【ツアー報告】2つのプランで行く!秋の八戸~苫小牧航路 2024年10月30日~11月1日
(写真:ハジロミズナギドリ 撮影:冨川誠様)
長らく企画してきた大洗~苫小牧航路はここ数年、海鳥の出現状況が悪化するばかりで、しかも新造船就航の事情もあって、事実上、北航路の海鳥たちを観察するツアーを休止していました。ただ海鳥観察ツアーを企画してほしいという声は多く、そのためさまざま考えてみた結果、これまでにも秋に乗船していたシルバーフェリーに乗船するツアーを企画してみることにしました。待ち時間等を考慮すると、ややムダな時間ができてしまうものの、大洗~苫小牧航路の最もよい海域に絞って短時間で観察ができ、船が大型船ではないことから比較的近い距離感で海鳥が見られるのも魅力で、南航路では見られない海鳥たちが見られることはここまでの乗船で証明済みです。この時期はアホウドリ類3種、フルマカモメ、トウゾクカモメ、ウミスズメ、ヒレアシシギ類が見られ、ミナミオナガミズナギドリやハジロミズナギドリといった秋らしいミズナギドリ類に期待できます。また秋の渡り期のため、カモ類や小鳥類が見られることも特徴です。なにかと天気や海況が気になる時期ではありますが、今回は30日は曇りながら31日は晴れ、そして海況は両日ともに穏やかとの予報がでていました。
30日、07:00に八戸港フェリーターミナルに到着すると、真新しい建物が見え驚きました。しばらく来ないうちにフェリーターミナルがリニューアルされていたようで、まずは2階の待合室に行ってみました。真新しい待合室には売店があり、品揃えも良くありがたいなといった印象でした。08:00にご集合いただいた後は資料、トラベルイヤホンを配布し乗船しました。乗船後は一旦、部屋に入って観察機材準備に取り掛かり、その後はデッキから観察をはじめました。空は曇り空で霧雨が降ってはいましたが、風がないせいかそれほど厳しい寒さは感じませんでした。
*諸般の事情により詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しておりません。
北航路の海鳥観察ツアーとして20年ほど企画してきた大洗~苫小牧航路は、海鳥の出現状況が悪化するばかりでお客様に来ていただける状況ではないこと、さらには新造船就航の事情もあって休止していました。そのため今回初企画として八戸~苫小牧航路に2度乗船してみました。天気も海況もまずまずな中で探鳥ができたことはまず幸いでした。主役の一つだったミナミオナガミズナギドリに出会うことはできませんでしたが、もう一つの主役、ハジロミズナギドリは何度も間近に見ることができ、コアホウドリ、クロアシアホウドリ、フルマカモメ、トウゾクカモメ、ミツユビカモメ、ウトウ、ウミスズメなどが見られ、海上を渡っていくオオハクチョウの群れは印象的でした。また驚いたことにハイイロチュウヒのオスが見られ、マヒワも数多く飛んでいたことから鳥たちの渡りも実感できました。今後もさまざまな海域でさまざまな季節に海鳥観察ツアーを企画予定ですのでぜひ経験を積んでいただければと思います。この度はご参加いただきましてありがとうございました。またご一緒できましたら幸いです。
石田光史