【ツアー報告】キクイタダキに会いたい!7月の富士山五合目 2017年7月21日

(写真:ウソ 撮影:藤塚譲二様)

東京でも30℃超えがさほど珍しくなくなってくる季節。これほど暑くなるといよいよ国内でのバードウォッチングはもう行く場所がなかなか見つからなくなってきます。そんな時期はとにかく涼しい場所に行って、のんびり過ごしながら鳥たちを見ようというコンセプトの元に企画されたのがこの日帰りバスツアーです。この日は東京の最高気温は32℃ですが、富士山五合目は14℃と信じられないような気温です。早朝の東京駅前は快晴でこれから気温が上がることは容易に想像がつきました。

 21日、08:00に東京駅を予定通りに出発日して、まずは途中にあるサービスエリアに向かいました。サービスエリアまでの1時間はバス車内にてこの日に見られる可能性が高い種についての解説を行い、予習をしていただきました。サービスエリアではさすがに暑さが増していて、コンクリートの照り返しも手伝ってむっとするようでした。高速道路を降りた後は有料道路を走って五合目を目指しました。今年の夏は910日までマイカー規制がなされているため個人的に五合目に行くことはなかなか面倒ですが、観光バスを使用すれば乗り換えなどはなくスムーズに五合目にたどり着くことができます。はじめは富士山頂を見ることはできませんでしたが、この頃からはその頂きを見ることができるようになってきました。カーブを曲がるごとに霧のエリアと晴れのエリアが交互にやってくる状況でしたが、到着した五合目は快晴で思ったほどの肌寒さはありませんでした。まずはトイレに寄っていただき必要なものをもっていただき歩き始めました。わずかな道のりですが、その間にもヒガラ、メボソムシクイ、ルリビタキの声が聞こえ、到着間際にはキクイタダキのさえずりも聞こえました。観察の準備中にすでにウソ、ルリビタキが水浴びにやってきてくれ、晴天のためかその後もほぼ途切れることなく小鳥たちが水場にやってきてくれました。午前中のうちに早くもホシガラスが現れてバッサバッサとダイナミックな水浴びを見せると、たまたまやってきたキクイタダキが順番待ちする状況になりました。またルリビタキはメスと若いオスの2個体が交互にやってきてくれました。そしてこの日の午前中のハイライトは同時に4羽現れたカヤクグリで、このような光景は初めてみました。午後からは新たにヒガラ、コガラ、メボソムシクイがコンスタントにやってきてくれ、ヒガラは白い部分に黄色みがある幼鳥数羽がやってきて賑やかでした。一通りの種が観察できたことから14:00からは遊歩道を歩いてみました。針葉樹の梢ではルリビタキがさえずり、ここでもヒガラの幼鳥が見られました。水場に戻るとここまで見られていなかったブルーが鮮やかなルリビタキのオス個体がやってきてくれ、これでほぼ全てが見られたことになりました。主役のキクイタダキはそれほどコンスタントには水場にやってきませんでしたが数回見ることができ、普段なかなか見る機会がない頭頂部の黄色い斑、さらにはオスに見られる赤い斑も見ることができ、僅かな時間ながらさまざまな高山鳥を観察することができました。午前中は半袖でもなんとかなりましたが、午後からはやや風が吹いてきたことからフリースを着ないと耐えられないほどの肌寒さでさすがに富士山五合目といった1日でした。

 下界を離れてとにかく涼しい場所で過ごすことをコンセプトにした富士山五合目ツアー。今回は晴天ということもあり、ほぼ途切れることなく高山鳥が水場にやってきてくれました。主役のキクイタダキにはじまり、ホシガラス、ルリビタキ、メボソムシクイ、ウソ、カヤクグリ、またヒガラ、コガラの姿もありました。ここ数年は8月下旬の天候が悪いことが多く、そのため今期は7月末から8月初旬のみの企画としましたがまずは良いスタートが切れました。皆様お疲れ様でした。

石田光史

キクイタダキ 撮影:宅間保隆様

 

カヤクグリ 撮影:藤塚譲二様

 

ルリビタキ 撮影:宅間保隆様

 

メボソムシクイ 撮影:宅間保隆様

 

キクイタダキ 撮影:宅間保隆様

 

ウソ 撮影:宅間保隆様

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