【ツアー報告】ヤドリギに群れるレンジャクに会いたい! 2020年3月3日

(写真:ヒレンジャク 撮影:八木橋一博様)

このツアーでメインとなるレンジャク達の飛来情報は昨年と打って変わり、今シーズンはあちこちから聞かれていました。昨日の雨模様から一転快晴の天気となりましたが、折からの新型コロナウイルス感染拡大もあり予定よりやや少ないお客様をお迎えしました。最初に感染予防のため、バス乗車の際消毒液での手洗いや車内マスク着用をお願いしました。皆様時間通りに集合していただいたため予定より早く東京駅を出発、途中レンジャクをはじめとする本日出現しそうな主な鳥達について説明いたしました。バスは大きな渋滞もなく準調に進み、目的地に近づくにつれ快晴の中浅間山・榛名山・谷川連峰・赤城山等が雄大な姿を現し、最初のポイントに到着しました。

到着後観察機材を準備していただいていると、駐車場から数十メートルほどの距離にヤドリギが沢山付いた大きなエノキがあり、さっそくレンジャクがいるのが確認されました。この木に近づくと15羽ほどのヒレンジャクがヤドリギの実を食べたり休息したりしており、かなり近い距離からじっくりと観察できました。昨年レンジャクに会えず2年越しでの対面に感動されるお客様もおり、到着早々一気に盛り上がりました。この場所でしばらく観察を続けた後、群れの大部分が池方向に飛び去りました。レンジャクは頻繁に水を飲むため、池に移動しましたが短時間で池周辺から飛び去ってしまいました。その後林の中を歩きツグミやシメを見た後、公園の西奥にある大きなエノキでも数羽のヒレンジャクが観察できました。最後に池の北側にあるカメラマンが集まっているポイント付近で、水を飲みに来たヒレンジャク数羽が飛来、また湖畔ではカワセミが観察できました。ヒレンジャクを十分楽しんでいる内に昼近くなり、天気も良好のため皆様屋外で昼食をとっていただきました。昼食中に一部のお客様がジョウビタキやビンズイを観察されました。昼食後は標高約900ⅿの山麓中腹にある次のポイントに移動しました。この周辺でも沢山のヤドリギが見られましたが、レンジャク達はすでに標高の低い場所へ移動しているのか姿を確認することはできませんでした。ただここではコガラ、ヒガラ、ゴジュウカラなど標高が比較的高い場所に生息するカラの仲間に出会うことができました。出発後は30分程山を下った最後のポイントとなる広大な公園に移動しました。公園内の池ではマガモ、コガモ、カルガモが混じり順光の中でマガモ雄の光沢ある頭部が大変美しく見えました。その後谷津環境に移動し、餌に群れるシジュウカラやヤマガラを観察後、下草の中で餌を探すカシラダカの群れを至近距離で、また頭が黒く胸も鮮やかなオレンジ色になっているアトリを観察することができました。16:00頃に観察会を終了、途中近くにある道の駅に立ち寄り機材整理や土産を購入していただき帰路につきました。

本ツアーの主目的であるヒレンジャクを今年は至近距離でじっくり観察することができました。毎年飛来が不規則で昨年のように出会うことができない年もありますが、目の前で観察すると冠羽や過眼腺のある特徴的な顔つき・息をのむ程美しい色の尾羽・愛らしい鳴き声・・・とまたシーズンになると会いたくなる鳥だと改めて感じました。このツアーにほぼ毎回欠かさずお越しいただくお客様がいらっしゃるのもうなずける気がしました。今回はレンジャク以外でも首都圏近郊ではなかなか見る機会が少ないコガラやヒガラなど標高の高い場所に生息するカラ類や夏羽に近いアトリなども観察できた1日でした。今回はツアーにご参加いただき誠にありがとうございました。

小島久佳

ヒレンジャク 撮影:大澤保男様

 

ジョウビタキ 撮影:木下雅智様

 

ヒレンジャク 撮影:永山直次様

 

カワセミ 撮影:八木橋一博様

 

シロハラ 撮影:大澤保男様

 

ヤマガラ 撮影:八木橋一博様

 

シメ 撮影:大澤保男様

 

カシラダカ 撮影:大澤保男様

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