【ツアー報告】ハチクマの群翔に期待!五島列島・福江島 2021年9月21日~23日

(写真:ハチクマ 撮影:宅間保隆様)

21日、羽田からのジェットが福岡空港に定刻前に到着。福江島行きに順調に乗り換える。天候は晴れ。往路はいたって順調だ。夕方から寒冷前線の通過で一時的に崩れる模様。明日、明後日は早朝から晴れの予報で、ハチクマの渡りに期待大!初日の今日は午後からの探鳥。まずは田園地帯をまわる。ここは毎回福江島最初の探鳥地。ツアーの行末を占うようで緊張する。しばらく歩くとアジサシ類がパラパラと飛んでいる。沼アジサシ類だ。遠くを探すと電線に鈴なりになっている。接近する歩みが次第に足速になる。50羽程のクロハラアジサシに数羽のハジロクロハラアジサシが混じる。川で魚を獲るよりも畑で昆虫類を獲っているものが多い。アジサシが昆虫を餌にしているなんて初めて見たと感心されるお客様も。ここでは他にセイタカシギ、チュウジシギ、ツメナガセキレイ、ムラサキサギなどを観察した。次に向かったのは西部。途中、山中の道路沿いにプッポウソウの飛ぶ姿を確認した。大きな川沿いの田園地帯では数羽のツメナガセキレイが飛び回っているが、遠くて十分に観察できない。ここでは収穫少なくハチクマ1羽とミサゴ、イソシギなどを観察した。次第に空が真っ暗になってきて、雷も近くで連続して鳴り始めたため、早めに引き上げホテルに向かった。ホテル到着直後から激しい雷雨となり、その後竜巻注意報も出るほどだった。

22日、ツアー二日目は早朝から快晴。中秋の名月が空にかかる。早朝にホテルを出発。展望台を目指す。約1時間15分程の行程。バスで展望台まで登っていく途中、車窓の外に数羽のハチクマが帆翔し始める。期待に胸が膨らむ。バスから降りると同時に上空いっぱいに数百羽のハチクマのタカ柱が広がっていた。一同から歓声が上がる。頭上の迫力に圧倒され唸るしかない。暫し撮影タイム。タカ柱が空を埋め尽くすように広がった後、流れ始めた。我にかえり、灌木の中を通る短い階段を登り山頂を目指す。祈りの女神がお出迎え。到着後は次々と現れては東シナ海に向かって流れていくハチクマのタカ柱を全員で観察、撮影する。早朝は前日近辺の山々に羽を休めたハチクマが湧き上がるのを至近距離で見ることができる。大型の猛禽類なので凄い迫力で迫ってくる。今朝は今シーズン最多の群れのようだ。今回のお客様は強運の持ち主であるようだ!ハチクマ祭りも9時30分にはパタリと途切れてしまった。この後は今朝九州本土を出発した<本土組>の到着を待つかたちになる。早くて10時過ぎ頃から午後中心となるため、下山する事にした。次の場所では小鳥類には僅かに時期が早いためか?鳥の出が少なかった。シマアカモズ幼鳥、ツメナガセキレイ、コムシクイなどを観察し、気温が上がり非常に暑い中、休憩をとりながら昼食時間を待った。その後、昨日と同じ場所を周る。昨日同様、前者ではツメナガセキレイ、クロハラアジサシ、後者ではクロハラ、ハジロクロハラアジサシの群れを観察、最後にチュウヒを見てホテルに戻った。当日のハチクマの渡りは2.557羽、非渡り1,400羽強合計で約5,000羽を記録した模様。

23日、昨日と同じく午前中はハチクマ観察のため展望台を目指す。現地到着直後に大きな群れが渡って行く。ただ昨日とは違って8時過ぎ1,400羽程度が渡ったところで勢いがなくなり、途切れてしまった。今朝は風向きが昨日とは変わり北側遠くをハチクマの群れが流れているようだ。後はパラパラと通常のタカの渡り観察に戻った。今回の福江島全体に言えることだが、渡りの小鳥が非常に少なくオオルリ、キビタキ、エゾビタキ等は観察されず。まだ時期的に早いのだろうか、ムシクイ類、セキレイ・タヒバリ類、ホオジロ類などもほとんど観察されなかった。その代わり、島中多かったのがブッポウソウとクロハラアジサシだった。グランドではコムシクイ、カラスバトの声、サンショウクイの遠い姿を確認できた程度。昼食場所に向かった。ここは昨年秋、数多くのカラスバトが見られた場所。今回は飛びまわっておらず居ないのかと思われたが、一人のお客様が林奥で2羽の姿を確認された。昼食はアゴ(トビウオ)、五島美豚(ビトン)、ヒオウギガイ(ホタテ貝より味が濃い)、かんころ餅など地元の食材を使った炉端焼き。美味しく毎年たいへん好評をいただいている。昼食後は頑張ってバス道路向こう海岸の干拓地まで足を伸ばす。複数のツメナガセキレイはいるものの、やはり他のタヒバリ・セキレイ類等はいない。最後に今回我々の目をいつも楽しませてくれたクロハラアジサシを観察し、福江島ツアーを終了した。

波多野邦彦

ハチクマ 撮影:箕輪篤子様

 

ハリオアマツバメ 撮影:宅間保隆様

 

ハチクマ 撮影:箕輪篤子様

 

ハジロクロハラアジサシ 撮影:宅間保隆様

 

ハリオアマツバメ 撮影:箕輪篤子様

 

ツツドリ 撮影:宅間保隆様

 

クロハラアジサシ 撮影:箕輪篤子様

 

クロハラアジサシ 撮影:宅間保隆様

 

コムシクイ 撮影:箕輪篤子様

 

アマツバメ 撮影:宅間保隆様

 

シマアカモズ 撮影:箕輪篤子様

 

アカハラダカ 撮影:宅間保隆様

 

オオムシクイ 撮影:宅間保隆様

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