道を網の目のように走って、皆さんでがんばっていただきましたが残念な結果となってしまいました。正に後ろ髪を引かれる思いで、那覇まで移動したのである。
17日、6:40 に出発して耕作地をゆっくり走り、セッカ、シロガシラ、サシバ、アオジなどを観察し、リュウキュウキジバトやリュウキュウヒヨドリの色の濃い亜種をじっくりと観察する。朝食後に海岸へ行き、ムナグロ、コチドリ、シロチドリ、アオアシシギ、チュウシャクシギ、ヒバリシギなどのシギ・チドリ類15種、オカヨシガモ、コガモ、オナガガモなどのカモ類6種、サギ類、ミサゴ、オオバンなどを観察しているとサカツラガンが草むらから出てきたのでじっくり観察したのである。その後はクロツラヘラサギ18羽にヘラサギ1羽を観察し、さらに移動してシマアジ、セイタカシギ、バンなどを観察する。その後、今年の1月から見られているオオフラミンゴを観察する。当初、どこかの動物園から逃げたのかと思っていたが、この冬に中国でも確認されたというので、野生のものが渡ってきた可能性もあるので皆さんに見てもらったのである。そして、最後は耕作地へ行き、タシギ、アカアシシギ、シロハラクイナ、タヒバリ、ツメナガセキレイなどを観察して、那覇空港へと向かったのである。
ちょうど気温が下がって、やんばるの鳥たちは静かになってしまいましたが、3日間で73種の鳥たちと出会うことができ、サカツラガン、ヘラサギ、クロツラヘラサギ、シマアジ、クロウタドリ、ツメナガセキレイなどのなどのなかなか出会うことの難しい鳥たちにも出会うことができました。そして、やはりこの時期ならではのザトウクジラが楽しませてくれたツアーでした。皆様お疲れ様でした。

宮島 仁

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