【ツアー報告】秋の渥美半島 田原湾と伊良湖タカの渡り 2019年10月3日~4日

(写真:チゴハヤブサ 撮影:小柳恵様)

長野県白樺峠からはじまった秋恒例のタカの渡り観察もいよいよ後半に入り、見ごろを迎えるのが今回訪れる愛知県伊良湖岬です。9月下旬から10月初旬のピーク期に合わせてツアー企画しており、今年はこれが2回目の催行になりました。ハチクマが多く見られることが特長の白樺峠に対して、比較的多くの種類、特に小型タカ類が多く見られるのが伊良湖岬の特長でしょう。ただ結果が天気に大きく左右されるのがタカの渡りの宿命という点はどこも同様です。今回は残念ながら台風が次第に接近する中、その進行状況を見ながらの出発となってしまいました。ただ台風は思ったよりも速度が遅く、コースも大きく日本海側に逸れて行くようでした。そのため数日前の天気予報は両日共に雨マークでしたが、出発直前には4日は次第に回復してくるという予報に変わりつつありました。

3日、現地の天気予報は曇りのち雨でしたが、朝の東京駅前は晴れ間が出ていました。ひとまず東京駅から新幹線に乗って豊橋駅を目指しました。途中、車窓からは曇り空ながらも薄日が射す様子が見られ、やや期待感が高まっていましたが、豊橋駅周辺はやはりどんよりとしていました。ここで現地集合のお客様と合流した後、専用バスで探鳥地道に向かい、到着後は各自昼食、そして観察機材準備をしていただきましたが、ちょうどこのタイミングでザッと雨が降ってきてしまいました。ただ、再出発時には雨は上がり、曇り空の中、まずは水田を歩きました。稲刈り後の畑にはスズメ、ムクドリが群れ、電線ではモズが鳴いていました。するとフワフワと飛んできたチョウゲンボウが我々の頭上を越えて電柱に止まりました。ここではノビタキを探しましたが、この日は残念ながらその姿はなく、途中でトイレ休憩をとってから漁港に向かいました。ここからは主に水辺の鳥、そしてオオアジサシを探しましたが残念ながらオオアジサシの姿はなく、やむを得ずしばらく探してみると5羽のオオアジサシが伊良湖岬方面に飛んだので、お隣の漁港に行って見ましたがその姿はなく、続けてさらに先にある漁港に行ってみました。すると遠くの杭に止まる50羽ほどのオオアジサシの姿を見ることができ、真っ黒く群れるカワウ、そして草原ではホオジロ、モズの姿があり、河口では2羽のムナグロの姿がありました。ただこの頃にはかなり空が暗くなってきて小雨が落ちてきてしまいましたが、少し時間があったことから最後に漁港付近の湿地帯に行ってみました。今年はカモ類、シギ類が極端に少ない印象でしたが、ここではカイツブリのほか、1羽のハジロカイツブリが見られ、ケリ、ハシビロガモ、サギ類の姿もありました。ただ雨が強くなってきたことからこの後はホテルに向かいました。幸い翌日の天気予報は朝から晴れに変わっていましたが深夜は強い雨と風で嵐のようでした。

4日、さすがに早朝は雨が残っているかなと思いながらもホテルの屋上に06:00に行ってみると薄曇りながらも所々に青空が見え、もう雨の心配はないといった感じでほっとしました。伊良湖岬は早朝に小鳥類が渡って行くことが多いのですが、この日も06:30にハクセキレイの小群が続々と渡り、トビが飛び交う中、アマツバメも複数渡って行きました。そんな中、06:45に海上から珍しくゆっくりとチゴハヤブサが接近してきて我々の頭上をヒラヒラと飛んでくれました。いつもはかなり高速で飛翔するのですが、たまたまじっくり見られてラッキーでした。07:05にはツバメの群れが湧き上がり、07:10には今度はアマツバメの群れがスイスイと飛翔しながら渡っていきました。07:15にはハヤブサが飛び、キセキレイも渡っていきました。07:30にはようやく10羽ほどのサシバの群れが渡って行き、07:40には再びアマツバメ、そして08:25には真下からチョウゲンボウが湧き上がって頭上を飛翔してくれました。08:40にはやや風が出てきたことからノスリがホバリングをはじめ、空中の1点にとどまるような見事な飛翔を見せてくれました。09:00には3羽のサシバが渡り、09:10にはミサゴが飛翔しました。その後は伊良湖岬の代名詞でもあるヒヨドリの群れの渡りを上から観察し、09:15にはようやくサシバが我々の頭上にやってきれくれました。その後はさらに風が強くなってくる中、09:20に再び2羽のサシバが渡り、10:30にはようやくハチクマが舞い上がり、付近には2羽のサシバが飛んでいたことから大きさの違いを確認することもできました。10:50には再びノスリがホバリングを繰り返し、餌を捕らえたハヤブサが飛び回りました。11:55にはまたチョウゲンボウが眼下から舞い上がり、12:00には餌を足に持った状態でトビが飛び回っていました。その後は見る見る空が青空に変わっていってくれたものの鳥たちの動きがかなり悪くなってきてしまいました。海上を見るとオオミズナギドリの大きな群れが海面に飛び込むように採食行動を繰り返し、最後の最後には伊良湖岬の主役であるチゴハヤブサが14:55に海上から接近して上空を飛び回るのを観察して16:00に探鳥を終了しました。

今回の伊良湖岬は前回同様に天気予報に翻弄された部分がありましたが、結果的には当初の日程の通りにツアーを運行することができました。台風接近のさなかではありましたが、幸いにも台風の進路が逸れたことから天気予報が大きく外れ、4日は早朝から見事な秋晴れになりました。結果的にはタカたちの大規模な渡り風景には出会えませんでしたが、伊良湖岬の主役であるチゴハヤブサが3回も間近に出現し、ハチクマ、サシバ、ミサゴ、ノスリ、ハヤブサ、チョウゲンボウといった顔ぶれが見られました。また初日は田原湾沿いの探鳥地を巡り、なんとかオオアジサシに出会うことができました。ただカモ類、シギ類が少なく、賑やかさに欠けてしまい残念でした。さて、秋恒例のタカ渡りツアーもこのツアーを持って終了となりました。飛翔するタカ類の識別はとにかく慣れが重要です。タカの渡りは秋のある一定期間しか見ることができませんので、今後も秋はタカの渡りを毎年ご覧いただければと思います。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

ヒヨドリの渡り 撮影:小林匠様

 

サシバ 撮影:中山司様

 

チョウゲンボウ 撮影:小柳恵様

 

ムナグロ 撮影:中山司様

 

サシバ 撮影:小柳恵様

 

チゴハヤブサ 撮影:中山司様

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