【ツアー報告】日本最大のガンの越冬地 伊豆沼と蕪栗沼・化女沼(追加設定) 2018年11月15日~16日

(写真:カリガネ 撮影:小方康司様)

晩秋の頃に絶対外せない探鳥地といえば、今や12万羽とも13万羽ともいわれるガン類が越冬する日本最大のガン類の越冬地である宮城県の伊豆沼周辺でしょう。今年も週末利用の2日間で企画しましたが、おかげさまで追加設定となったため木曜日、金曜日に追加設定することになりました。このツアーではマガン、ヒシクイ、ハクガン、シジュウカラガン、カリガネのガン類5種を観察することを中心に、圧倒的なスケールを誇る早朝の塒立ちと夕方の塒入り風景を観察することを目的としています。ただ、探鳥地のほとんどが干拓地、農耕地であるため細い道を走らなくてはならないこと、また通行の妨げにならないように、さらには撮影も可能なよう小型車を利用して7名様限定の少人数ツアーとしています。

15日、この2日間は天候は良いとのことで早朝の東京駅は快晴でした。ひとまず東北新幹線でくりこま高原駅に向かいました。伊豆沼は東北自動車道でストレートに行けるものの東京から車で行くと意外に遠い探鳥地なのですが、新幹線で行くと2時間半ほどで到着することができ、到着後は現地集合のお客様と合流してからまずはホテルに向かいました。今回のツアーは小型車利用の7名様限定ということで、荷物を収納するスペースが限られています。そのためできるだけ車内を広く使えるよう、探鳥に使わない物をホテルに預けてから出発としました。この日はまず伊豆沼が一望できる場所に向かいました。その昔、この場所は市民の憩いの場のような場所だったこともあり、今でも人から餌をもらおうとオナガガモが近づいてきます。この冬はカモ類がかなり少ない印象で、オオハクチョウ、マガモ、カイツブリが僅かに見られただけでした。湖面にはマガンの姿があり、その中には2羽のオオヒシクイも見られました。この日はカリガネを探すため移動し、一旦トイレ休憩をとった後は農道を走りながらカリガネの姿を探しました。幸い小型車利用のためかなり細い道も走ることができ、細部にわたって探すことが可能でしたがこの日はいくつもいくつもマガンの群れは見つかるものの、その中にカリガネの姿はなく、次第に時間がなくなってきてしまいました。ただやや時間オーバーしながらも最後に訪れた干拓地で再びマガンの群れが見られ、ようやくその中にカリガネの姿がありました。そのためひとまず車を止めて車内から観察していると、これといって警戒している様子がなかったことから車を降りて少しずつ近づいてみました。すると最終的には20mほどまで近づくことができ、望遠鏡を使ってじっくりと観察することができました。その後はこの後の寒さに備えて防寒装備を見直してから塒入りポイントに移動しました。到着すると早速電線にはコチョウゲンボウの姿があり、チュウヒがヨシ原上を飛翔していました。日没を迎え西の空がみるみる赤く焼ける中、各方向からガンたちが飛来し、中には20羽ほどのシジュウカラガンの群れもやってくるなど、圧倒されるような塒入りシーンを1時間弱楽しんで真っ暗になった17:00には観察を終了しました。

16日、この日は早朝に塒から飛び立って行くガンたちの様子を観察するためホテルを出発しました。幸い空は明るくほぼ快晴でした。この場所は日の出観察に有名な場所のため、早朝にはかなりの数のカメラマンがやってきます。ただこの日は平日ということもあり場所に困るほどではありませんでした。到着すると見る見る東の空が赤くなり出し06:20にはやや雲がある中、見事な朝日が昇り、湖面にいるマガンたちがいくつかの群れにわかれて餌場に向かって飛んでいく美しい光景が見られました。一旦朝食に戻った後はシジュウカラガンの群れを探して移動しましたが、まずは途中にあるダム湖に立ち寄りました。この冬は小鳥類の気配がなく残念でしたが、林からはカケスの声が聞かれ、フワフワと飛翔する姿も見ることができました。またダム湖のカモ類もやや少ない印象がありましたが、カルガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、ミコアイサ、そしてカンムリカイツブリの姿もあり、オオハクチョウの親子がダム湖から飛び立っていく様子も見られました。その後は干拓地を走りながらシジュウカラガンの姿を探しました。ただこの日は全体をめぐってみたもののその姿はなく、そのため範囲を広げて探してみましたが残念ながらマガンの群れに出会ったのみでした。少々早く戻ってきてしまったことからその後は周辺を歩いてみることにしました。駐車場付近の草原ではモズの姿が逆光に輝き、オオジュリンに出会ったり、ベニマシコの声も聞かれました。亜種オオヒシクイが群れるポイントまでやってくると、昼寝中のヘラサギの姿があり、時折特徴的な嘴を見せてくれました。またこの日はかなり小型の個体がいたことから望遠鏡で見てみると亜種オオヒシクイに混じって1羽の亜種ヒシクイの姿があり、嘴の長さの違いなどを見ることができました。また池ではオオハクチョウに混じってコハクチョウの姿があり、カモ類も少ないながらヨシガモ、ホオジロガモに出会うこともできました。その後は一旦昼食の時間とし、青空を飛翔するハイタカを見てから再びカリガネを観察してから再び周辺をめぐってみました。ここでは数千羽単位のマガンの群れがいたことから観察していると、その中に10羽ほどのシジュウカラガンの姿があり、しばらくするとどこからともなくハクガンが飛んできたのをお客様が見つけてくださいました。この個体は美しい成鳥個体でしたが残念ながらすぐに飛び去ってしまいました。ただハクガンが飛び去った方向を探してみると、たまたま30羽ほどのシジュウカラガンの群れに出会うことができ、最後には水田に残った9羽の群れがあまり警戒することなく採食行動してくれたため、かなり近い距離から観察することができました。気がつくとそろそろ塒入りの時間になることから準備をすることにしました。ただこの日は西の空には雲が多く、美しい日没を見ることはできませんでしたが、延々と続くガンたちの塒入り風景を見ながら探鳥を終了しました。

さて今回は16日の夕景が厚い雲によって邪魔される残念な部分はありましたが、2日間を通してほぼ快晴の中で探鳥することができました。ハクガンはじっくりと観察することができず残念でしたが、マガン、ヒシクイ、シジュウカラガン、カリガネと5種のガン類が出そろってくれ、幸運にも亜種ヒシクイと亜種オオヒシクイを見ることができました。またヘラサギ、ヨシガモ、チュウヒ、コチョウゲンボウなどにも出会うことができ、最大の見どころである早朝のガンたちの塒立ち、そして夕方の塒入りを堪能することができました。こういった観察はとにかく成果が天候によって左右されるため晴天だったことは特に幸いでした。今後も通行の妨げにならないよう、そして干拓地の隅々までガン類を探せるよう、また撮影等しやすいよう小型車利用の少人数ツアーを軸に伊豆沼周辺での探鳥ツアーを企画してまいります。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

シジュウカラガン 撮影:松島雅之様

 

オオハクチョウ 撮影:箕輪篤子様

 

ガン類の塒入り 撮影:小方康司様

 

コチョウゲンボウ 撮影:松島雅之様

 

ヒシクイ 撮影:箕輪篤子様

 

ハクガン 撮影:小方康司様

 

月とマガン 撮影:松島雅之様

 

月とマガン 撮影:箕輪篤子様

 

カリガネ 撮影:松島雅之様

 

シジュウカラガン 撮影:箕輪篤子様

 

ガン類の塒入り 撮影:松島雅之様

 

オオハクチョウ 撮影:箕輪篤子様

 

日の出の風景 撮影:箕輪篤子様

 

カリガネ 撮影:箕輪篤子様

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