【ツアー報告】ヤドリギに群れるレンジャクに会いたい! 2024年3月13日

(写真:ヒレンジャク 撮影:上田恵様)

冬鳥と呼ばれる野鳥たちは毎冬必ず渡ってくるわけではないため、バードウォッチャーにとってはこの冬に見られるのか見られないのか気になるものです。その代表種ともいえるのが今回タイトルにもなっているレンジャクの仲間。日本では主に2種が知られていますが、いずれも独特の風貌、さらにはヤドリギとの共生という特徴などから毎冬注目されています。毎年、11月中下旬には北海道各地から飛来情報をいただいており、この冬は早い段階から飛来情報があったため期待していました。この日は幸いにも前日の雨は上がり、天気予報は晴れとのことでしたが「赤城おろし」の上州からっ風が吹き荒れるという厄介な予報が出てしまいました。

13日、この日の東京都内は早朝から快晴といった感じでしたが、早くも強い風が吹き前日よりもかなり寒い朝でした。ただご集合は予定よりもやや早く完了したため、ほぼ予定通りに東京駅前を出発して群馬県に向かいました。移動中は主にレンジャク類の生態の話をはじめ、この日に見られそうな鳥の解説、そして前日の現地の様子などを話しながら進みました。ただ風は強まる一方でバスが揺れるほどの強さになっていました。途中休憩を挟んでも2時間ほどで現地に到着した後は各自、観察機材の準備をしていただいてから観察を開始しましたが、すでに駐車場付近のヤドリギには複数のヒレンジャクの姿がありました。強風のため木々が大きく揺れていましたが、それでもヒレンジャクは元気に飛び回っていて間近にあるヤドリギにとりついている個体もじっくり観察することができました。観察後は次のヤドリギを見てみることにしました。ここではわずかな数でしたが同様にヒレンジャクの姿を見ることができ、付近ではツグミやシメが地上採食を繰り返していました。さらに進むとかなりの数のシジュウカラが群れで行動していて、次のヤドリギのポイントでもかなりの数のヒレンジャクを見ることができました。ここでは実際に群れている様子や地上に落ちているヤドリギの実をついばむ姿も見ることができました。戻る途中ではアカゲラが飛んできて木の低いところに止まり、その後は地上に降りて餌を探している様子を見ることができ、さらにはアオゲラもやってきてくれたったため望遠鏡を使って観察することができました。さらには嘴の色が鉛色に変わりつつあるシメ、そして4羽で地上採食しているイカルも見ることができ、その後はお昼を過ぎたことから一旦、昼食の時間としました。昼食後は残る1カ所のヤドリギのポイントに行ってみました。ここでは数こそ少なかったもののヒレンジャクが見られ、ここでも地上に降りて採食する姿が見られ、戻る地中には数羽のビンズイがやってきて木に止まり、強風に飛ばされるかのように2羽のチョウゲンボウが飛んでいく様子も見られました。その後は山麓の公園に向い、ここでは池でカルガモ、マガモ、コガモが見られ、川沿いの草地ではカシラダカの姿がありました。また芝生広場ではツグミが群れ、桜の木に止まる数羽のアトリが見られ、オスは頭部が真っ黒い夏羽に変わっていました。そして最後は強風が吹き荒れる中、池に向かいアメリカヒドリを探しましたが、この日は強風のため湖面が大きく波打ち、残念ながらアメリカヒドリに出会うことができず、ハシビロガモ、カンムリカイツブリ、ミコアイサなどのカモ類、そして最後はけたたましく鳴くオナガの群れを見て探鳥を終えました。終日、快晴でしたが強風のため寒さが厳しい1日でした。

この冬は早い段階からレンジャク類の飛来情報があったことから期待していましたが、その期待通りにレンジャク類が渡ってきてくれたようで、この日はキレンジャクに出会うことはできませんでしたが、数多くのヒレンジャクを堪能することができ、ほかにもアトリ、シメ、イカル、アカゲラ、アオゲラ、カケス、カシラダカ、シロハラ、ミコアイサなどを見ることができました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。またご一緒できましたら幸いです。

石田光史

ヒレンジャク 撮影:長崎倶久様

 

ヒレンジャク 撮影:木村和子様

 

アカゲラ 撮影:上田恵様

 

カケス 撮影:長崎倶久様

 

アオゲラ 撮影:上田恵様

 

アトリ 撮影:長崎倶久様

 

イカル 撮影:上田恵様

 

カシラダカ 撮影:長崎倶久様

 

ビンズイ 撮影:上田恵様

 

ヒレンジャク 撮影:長崎倶久様

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