【ツアー報告】冬の琵琶湖で一日60種観察にトライ! 2019年1月19日

(写真:コチョウゲンボウ 撮影:川井れい子様)

数少ない大阪発の日帰りバスツアーは毎年冬恒例となっている琵琶湖の湖北をめぐります。当地は比較的天候が悪いことが多く、過去には大雪に見舞われて十分に観察ができないどころか、バスが進まず四苦八苦したこともありました。ただ今回は天気予報によると快晴の一日になるとのことでした。予想されるさまざまなトラブルを回避する意味から、私は前日に大阪入りして当日を迎えました。早朝の大阪駅前は寒さもほとんどなく、空は見事な快晴でした。

19日、出発予定は08:30でしたが、皆様のご集合が早めだったことから08:20にはご集合が完了し10分ほど早く出発することができました。これといった渋滞はなくバスは順調に進み、バス車内ではこの日に見られそうな野鳥たちの解説を行い、その後はサービスエリアで休憩をしてから湖北を目指しました。途中、やや雲が出る時間帯もありましたが、到着時は再び快晴となっていて、車窓からは早速、畑地で採食するミヤマガラスの群れが見られました。到着後はまず観察機材の準備をしていただいてから現地ガイドの池田さんと合流し、たまたま枯れ木に止まっていたオオワシを望遠鏡で観察しました。その後は湖畔から湖面を眺めてみました。例年に比べるとカモ類の数が少ない印象でしたが、浅瀬にはヒシクイの群れやカワアイサの姿があり、よく見ると1羽のマガンの姿もあり、周辺の枯れ木にはカワセミやモズが止まっていました。また対岸の枯れ木に止まっているクマタカが見られ、湖面にはマガモ、カルガモ、コガモ、そしてホオジロガモ、ウミアイサ、カンムリカイツブリ、遠くのテトラポットの上にはカモメ、ハマシギの姿も見られ、見事なコハクチョウの飛翔が花を添えてくれました。探鳥後は一旦バスまで戻って各自昼食をとっていただき、その後はオオワシをより近くから観察できる場所があるとのことでバスにて移動しました。周辺にはオオワシを観察、撮影する人がたくさんいて驚きましたが、幸いオオワシは枯れ木にじっと止まっていてくれたため望遠鏡を使ってじっくりと観察することができました。その後は前日の下見時にかなりの数のトモエガモが見られたという池に向かいました。到着するとこの場所に関しては過去最大数ではないかと思うほどのカモ類の姿があり、双眼鏡で見てみると数多くのマガモ、オナガガモ、コガモに混じるヨシガモの姿もかなり見られ、さらには200~300羽ほどのトモエガモが群れていて驚きました。また間近にミコアイサの姿もあり、美しいオス個体とメス個体がそれぞれ2個体ずつ見られました。また観察していると枯れ木のてっぺんにコチョウゲンボウのオスが止まっていて驚かされました。そして最後はビオトープへ。この冬は小鳥類が少ない印象があり各地からも同様の情報があったため心配でしたが、ここではカシラダカの声が聞こえ、見てみると枯れ木に止まっていました。またよく見るとミヤマホオジロのオスも止まっていたため驚きました。また周囲のヨシ原にはホオジロの姿が多く、電線にはムクドリの群れやツグミ、モズの姿もありました。また電柱に止まっていたチョウゲンボウが何度か飛び立っては地上に止まったり、電柱に止まったりして楽しませてくれ、スズメの群れに混じる1羽のニュウナイスズメのメスも見つかりました。見る見る日が傾いていく中、ほかにもカワラヒワやベニマシコ、そして枯れ木にじっと止まっているノスリを観察してこの日の探鳥を終了しました。ふと見ると湖北では珍しいという見事な夕景が輝いていました。

おかげさまで今年の冬の琵琶湖は快晴無風という穏やかなコンディションでまるで春のような一日で幸いでした。これといった珍鳥との出会いはありませんでしたが、当地の名物となっているオオワシをじっくりと観察することができ、数百羽のトモエガモの群れをはじめとした色鮮やかなカモ類は見事でした。またふいに現れた美しいコチョウゲンボウのオスの姿は印象的でした。この冬は小鳥類が少ないようで心配でしたが、皆様のご協力もあり一日の探鳥ながら計63種の野鳥たちに出会うことができました。ガイド役の池田さん、そしてご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

石田光史

オオワシ 撮影:藤塚譲二様

 

チョウゲンボウ 撮影:藤塚譲二様

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