【ツアー報告】大洗航路で行く!十勝のガン類と北海道の小鳥たち 2022年3月18日~22日

(写真:シジュウカラガン 撮影:久野守正様)

3月の大洗~苫小牧航路ツアーはウミスズメ類が多数観察できることから、長らく海鳥観察ツアーとして企画してきましたが、ここ数年はエトロフウミスズメもコウミスズメもほぼ見ることができなくなったことから昨年で一旦終了としました。ただ、ウミスズメ、ハシブトウミガラス、ウトウといったウミスズメ類の基本種やアホウドリ類3種、トウゾクカモメ類、ミツユビカモメなどの海鳥は楽しめることから、道内探鳥と組み合わせた4日間に企画変更することにしました。ただ、今年はたまたま3連休と重なったことから十勝平野まで足を延ばして1泊増やした5日間の特別企画ツアーとしました。ちょうど十勝平野はガン類の北帰行の時期、そして苫小牧周辺ではまだまだ小鳥類が楽しめ、往復の航路ではウミスズメ類やアホウドリ類、トウゾクカモメも定番です。ただ、今回はたまたま低気圧の通過に当たってしまい、往路の航路探鳥は厳しい状況での出発となってしまいました。

18日、ここ数日は春というよりも初夏を思わせる陽気が続いていましたが、この日は朝から雨が降り、集合場所に向かう途中では激しい雨と強風となる中、大洗フェリーターミナルに到着。早々に激しい動揺があること、また海況不良を回避するために1時間強の早出しをすることが伝えられていました。そのため集合後は翌日の航路探鳥の中止を含む連絡事項をお伝えしてから予定よりも早い22:00に乗船しました。

19日、出航後からいきなり動揺するのかと思いましたが、意外に揺れは少なく航行していました。ただ14:00を過ぎたあたりからは激しい衝撃が何度もあり、船体が大きく左右に揺れる状況になってきました。そして15:00頃からはいよいよ立って歩くことも難しい状況になってしまい、18:00には苫小牧到着が深夜02:00頃になるとのアナウンスがあったため到着後の対応をどうするか検討に入りました。ただ船は時化を避けるために大きく航路を外れており、携帯電話がつながらなく苦労しました。またようやく激しい動揺が収まった21:00頃には夜食がふるまわれました。

 

*諸般の事情により詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しておりません。

 

恒例になっている大洗~苫小牧航路と道内での探鳥を組み合わせたツアーでしたが、今回はたまたま3連休ということでガン類の北帰行に合わせる形で十勝平野まで足を延ばした特別企画の5日間の長旅でした。早春をイメージしていましたが道内はどこも積雪が多く、寒さが厳しい5日間で、まさに真冬といった印象でした。また往路は激しい揺れのため海鳥観察が全くできなかった上、大幅な遅延もあり大変な1日になってしまいました。ただ、道内ではオオワシ、オジロワシ、マガン、ヒシクイ、シジュウカラガン、タンチョウ、シマエナガ、ミヤマカケス、ハシブトガラなどが見られ、たまたま雪景色の中でガン類を見る珍しいシーンに当たりました。また帰りの航路では3桁を数えるコアホウドリの大群の乱舞は見事で、ほかにもアホウドリ、クロアシアホウドリ、ウミスズメ、ハシブトウミガラス、ウトウ、ミツユビカモメの群れなどに出会うことができました。大変ご苦労が多い5日間、お疲れさまでした。またの機会、ご一緒できましたら幸いです。

石田光史

カササギ 撮影:久野守正様

 

マガンとヒシクイ 撮影:久野守正様

 

オオハクチョウ 撮影:久野守正様

 

ミコアイサ 撮影:久野守正様

 

ミツユビカモメ 撮影:久野守正様

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