【ツアー報告】ベストシーズンに巡る夏の北海道 2017年6月21日~27日(フェリープラン)6月23日~26日(飛行機プラン)

(写真:ギンザンマシコ 撮影:高木信様)

本州は梅雨入りし、小鳥たちの繁殖もほぼ終わってしまっていることなどから、この時期に北海道に行ってバードウォッチングを楽しまれている方も多いことでしょう。当然のことながら魅力的な種が多く、梅雨がないさわやかな季節であることもあって、この時期は小鳥類を北海道で観察するベストシーズンでしょう。このツアーではさらに天売島での海鳥観察も加え、さらには大洗~苫小牧航路での海鳥観察プランも加えてこの時期の北海道を丸ごと楽しめるツアーにしています。

 21日、日中は激しい雨が降り、どうなることかと心配しましたが午後からは雨は止み、夜は生ぬるい風が吹いていました。そんな中、予定通り22:30に集合が完了したことから資料配布、ツアー全体の流れの説明、翌日の案内などを済ませてから乗船しました。

 22日、通常は08:00の金華山沖からの観察ですが、6月は海鳥の出現が金華山沖のやや手前からであることが多いため07:00からとしました。ただ早朝から強い西風が吹いていて2mほどのうねりがあり、霧雨のように海水が吹き上がっていました。ただ風があったことから海鳥の出は好調で、コアホウドリ、クロアシアホウドリ、オオミズナギドリが飛んでいました。08:20には海面で採食しているオオミズナギドリの群れと共にカマイルカが跳ね、09:30からはさらに海上は荒れ模様となり海水が吹き上がってきました。10:00には一旦海上が穏やかになり着水しているクロアシアホウドリが多数出現しました。ただその後はまた風が吹き出し11:30頃からは風に乗って高い場所を飛ぶコアホウドリとクロアシアホウドリが次々に通過していきました。11:45にはフルマカモメ、12:05にはアカアシミズナギドリが飛び、12:30からは激しく海水が吹き上がってきました。その後、一旦海鳥の出現は止まってしまいましたが、14:00には再びフルマカモメ、アカアシミズナギドリが現れ、午前中同様に高い場所をコアホウドリとクロアシアホウドリが次々に通過していきました。14:40にはようやくオオトウゾクカモメが現れ、15:30には下面が白く、上面が明瞭なM斑に見えるミズナギドリ類が一時方向遠くに上下動を伴いながら飛翔していました。ミナミオナガミズナギドリかと思いましたが明らかに小さいため慌てて何枚か撮影しましたが、これが下面のパターンからハグロシロハラミズナギドリと一時は判断しました。ただいくつか疑問点があったことから複数の有識者のご意見を踏まえて再度検討した結果、ヒメシロハラミズナギドリと判断しなおしました。ただ同様の個体がこの前にも観察されていたようで、さらには15:50にももう一個体が出現したためさらに観察機会がありました。そして最後は17:30にカンムリウミスズメを観察して18:30に観察を終了しました。下船後は苫小牧市内のホテルに移動しました。

 23日、この日は飛行機プランのお客様と合流する日ですが、時間が少々あることから朝食後は市内の公園に向かいました。穏やかな晴天の中で林に入ると針葉樹の林では2羽のキクイタダキが目線ほどの高さで見られ、今年よく見られているアオバズクの姿も見られました。またシマエナガの巣立ち雛が賑やかに群れていました。さらに奥に進むとキビタキが軽快にさえずり、遠くからはツツドリの声も響いていました。また水浴び後のセンダイムシクイが羽繕いをしているシーンも見ることができました。戻る途中ではさえずるアオジが見られ、ほかにもアカゲラ、ハシブトガラ、ヒガラなどを観察してから空港に向かいました。空港では予定通り全員が集合し、まずはこの日の宿泊地に向かいました。この日は気温が上がり汗ばむような陽気でした。ホテルに到着後は一旦お部屋に入っていただき、その後、観察機材を持って再集合して探鳥に出かけました。ホテル裏の橋の上からは当地を代表するアオバトの姿が多数見られ、木に群れる姿や飛翔する姿を見ることができました。その後は歩きながら探鳥し、針葉樹のてっぺんで鳴くニュウナイスズメ、芝生で採食しているキセキレイなどが見られましたが、なんと針葉樹のてっぺんでのんびり羽繕いをする真っ赤なイスカの姿が見られ、しばらくの間じっくりと観察する幸運がありました。またホテルに戻る途中では梢で歌うオオルリが見られたほか、上空を飛翔するアマツバメも見られました。

 24日、天気予報が芳しくない中でしたが早朝は青空が見える中、旭岳に向かいました。1時間ほどで現地に到着するとややモヤがかかってはいるものの、視界はギリギリ保たれているようでした。06:30のロープウェイに乗って姿見駅まで行き、そこからは残雪の上を歩いてギンザンマシコの観察ポイントに向かいました。時より視界不良になる中でしたが、幸い早速ギンザンマシコのオスが複数回現れてその姿を楽しませてくれました。また付近ではノゴマ、カヤクグリの姿もありました。1時間ほど過ぎた頃にはオスとメスが同時に現れてくれ、その後もオス個体がハイマツの上に乗ってくれ、その姿を楽しむことができました。そのため1時間半ほどでターミナルに戻るお客様もいらっしゃり、我々は結局10:00を最終として観察を終了しました。終了間際にもオス、メスが揃って出現し、最後の最後まで楽しませてくれ、ほかにもシマリスやウサギの姿も観察することができました。10:30のロープウェイで下山しましたがちょうどこのころから小雨模様となり、出発後はかなり激しい雨になったとのことでした。ここからはサロベツまでの長距離移動となり、途中休憩を挟んで4時間ほどかかって原生花園に到着しました。到着時は霧雨でしたがそれほど気にするほどではなく、まずは周辺で巣立ったばかりと思われるノビタキのヒナを複数観察し、原生花園内では期待されたツメナガセキレイの姿はなかったものの、コヨシキリ、チュウヒ、オオジュリンなどが見られました。その後は近くになる池に立寄り、繁殖中のアカエリカイツブリを観察することができました。やや時間が押してしまいましたが雨がほとんど降っていなかったことからサロベツ原生花園に向かい、僅かな時間ながら観察をすることにしました。毎回シマアオジが観察されている場所に向かうと、早速シマアオジのさえずりが聞えたため見てみると、やや距離はあったものの体を反らすような独特の姿勢で歌い続けるシマアオジの姿があり、僅かな時間ながらその姿を見ることができました。

 25日、深夜に激しい雨音がしたため何度が目が覚めましたが、起床時には幸い雨はほとんど気にならないレベルでした。この日は朝食前に再びサロベツ原生花園に向かい、霧雨模様の中でまずは旧ビジターセンター前に向かいました。ここではさえずるオオジュリン、そして昨日見ることができなかったツメナガセキレイの姿を見ることができましたが、残念ながらここではシマアオジの姿はありませんでした。その後は昨日、シマアオジを観察したポイントに移動し、コバイケイソウに止まってさえずるホオアカ、飛翔しながら鳴くオオジシギ、そしてこの時間でもさえずるシマアオジの姿を見ることができました。今年は3個体がさえずっているようで特に美しい羽色のオスのさえずりが草原内に響き渡っていました。観察は11:00までとし、その後は羽幌港まで移動することにしていましたが、出発時には雨が激しくなり結果的には良いタイミングで出発することができました。羽幌港到着後は各自昼食の時間とし、その後は荷物をまとめてフェリーに乗船して天売島を目指しました。ただこの日は波が高く、激しくしぶきがかかる状況となる中、海水を避けるようにしてウトウ、ケイマフリを観察しました。特に天売島到着直前は波が高く、宿の方からは「よく船が出たね」と言われるほどでした。到着後はバスにて赤岩展望台に向かい、強風の中、海面を眺めてみました。ウトウ、ケイマフリ共に思ったほどの個体数は見られませんでしたが、幸いにも海上に浮いている3羽のウミガラスの姿を見ることができ、ほかにもノゴマ、アオジ、アマツバメなどが見られました。その後は一旦宿に戻って夕食をいただき、19:00には再出発してウトウの帰巣風景を観察に出かけました。この日は曇り空の下でしたが、早々にウトウの帰巣が始まり1時間ほど圧倒されるようなダイナミックな帰巣風景を眺めることができました。たまたま前日は霧で視界不良だったそうで、この日は好天ではなかったですが幸運でした。

 26日、この日は早朝に漁船クルーズを予定していたため昨日の強風が残っていないか心配でしたが、早朝には風は収まっており波も穏やかになっていました。ただ島の北側は波があるとのことで、今回は島の南側を航行して赤岩付近に向かいました。使用できる漁船が一隻しかないため2度に分けての運航となりましたが、ウトウ、ケイマフリはかなりの個体数を間近に観察することができました。また最大の目的であったウミガラスは飛翔する姿を頻繁に観察することができ、断崖にある巣への出入りも頻繁に見られたことから繁殖が進んでいるようでした。また着水している姿も間近に見られ、漁船クルーズの利点を活かした観察ができました。さらには06:50頃からは周囲を飛び回る夏羽のツノメドリの姿を観察する幸運もありました。クルーズ後は朝食をとり、その後は天売島在住の写真家、寺沢孝毅氏の写真作品を見ることができる海の宇宙館に立ち寄り、見学や買い物などを済ませてから羽幌港に向けてフェリーに乗船しました。羽幌港到着後は休憩を取りながら千歳空港に向かい、17:00に飛行機プランと現地発着のお客様をお見送りし、その後はフェリープランのお客様と共に苫小牧フェリーターミナルに向かい3時間ほどのフリータイムの後、22:30に乗船しました。

 27日、帰りの航路は早朝の時間帯が重要なため04:00起床、04:30から観察を始めました。この日は往路とはうって変わって穏やかな日となり好天無風、海上はほぼベタ凪状態でした。早くもコアホウドリ、クロアシアホウドリが次々に現れ、早朝は特にコアホウドリの姿が目立ちました。05:00にはアカアシミズナギドリが2個体現れ、05:15にはしぶきをあげながらイシイルカが複数現れ盛り上げてくれました。また05:20には3個体のアカエリヒレアシシギの小群が飛び、遠くをシロエリオオハムが飛んでいきました。06:15には着水しているオオミズナギドリの群れが飛び立ち、06:25にはたまたま通りかかった漁船にまとわりつく30個体ほどのクロアシアホウドリの姿がありました。06:40からはしばらくの間、カマイルカが船体に接近して楽しませてくれ、07:40にはフルマカモメ、10:20には再びオオミズナギドリとカマイルカの採食行動が見られました。そして11:40には着水している2個体のオオトウゾクカモメが見られ、その後はコアホウドリ、クロアシアホウドリ、オオミズナギドリ、カマイルカなどを見ながら金華山沖を過ぎた14:00まで観察して終了しました。

 今回は天気の変化の大きい4日間でしたが、主な目的であったシマアオジ、ギンザンマシコ、ウミガラスの姿をじっくり観察することができたほか、ノゴマ、ツメナガセキレイ、オオジュリン、オオジシギ、ウトウ、ケイマフリ、また真っ赤なイスカや天売島初記録となるツノメドリに出会う幸運もあり、フェリープランでの観察種を含めると計80種を観察することができました。移動距離が長くお疲れだったことと思いますが、さまざまな種を観察することができた4日間でした。今回特別に同行いただいた宮島仁さん、ありがとうございました。そしてご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

 石田光史

ヒメシロハラミズナギドリ 撮影:内田将司様

 

シマエナガ 撮影:内田将司様

 

ウミガラス 撮影:宅間保隆様

 

イスカ 撮影:高木信様

 

ケイマフリ 撮影:内田将司様

 

シマアオジ 撮影:宅間保隆様

 

アオバズク 撮影:内田将司様

 

ツメナガセキレイ 撮影:宅間保隆様

 

ウトウ 撮影:内田将司様

 

イスカ 撮影:宅間保隆様

 

シマリス 撮影:内田将司様

 

ギンザンマシコ 撮影:宅間保隆様

 

クロアシアホウドリ 撮影:内田将司様

 

ツノメドリ 撮影:宅間保隆様

 

コアホウドリ 撮影:内田将司様

 

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