【ツアー報告】奥日光ハイキング 2015年11月17日

(写真:アオシギ 撮影:園村茂夫様)

恒例となっている晩秋の奥日光を巡る日帰りバスツアー。数ある日帰りバスツアーの中でも移動距離が長く、探鳥時間を確保するために集合時間を早めに設定していますが、皆様お早めにご集合いただけていることから予定通りに東京駅前を出発することができました。この時期は紅葉目当ての観光客も減り、林の中は閑散としていますが、だからこそ鳥を見るにはもってこいです。昨年は小雪が舞う中での探鳥だったことから天候や寒さが気になるところでしたが、今年は天候も良く穏やかで寒さを感じることもない最高のコンディションになりました。

 13日、予定通り07:30に東京駅前を出発し途中一箇所の休憩を挟みましたが、今回は思った以上に順調にバスは進み3時間ほどで最初の目的地に到着しました。いろは坂周辺は例年よりも紅葉の終わりが早かったようで、紅葉見物は今ひとつでした。到着後は観察機材の準備をしていただき、周辺を歩いて探鳥しました。ここでは主にカラ類に期待しましたが声はあまり聞こえず、逆にあまり期待していなかったツグミの姿があり、早くもナナカマドの実をついばんでいました。しばらく観察しているとコガラの声が聞こえるようになり、付近にあった枝先の実をせっせとついばんでいました。またアオゲラの姿も僅かながら見ることができました。周辺を歩くとヒガラの姿もあり、一度飛び去ったツグミが再びナナカマドの実にやってきました。さらに歩いて行くと地上で餌を採るコガラ、「フィッ、フィッ」と元気よく鳴くゴジュウカラが見られ、林の中ではアトリの群れが一斉に飛び立ちました。その中のいくつかの個体は川べりの木に止まったことから望遠鏡を使ってじっくりと観察することができました。オスは鮮やかな橙色が美しく、一斉に飛び立って移動して行く様子は見応えがありました。またここでもナナカマドに群れるツグミの姿があり、エナガの姿を見ることもできました。その後は一旦各自昼食としましたが、我々が昼食を食べていることを察知したのか、どこからともなくサルが集まってきました。ただ、サルたちは付近にあったズミの実を食べるばかりで、我々の姿には無関心なようでした。その後は場所を移して探鳥しましたが、二箇所目の探鳥地を若干変更することにしました。ここでは雑木林から川沿いを歩きました。ツアーでは細い木道を歩くことはなるべく避けていますが、僅かな距離だけ歩いてみることにしました。ここでは早速カワガラスの姿があり、穏やかな日だったことからさえずりを聞くことができました。また頻繁に潜水して餌を探す、カワガラス独特の行動をじっくりと観察することもできました。またカワガラス観察中には数回に渡ってキバシリの姿を見ることができ、ジグザグを描くように幹を登って行く姿を観察することができました。そして最後にようやく地味なアオシギに出会う幸運がありました。渓流の中洲に佇んでいるその姿はいるとわかっていても思わず見失ってしまうほどの保護色で、全員で観察し終えるにはけっこうな時間を要しました。ただ体を上下に揺らしながら採食する独特の行動も見ることができ、ちょっとした盛り上がりになりました。帰り間際にはなぜか木の幹でじっとしているゴジュウカラの姿を望遠鏡でじっくり観察することができたほか、せっせと餌を探し歩くカワガラスの姿を間近に観察することもできました。今回目的にしていたコガラ、ゴジュウカラ、キバシリ、アオシギ、カワガラスといった冬季に平地で越冬しない野鳥たちを全て見ることはできましたが、時間があったことから予定通り最後にもう一箇所行くことにしました。ここでもカワガラスは愛想よくその姿を見せてくれ、カラマツの実にやってきたマヒワの姿もありました。そして薄暗くなってきた遊歩道脇ではズミに群れるツグミ、そして最後はまたまたキバシリの姿を見て観察を終了しました。

今年は天候にも恵まれ、風もなく穏やかな中で探鳥することができました。穏やかだったことから寒さを感じることもほとんどなく、目的にしていたコガラ、ゴジュウカラ、キバシリ、アオシギ、カワガラス、さらには冬鳥として渡来したツグミ、アトリも見ることができました。冬鳥の渡来状況は年によって大きく変動することから、こういった時期にツグミやアトリと出会えることには嬉しく思いました。また奥日光を代表するキバシリ、アオシギ、カワガラスの姿を見る機会に恵まれ幸いでした。皆様お疲れ様でした。

石田光史

2016年11月16日発 アオシギに会いたい!奥日光ハイキング 日帰り

キバシリ 撮影:園村茂夫様

キバシリ 撮影:園村茂夫様

 

カワガラス 撮影:園村茂夫様

カワガラス 撮影:園村茂夫様

 

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