【ツアー報告】アオシギに会いたい!奥日光ハイキング 2021年11月17日
(写真:アオシギ 撮影:小林浩様)
数ある日帰りバスツアーの中でも移動時間が長い奥日光へ向かうツアー。平地では越冬しないアオシギ、カワガラス、キバシリ、ゴジュウカラ、コガラといった種を観察することを目的として企画し、中でも観察が難しいアオシギとの出会いに期待したツアーです。紅葉の時期に合わせれば紅葉も楽しめるわけではありますが、大変に混雑することから時期を若干遅らせ、渡ってきたばかりの冬鳥たちにも期待できる時期設定にしています。過去には積雪があったり、小雪が舞ったりすることもあった奥日光ですが、この日は天気予報は晴れ、ただし最高気温が7℃とのことでした。
17日、東京駅前からのバスツアーとしては現地までの距離があるため出発時間を通常のツアーよりも早めの07:30としていますが、今回も順調にご集合が完了したことからほぼ予定通り出発することができました。バス車内ではいつものようにこの日見られる可能性がある野鳥たちの解説を行い、途中にあるサービスエリアで休憩をとった後は日光有料道路を経由して、おなじみのいろは坂から僅かに残るカラマツの紅葉を眺めながら進みました。中禅寺湖、戦場ヶ原を過ぎて、この日最初のポイントに到着後は各自観察機材準備をしていただいてからアオシギを探して森に入りました。まずは早くも繁殖行動をしているカワガラスが倒木に止まって、しばらくの間、さえずりのようなまろやかな声でさえずっていたことから望遠鏡で観察することができました。少々進むと今度はミソサザイが陽気に誘われてさえずり、ここでも倒木に止まっているカワガラスをじっくりと見ることができました。さらに進むとここでようやく対岸の倒木付近でじっとしているアオシギの姿があり、ここからはしばらくの間、観察することにしました。基本的にはじっとしていることが多い鳥ですが、しばらく見ていると餌を探し始めたため、独特の体を上下する行動を見ることができ、伸びをするなど意外にもさまざまな行動を見ることができました。その後は水を飲みにやってきていたマヒワの小群に出会うことができ、黄色みが強いオス、黄色みの薄いメス、また枝先で餌を探すヒガラなども見られ、その後は一旦、バスまで戻って各自昼食としました。アオシギに出会うことができたことから昼食後はそれ以外のポイントをめぐることにし、まずは湯ノ湖畔で間近にコガラ、ゴジュウカラ、シジュウカラを観察し、珍しく木にじっと止まってしばらくさえずってくれたゴジュウカラの姿が印象的でした。またキバシリがグイグイと木を登って行く様子も観察でき、湯ノ湖畔では湖面にいるキンクロハジロ、ホシハジロ、オオバン、さらには周囲のカラマツに群れるアトリの姿があり、しばらく見ていると近くのハンノキにやってきたことから橙色の美しい姿を堪能することもできました。その後、光徳牧場では今季初となるツグミ、ズミの実を食べているジョウビタキ、ゴジュウカラに出会うことができ、戦場ヶ原ではここでもズミに群れるアトリ、ツグミ、高木に止まるアカゲラの姿を見ることができ、かなり傾いてきた夕陽を見ながら16:00に探鳥を終了しました。
まずはこの時期の奥日光としては暖かで穏やかな1日で傘をさすこともなく探鳥ができ幸いでした。第一の目的だったアオシギは一週間前の下見時にはまったく気配すらなかったため諦めていましたが、奇跡的に出会うことができ驚きでした。ほかにもカワガラス、キバシリ、ゴジュウカラ、コガラといった目的の鳥にも出会え、ツグミ、アトリ、マヒワといった冬鳥たちも楽しませてくれました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史