【ツアー報告】海鳥北上期の大洗~苫小牧航路 2021年5月21日~23日

(写真:オオトウゾクカモメ 撮影:上野達雄様)

長らく企画しているこの大洗~苫小牧航路ですが、この5月に関しては久しぶりの企画となります。この時期はさまざまな海鳥たちが北上期を迎えるため、ちょうどこの航路上を通過しているはずです。特にこの航路で秋以外に見られるミズナギドリ類に関しては5種が全て観察できるのではないかと期待され、アホウドリ類3種、ヒレアシシギ類2種にも大いに期待できます。今回もすっかりおなじみになっているトラベルイヤホンを使用し、聞き逃し、見逃しが無いよう配慮しながらデッキ上の全員で海鳥の出現状況を共有しながら探鳥します。今回は出発日に関しては風が強く、小雨が降る状況ではありましたが、観察する土曜日日曜日は曇り予報ながら海況悪化はない予報の中での出発となりました。

21日、この時期としては蒸し暑く感じる大洗フェリーターミナルにご集合いただき、資料、トラベルイヤホンの配布、そして翌日の連絡事項をお伝えしてから、今回特別ゲストとしてご同行いただいた「新・海鳥ハンドブック」著者、箕輪義隆さんから簡単なご挨拶をいただき乗船しました。集合時は小雨が降っていましたが翌日の天気予報は曇り、海況の悪化もないだろうとのことでした。

*諸般の事情から詳しい出現現状況をウエブサイトでは公開しておりません。

久しぶりに企画した5月の大洗~苫小牧航路ツアーは、まさに海鳥北上期の見事な風景を見せてくれ、結果的には大きな成果を挙げることができました。アホウドリ類はアホウドリ、コアホウドリ、クロアシアホウドリが出そろい、アホウドリも10個体以上、コアホウドリに至っては3桁を数えました。ミズナギドリ類も5種出そろい、ハシボソミズナギドリ、ハイイロミズナギドリ、アカアシミズナギドリの黒いミズナギドリ3種に関してはその識別ポイントを実際に観察しながら学ぶこともできました。そして夏季に多いはずのオオトウゾクカモメがなぜかかなりの数が見られ驚かされたほか、この航路ではかなり珍しいシロハラトウゾクカモメ、クロトウゾクカモメも見られ、ヒレアシシギ類2種、カンムリウミスズメ、ハシブトウミガラス、ウトウ、さらには夏羽のシロエリオオハムの美しさも印象的でした。今回も「新・海鳥ハンドブック」著者である箕輪義隆さんにもご同行いただき、一緒に観察を楽しんだり、苫小牧フェリーターミナルでは1時間ほど時間をとって、今回は特に黒いミズナギドリ類3種の識別方法について解説していただき、貴重な時間を過ごすことができました。この後は11月の大洗~苫小牧航路にご同行いただく予定です。今後もトラベルイヤホンを使用し、瞬間的であることが多い海鳥との出会いに見逃しがないよう配慮しながら探鳥してまいります。またの機会、海鳥観察ツアーにぜひご参加ください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

クロトウゾクカモメ 撮影:上野達雄様

 

クロアシアホウドリとウミネコ 撮影:上野達雄様

 

ハイイロヒレアシシギ 撮影:上野達雄様

 

ハイイロミズナギドリ 撮影:上野達雄様

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